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2011.02.10

200%KOされたティントレットの大作!

2359     ベリーニの‘二人の聖女に囲まれた聖母子’(1490年)

2356     ティツィアーノの‘キリストの埋葬’(1559年)

2357     ティントレットの‘使徒の足を洗うキリスト’(部分 1547年)

2358     ヴェロネーゼの‘ヴィーナスとアドニス’(1580年)

プラドにあるイタリア、ヴェネツィア派の画家の作品のなかで数が多いのがティツィアーノ(1485~1576)。なにしろ36点もあるから作品をローテーションしながら展示している。だから、一度の訪問ではとうてい見きれない。

4年前、必見リストを手に握り締め、興奮状態で1階と2階にある展示室をみてまわった(拙ブログ07/3/23)。‘バッカス祭’や‘ヴィーナスへの奉献’などお目当ての作品をかなりみることができたが、展示されてなかったのも結構あった。で、今回中心にみるのはそのリカバリー作品8点。幸運にも皆みることができた。そしてプラスαが4点。12点も新規の絵に遭遇したのだから言うことなし。

ここは展示場所がよく変わるが、ヴェネツィア派の作品は現在1階の50、52-A,B,Cの4室に展示されている。今回ティツィアーノでとくに魅せられたのは‘キリストの埋葬’の色彩。画面には光があふれ、死せるキリストのだらりとした腕をもつ聖母の青の衣裳と足を持つ男が身につけている深紅の服が輝いている。こういう色彩をみるとテンションはいやがおうでも上がる。

この絵同様、鮮やかな色彩に震えたのがベリーニ(1434~1516)の‘二人の聖女に囲まれた聖母子’。これは事前の情報がなかった絵だが、昨年ヴェネツィアのアカデミア美でみた絵(10/2/3)のデジャ・ヴュを見ている感じだった。二つの絵は右の聖女は変わっているが、聖母と左の聖女はまったく一緒。無地の背景に浮き上がる3人を息を呑んでみていた。

今回の大当たりはティントレット(1519~1594)の大作‘使徒の足を洗うキリスト’。縦は2.1m、横はなんと5.33mある。横長のワイド画面は演劇の舞台を観ているよう。画像は右端でキリストが弟子の一人、ペテロの足を洗おうとしている場面。キリストに横から光を当て首のあたりを暗くしている。その明暗のコントラストがキリストの謙虚な姿勢を見る者に一層印象づけている。

釘づけになるのは明暗表現だけではない。奥行きのある空間に立ち尽くしてしまう。左の奥に消失点をもってくる遠近法がつくりだすこのワイドな空間に弟子たちや犬、そしてキリストを配置し、受難の一場面を描いている。4年前、ちょうど特別展‘ティントレットとヴェロネーゼ展’が行われており、残念ながらこの絵はみれなかった。図版のイメージとは違い本物がこれほどすばらしい絵だったとは。200%KOされた!

4点あったヴェロネーゼ(1528~1588)の絵では大きな絵‘博士たちと議論するキリスト’と‘ヴィーナスとアドニス’の前に長くいた。‘ヴィーナスとアドニス’ではヴィーナスの膝枕で寝ているアドニスの橙色の衣裳が目に焼きつく。おもしろいことに二匹の狩猟犬(イタリアン・グレーハウンド)を含めて皆体をくねらせている。これによってうまれる動感に目が吸い寄せられる。

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