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2011.02.19

平山郁夫の‘大唐西域壁画’と再会!

2394_2     仏伝図‘カーシャパ兄弟の仏礼拝’(2~3世紀)

2393_2     平山郁夫の‘アンコールワットの月’(1993年)

2395_2     平山郁夫の‘大唐西域壁画・高昌故城’(2000年)

2392_2     ‘大唐西域壁画・西方浄土 須弥山’(2000年)

東博で現在行われている‘平山郁夫と文化財保護’展(1/18~3/6)へ足を運んだのは平山郁夫の未見の作品に出会うのと奈良の薬師寺にある‘大唐西域壁画’と再会するためだった。で、シルクロードなどから出土した仏教関連の彫刻などは途中まではとくに目に力を入れてみてなかった。

ところが、想定外のすごい彫刻が現れた。浮彫の‘カーシャ兄弟の仏礼拝’。2~3世紀のものである。中央の仏陀やまわりをとりかこむ弟子やうしろの天使たちが一体々見事な技で彫り上げられている。これはアフガニスタンのカブール博物館の部屋に飾られているのが本来の姿なのだが、不幸なことにまだ本国へ帰れない。動乱のアフガニスタンにあって博物館から不法に国外に持ち出され、今は‘文化財難民’として日本の地にある。

09年に亡くなった平山郁夫はこうした‘文化財難民’を救う活動を中心となって行ったり、アジアの貴重な文化遺産の蒐集や修復事業にも取り組み大きな功績を残した。今回そうした幅広い活動を知り、あらためて平山郁夫は本当にエライなと思った。

期待の絵画は目玉の‘大唐西域壁画’プラス7点。平山郁夫を絵をみたくなるひとつの理由は画面が大きいこと。そして、もうひとつは描かれているアジアの風景が自分たちがこれまで訪問したところとか、これから旅行を計画しているところだから。

とても心を揺すぶるのが青一色の‘アンコールワットの月’。夜のアンコールワットを是非みてみたい。昨年5月行き損ねた敦煌を描いた‘敦煌鳴砂’(拙ブログ05/6/20)を体験するのは3度目だが、この絵を見るたびに敦煌にあこがれる。ヨーロッパまわりが先行し遅れがちだが、気分の盛り上がりはいつ頃か?

お目当ての‘大唐西域壁画’をじっくりみた。場面は7つ。‘明けゆく長安大雁塔’、‘嘉峪関を行く’、‘高昌故城’、‘西方浄土 須弥山’、‘バーミアン石窟’、‘デカン高原の夕べ’(09/12/2)、‘ナーランダの月’。敦煌旅行のとき一緒にみたいのが‘高昌故城’の画面後方に描かれている火焔山。夕日を浴びると炎につつまれたようにみえるというが、現地では声を失うかもしれない。

薬師寺で三面にわたる‘西方浄土 須弥山’をみたときの感激は半端ではなかった。今回も山々を仰ぎみていると気持ちがだんだんハイになってきた。画像は真ん中のもの。遠くにみえる雪の積もった峻厳な山々の姿が心をとらえて離さない。空の深い青に浮かびあがる白の輝きを時間が経つのも忘れてみていた。

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コメント

こんばんは。
平山郁夫さん、すばらしい人ですね。
文化財の保護、あえて、バーミヤンの破壊された大仏は負の世界遺産としてそのままに残すべきだと訴えたとか。
そして薬師寺の壁画、玄奘を追体験するために真冬のエベレストに登ったとか。仏教にまだ力はあるのか?
トーハクは、今後も手塚治と仏陀とか、空海密教とか法然親鸞とか仏教展覧会続きますね。

投稿: oki | 2011.02.20 22:45

私も昨日行ってきました。
改めて平山画伯の偉大さを感じました。
ただ自分の好きな絵を描くことだけでなく
異国のものであってもその文化財を私財を
投じても守ると姿勢こそ本物の芸術家なの
だと思いました。
GWにまた奈良へ行く予定ですが、薬師寺と
唐招提寺は絶対に外せないコースなのです。
美術館でみる仏様もよいのですが、やはり
仏様関係のものは、あるべき場所で拝見する
それが一番しっくりきます。

投稿: リセ | 2011.02.21 00:44

to okiさん
広島に住んでいましたから、原爆にあった
平山郁夫のことは特別な思いでみてます。
インドのデカン高原は写真より平山の絵の方
が実感します。

東博の東寺の国宝をどさっともってくる密教
展は楽しみですね。

投稿: いづつや | 2011.02.21 08:20

to リセさん
インドは2度体験しましたが、バスの移動は
もう大変です。そんなインドや高山病のリスク
のあるヒマラヤとかへ行き、自分のライフ
ワークである玄奘三蔵の道を追体験するのです
から、平山郁夫は画家であると同時に宗教家
ですね。並みの人間にはできません。

投稿: いづつや | 2011.02.21 08:31

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