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2011.02.11

アンニーバレ・カラッチにのめり込みそう!

2363_2         コレッジョの‘我に触れるな’(1525年)

2360_2       カラヴァッジョの‘ゴリアテを負かしたダヴィデ’(1600年)

2361_2    アンニーバレ・カラッチの‘ヴィーナス、アドニスとキューピッド’(1590年)

2362_2    グイド・レーニの‘アトランテとヒッポメネス’(1612年)

今回のプラド美訪問でリカバリーしたい作品のリストは4年前に購入した館の図録(日本語版あり)と手持ちの美術本をチェックして作成したが、その数はおよそ70点。ここはルーブル、ロンドンのナショナルギャラリーと並ぶ西洋絵画の殿堂だから、お目当てのものが目の前に現れてくれるとすごく幸せな気分になるし、逆に展示されてないと落胆度も大きい。とにかくここには名画がいっぱいある。

大きな感動をもらうのは追っかけ画に出会ったときと、もう一つまったく情報のなかった絵がひょいと姿をみせてくれるとき。今日紹介するのは必見リストに入ってなく再会を楽しんだ絵3点と図録に載ってなかったすばらしい絵1点。

‘我にふれるな’という画題で描かれた絵はこれまでいくつかみてきたが、ここにあるコレッジョ(1489~1534)のものとロンドンのナショナルギャラリーにあるティツィアーノのものに最も惹かれている。コレッジョのこの絵は両手を横に大きく広げるキリストと跪くマグダラのマリアが対角線の構図で描かれているので、バロックの絵のように画面に動きと緊張感が生まれている。

カラヴァッジョ(1571~1610)の強い明暗法で描かれた‘ゴリアテを負かしたダヴィデ’はよく目にするダヴィデの絵とは画面構成がちょっと違う。普通ならダヴィデの姿をもっと印象づけるような描き方をするのだが、カラヴァッジョはあえてダヴィデの顔を暗くし、見る者の視線が地面に横たわるゴリアテの首に向かうように描いている。また、ダヴィデは強そうにはとてもみえず、冷静さを装っている感じ。ダヴィデはほんの小僧っ子なのだから、びっくり仰天の結末にドラマ性をもたせるにはこういう少年の生の姿のほうがかえってゾクゾクッとする感情をいだくかもしれない。

今回絵の前で立ち尽くしていたのは昨日とりあげたティントレットの絵とカラッチ(1560~1609)の描いた‘ヴィーナス、アドニスとキューピッド’。この絵は前回みたという記憶がない。昨年、‘カピディモンテ美展’(西洋美)でみた‘ルナルドとアルミーダ’(拙ブログ10/6/29)に大変魅了されたが、この絵の動きのある人物描写とヴィーナスの肌のやわらかさにも心が揺すぶられる。こうなるともうカラッチへまっしぐら。ナポリのカポディモンテ美で‘分かれ道のヘラクレス’をなんとしても見たくなった。

カラッチの影響を強くうけたボローニャ派のグイド・レーニ(1576~1642)の‘アトランテとヒッポメネス’は前回同様、どうしても足がとまる。なぜかNHKのテレビ体操にでてくる女性たちを連想してしまう。暗い背景には左右に人物たちが小さく描かれているがそこに視線はいかず、リズミカルな動きをみせる二人の均整美に酔いしれていた。この絵の別ヴァージョンが西洋美にもやってきたから、グッとみつめられる方が多いのではなかろうか。

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