« 目を楽しませてくれる‘マイセン磁器の300年’展! | トップページ | サンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂でゴヤの天井画をみた! »

2011.01.29

ゴヤの絵をもとめて王立サン・フェルナンド美術アカデミーヘ!

2309_2     ゴヤの‘オレンジ戦争司令官としてのゴドイ’(1801年)

2308_2       ‘自画像’(1815年)

2307_2            ‘鰯の埋葬’(1816年)

2310_2     ‘村の闘牛’(1816年)

はじめて行く王立サン・フェルナン美術アカデミーは‘熊と山桃の像’があるプエルタ・デル・ソルからシベレス広場に向かってほんの数分歩いたところにあった。ダリやピカソも絵の勉強にやってきたこのアカデミーが所蔵する絵で一番のお目当てはゴヤ(1746~1828)。

事前に作成した必見リストに載せているのはゴヤ9点のみ。手元にはゴヤの情報しかないからすぐにおわるかなと思ったが、やはりここは由緒ある美術館、スペインの画家やティントレット、ルーベンス、ヴァン・ダイクなどの絵もしっかり揃っていた。そのなかで足がとまったのはリベラの人物画とグレコの‘聖ジェロニモス’、スルバランの‘神の羊’。

ゴヤの作品は予想以上にあった。追っかけ画は運良く皆対面でき、これにプラスαの肖像画が4点、さらに嬉しいことに他館蔵の子供画6点を集めたミニゴヤ展が行われていたので、トータル19点。今回の美術館めぐりでゴヤは重点鑑賞画家の一人だから、上々のすべりだしに嬉しさがこみあげてきた。

2階の展示室でゴヤがあるのは最後の2室(20&21)。1799年10月、53歳のゴヤは念願の首席宮廷画家の座を射止める。‘オレンジ戦争司令官としてのゴドイ’はその2年後に描かれたもの。ゴヤは生涯に500点の肖像画を描いているが、人物の個性や内面を表現する技は比類がない。金飾りの軍服に身をつつみ尊大な態度で椅子に座るゴドイを‘この男がカルロス4世の王妃マリア・ルイサが熱く愛した若い燕か!’と過剰に妄想しながら眺めていた。

ここにはゴヤの若いときと69歳のときの自画像がある。プラド美で1815年に描かれた別ヴァージョンをみたが、2つはあまりに似ているのでチェックリストを準備しているとき、もう鑑賞済みなのでは?と混乱した。よくみると白い襟の部分が違い、首の傾け方はこの美術館にあるほうがすこし大きい。全体的にはこちらのほうがいいかなという感じ。

風俗画の‘鰯の埋葬’は楽しさと不気味さが交錯する絵。強く吸い寄せられるのが中央で白い服を着て、顔を日本のお多福のように白く塗りたくり足と手を大きくひろげて踊る女。まわりの男たちのなかには‘黒の絵’シリーズに登場する人物のように卑俗的で狂気じみた顔をしているものもおり、不気味さが漂うが、白服女の天真爛漫な表情がこの暗い気分をすぐかき消してくれる。

ゴヤは20歳前半にロココ風の明るい色調で人々の日常の遊びや行事を沢山描いたが、これを思い起こさせてくれるのが‘村の闘牛’。広場で繰り広げられる闘牛士と牛の息詰まる闘いが豊かな動感描写と奥行きのある画面構成で描かれている。これをみている人たちの体が牛の激しい動きにあわせて左右に揺れ動いている感じなので、こちらも立ち止まってみてしまう。

この‘村の闘牛’は4点シリーズの1枚。ほかには頭に三角帽子を被せられた男たちのうなだれた姿が目に焼きつく‘異端審問所法廷’や心がザワザワする‘狂人たちの家’がある。

|

« 目を楽しませてくれる‘マイセン磁器の300年’展! | トップページ | サンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂でゴヤの天井画をみた! »

コメント

BSの「美の浪漫紀行」でマドリッドを見たばかりでした。
王立サン・フェルナン美術アカデミーも見ました。

ゴヤは、フランス革命期に生きた人で、
モーツアルトの生きた時代でもあるというのは
ちょっと不思議な気もいたします。
ナポレオンの登場は、その時代の芸術家たちにも大きな影響しているような。。。

サントリーのマイセン展は大阪にも巡回するそうなので楽しみです。

投稿: licolusie | 2011.01.30 13:31

to licoluiseさん
今回のマドリード美術館めぐりの目玉は
ゴヤでした。多面的な画風をもつゴヤに
すごく惹かれてます。

マイセン展は兵庫にも大阪にも巡回する
ようですから、是非。

投稿: いづつや | 2011.01.31 15:52

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/65878/50720500

この記事へのトラックバック一覧です: ゴヤの絵をもとめて王立サン・フェルナンド美術アカデミーヘ!:

« 目を楽しませてくれる‘マイセン磁器の300年’展! | トップページ | サンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂でゴヤの天井画をみた! »