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2011.01.06

心を揺すぶる‘鈴木蔵の志野’!

2267      ‘志野丸皿 流旅転生ノ内 銘々皿’(1985年)

2264      ‘志野大皿 流旅転生ノ内 果物大皿’(1985年)

2265      ‘志野茶碗’(2009年)

2266      ‘志野茶碗’(2009年)

ホテルオークラの近くにある智美で開催中の‘鈴木蔵の志野’展(11/20~3/21)をみてきた。1/4の展覧会はじめはやきもの三昧。徳田八十吉、河井寛次郎のあとは‘志野’の人間国宝、鈴木蔵(おさむ、1934~)。

今年77歳の鈴木蔵は井上萬二、十四代酒井田柿右衛門らとともに陶芸界のリーダー的な存在だが、作品をまとまった形でみたのはまだ1回しかない。04年広島の八丁堀天満屋で行われた回顧展に志野や瀬戸黒の茶碗が26点でていた。印象に残る志野茶碗は存在感があり、とても気持ちが和んだ。

1985年、菊池ゲストハウス(智美ができる前にあった建物)で行われた個展で鈴木蔵が‘流旅転生’と題して制作した会席用の和食器の揃いが発表された。で、副題が‘流旅転生’に。これは横山大観の‘生々流転’と同じ発想で、流水の変遷、循環を絵巻物語風に器で表現している。

この食器は花器、湯呑、丸皿、長角、徳利、向付、小皿、大皿、角皿、碗、土瓶、茶碗など全部で31点ある。力強いフォルムが目をひくオブジェタイプの花器3点は現代の志野を表現する鈴木蔵の真骨頂といったところだが、ほかの食器は見慣れたもの。

絵柄にすごく惹かれるのが槍ヶ岳をシルエットにした鼠志野の丸皿。5皿のヴァリエーションを連続してみると峻厳な山々の姿がひしひしと伝わってくる。志野のもつやわらかさとゆったりした感じが心を揺すぶるのが‘果物大皿’。図版では渦巻きの明るいうす青がはっきりでてなくて残念だが、この白とうす青の色合いは本当に美しい!

期待の志野茶碗は25点あった。鈴木蔵にとって茶碗はライフワーク。1点々味わい深く、志野の魅力をいろいろな釉色で表現している。とくに魅了されたのが柔和な白釉がたっぷりかかった胴の丸い‘志野茶碗’。その光沢のある肌合いは小さいころよく食べた白の砂糖菓子を思い起こさせる。

もうひとつ長くみていたのが白い釉薬から浮かび上がる緋色とピンホールが印象的な少し角ばった‘志野茶碗’。また、2010年の新作6点もいいのが揃っている。これで回顧展を2回体験したから、この陶芸家との距離がかなり縮まった。毎年でてくる茶碗に会うのがとても楽しみ。

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