スペインでゲットしたすぐれもの本!
海外旅行をしたとき、でかけた先の観光名所や遺跡で販売されている解説本や訪問した美術館の図録は現地語であろうと日本語版であろうと必ず購入することにしている。で、帰りのスーツケースは買い込んだ本のためかなり重たくなる。スペイン旅行でとてもいい本を手に入れたので、今日はその話を。
07年プラド美で買った図録は使われている図版がひどいものだった。色が全体的にうすくて実際の色をひろってないのである。前年にあった‘プラド美展’(東京都美)でつくられた立派な図録に較べると、その出来栄えは月とスッポンという感じ。天下のプラドがよくもこんな質の悪い図録をつくったものだとちょっとあきれた。
この図録の評判が悪いことを認めたのか、ミュージアムショップには09年8月に出版された新図録がどんと積まれていた。新本はロンドンのナショナルギャラリーの‘コンパニオン・ガイド’タイプの縦長本(縦24.5cm、横15.3cm)。これがなかなかいい。レイアウトや解説文の書き方は明らかにナショナル・ギャラリーを手本にしており、図版の色は前のものより格段に改善されている。
08年に手に入れたナショナルギャラリーの図録は愛読書のひとつ。だから、これと似た図録をプラドがつくってくれたのは大変ありがたい。絵の選定も充実している。嬉しいことに前には載ってなかった作品例えば、カラッチの‘ヴィーナス、アドニスとキューピッド’やパルミジャニーノ,ジョルダーノの絵なども入っている。なんだか宝物をゲットしたような気分。今、余韻に浸りながら頻繁にながめている。西洋絵画に夢中な方には是非お奨めしたい。
人気の観光地にもすぐれものの解説本があった。ひとつは07年のときからみかけたアルハンブラ宮殿のガイドブック‘アルハンブラ散策’。これは本当にすばらしい本。ここを旅されてすでにお持ちの人も多いかもしれない。今回お世話になった添乗員さんも買ったとおっしゃっていた。
感心するのは豊富な情報と上手な編集。見やすいレイアウト、綺麗な写真、コンパクトでわかりやすい文章、つい手元にとって見たくなる本とはこのこと。これまで観光地の解説本を数多く買ったが、こんなすぐれものはみたことがない。日本語のほかに5、6各国語に翻訳されている。グラナダへ行かれたら、この本のことをお忘れなく!
今回手に入れたビジュアルガイド‘サグラダ・ファミリア’は10年の刊行。これも‘アルハンブラ散策’同様、巧みな編集と豊富な写真を使って天才建築家ガウデイのつくったサグラダ・ファミリアの美しさをあますところなく楽しくわかりやすく伝えている。
スペインの人気の観光スポット、アルハンブラ宮殿とサグラダ・ファミリアでともにすぐれものガイドブックが用意されている。本好きだからこれほど嬉しいことはない。こういう本をみるとスペイン人の文化力に拍手を送りたくなる。
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