大人気の‘運慶展’(金沢文庫)!
重文‘大日如来坐像’(鎌倉時代初期 東京・真如苑)
金沢文庫で開催中の‘運慶展’(1/21~3/6)を楽しんだ。金沢文庫は地元だから馴染みの美術館。出かけるのは年に1回くらいだが、企画展は良質なのでいい印象をもっている。
いつもはクルマで行くのだが今回はやめた。この展覧会に大勢の人が注目していることはわかっており、駐車場が満杯なことは容易に予想できる。だから、京急の金沢文庫駅で下車し、歩いた。およそ15分で着く。行きも帰りも明らかに文庫をめざしている人たちを多くみかけた。運慶(?~1223)の作品だから皆、特別な思いなのだろう。
展示室は2つしかないから急いでみればあっという間に終わる。でも、今回は運慶なので7点をじっくりみた。一番のお目当ては奈良の円成寺からやってきた国宝の‘大日如来坐像’。16年前現地でみたが、随分前のことだから、記憶はすっかり消えている。これは運慶の初期の作品。視線が集中するのは頬がふっくらした赤茶色の丸い顔。そして、バランスのとれた体つきと安定感のある坐勢のポーズが心を静めてくれる。
オークション騒ぎで世間の関心を集めた真如苑の‘大日如来坐像’はお08年東博で光得寺のものと一緒にみた。二体とも顔の丸さは似ているが、真如苑のほうはすこし厳しい顔つき。これに対し、獅子が支える蓮華座に乗る大日如来のほうは目元すっきりで微笑んでいるようにみえる。この仏像が以前の仏像に比べて写実的に表現されていることは、散歩をしていると時々こういう顔をした赤ちゃんにでくわすことからもわかる。
2年前鶴岡八幡宮内の国宝館でみた‘不動明王立像’と‘毘沙門天立像’(ともに
2/27までの展示)とまた会った。‘不動明王’は目がおもしろい。なぜか左目が小さいのである。初見は鮮やかな色彩と美しい顔だちに魅了される重文‘帝釈天立像’
(1201年、愛知・滝山寺)と運慶が最晩年につくった小品の重文‘大威徳明王像’
(1216年、神奈川・光明院、金沢文庫保管)。
数の少ない運慶の作品が7点まとめてみれたのだから幸せな気分。小さな美術館が放った大ホームラン。金沢文庫に拍手!
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コメント
おおっ、円成寺の大日如来様
運慶のお作品群
すばらしかったわ。
称名寺・金沢文庫 も はじめてでした。
鎌倉市との区別もつかなくなり
訪問の日は興奮の連続でした。
相変わらず すてきな写真 ですね。
投稿: Baroque | 2011.02.21 22:55
to Baroqueさん
円成寺の大日如来坐像は本当に感激し
ますね。現地へはなかなかいけませんから、
こんな近くでじっくりみられるのは願った
り叶ったりです。
金沢文庫はいい企画展をしてくれますから、
好感度上位の美術館へ入れてます。
投稿: いづつや | 2011.02.22 10:15