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2011.01.31

ラサロ・ガルディアーノ美のボスの絵に会えて上機嫌!

2318_2            ラサロ・ガルディアーノ美

2317_2            ボスの‘荒野の洗礼者聖ヨハネ’(1505年)

2315_2            ゴヤの‘魔女の集会’(1797~1798年)

 2316_2            ゴヤの‘呪文’(1797~1798年)

マドリッドの美術館めぐりを計画したとき、プラド以外でなんとしても行きたい美術館が二つあった。一つはカラヴァッジョの‘アレクサンドリアの聖カタリナ’(拙ブログ10/7/11)とダリの長ったらしい名前のついたトラの絵がみられるティッセン・ボルネミッサ美、もう一つはボスの‘荒野の洗礼者聖ヨハネ’(10/7/27)があるラサロ・ガルディアーノ美。

プラドからはちょっと離れているラサロ・カルディアーノはセラーノ通りの上のほうにある。最寄の地下鉄駅はグレゴリア・マラニョーン、ここから徒歩5分で着く。美術館というよりは邸宅のなかに入る感じ。入館するとすぐボス(1450~1516)の絵があるところを聞いた。3階のルーム17にあるというので、急いで向かった。ありました、ありました!

左ひじをついて瞑想している聖ヨハネの姿は働く気がなく人生をぼやっと生きているオッサンのイメージ。このユルユル空気をしゃきっとさせているのがへんてこな形をした植物と刺のあるアザミの花。真ん中にはボスの絵にはよくでてくる南瓜提灯みたいなものがあり、鳥がなかにある粒々を食べている。上のほうをみると、これよりふたまわり小さいのがみえ、そこに鳥が止まっている。さらに聖人の右手の前にもさらに小さいのが横たわっている。

ボスの絵は画面全体を仔細に見れば見るほどおもしろい。手前の石のところには虫がおり、この小さな生き物で目を慣らしそのまま視線を遠景に移すと、鹿や空を飛ぶ鳥がいるのに気づく。大地は草に覆われ、点描風に描かれた木々が立ち並んでいるので聖人は緑豊かな風景に囲まれている。これが荒野?!

ヨハネが指差している子羊はご存知のようにキリストを表す。不思議な形をした植物は官能の喜びを象徴するものと解釈すると、ヨハネの心のなかは‘わたしゃ、キリスト一辺倒だからね、誘惑に乗ってヨイヨイするよりはぐーすか寝ているのがいいんです’ということになるのだろうか。

ここにもゴヤ(1746~1828)の絵が10点もあった。必見リストには2点しか入れてなかったからこれは嬉しい!‘魔女の集会’と‘呪文’はオスーナ公爵から依頼された‘魔女の主題による6枚の絵’の2点。ともに不吉な感じを抱かせる絵。‘魔女の集会’では、悪魔の化身とされる大きな牡山羊が中央にでんと座り、そのまわりを女たちが取り囲み、生け贄として赤ん坊を捧げている。‘呪文’はさらに怖い。人形を針で刺している。ホラー映画にでてくる憎い奴に似せてつくった藁人形を釘でめった刺しするシーンを思い出した。

ゴヤの作品はほかにルノワールとみまがうような女性画やゴドイの肖像画などがあり、大収穫だった。また、ベラスケスの描いた横向きの女性の絵やグレコの聖人画、クラナハのキューピッドにも足がとまった。

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2011.01.30

サンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂でゴヤの天井画をみた!

2311_2      サンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂

2312_2     ゴヤが描いた礼拝堂の天井画(1798年)

2313_2    クーポラに描かれた‘パドヴァの聖アントニウスの奇蹟’(1798年)

2314_2     美貌NO.1の天使

ゴヤ(1746~1828)が描いた天井画をみるため、プリンシペ・ピオ駅の近くにあるサンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂をめざした。地下鉄を降り地上にあがってくるところまではまあなんとかやって来れる。さて、ここから右へ行くのか、左へ行くのか?最初に聞いた若い女性は‘あっちネ、二つ目を右に曲がるの’、話が通じたと思いホイホイ進んでいるとどうも違う感じ、2人の男性に聞くと逆の方向だという。こちらの案内のほうが正しかった。

あともう少しのところでガイドブックをもって歩いてくる日本人女性に出会った。つい気安くなり、再度確認。‘すばらしい天井画でした!手前にある礼拝堂です’とニコッと笑って教えてくれた。若い方だったが、同志に会ったような気分。早足になった。

礼拝堂のクーポラ(円蓋)の高さは9.1mあまり、直径は5.8m。クーポラと祭檀上のアプス(半ドーム)など14面からなる天井画をゴヤは助手を一人だけを使いフレスコで描いた。クーポラの題材は‘パドヴァの聖アントニウスの奇蹟’、下のアプスなどには定番の天使や愛らしいプットがみえる。

この天井画の制作をカルロス4世から注文されたのは1798年3月、52歳のゴヤ(このころはもう聴覚はない)はこれを4ヶ月で仕上げた。ミケランジェロも裸足で逃げだしそうな仕事の速さである。まず、単眼鏡も使ってクーポラの絵をじっくりみた。ここにはだまし絵がみられる。中央で横向きに立つ修道服の人物が聖アントニウス。その後ろにいる男の子や白い服の女が本物の鉄の欄干によじのぼったり、もたれかかっているようにみえる。これはマンテーニャのだまし絵にそっくり。

聖アントニウスはどんな奇蹟を起こしたのか?どんより窪んだ目をした裸の男が後ろの男に腹のあたりに手を回されて聖人の前にいるが、これは今しがた死から蘇ったところ。じつはこの男は殺されたのである。犯人は?あろうことか、聖人の父親(黄色い服を着て目を閉じている老人)が殺人の罪で告訴される。イタリアにいた聖人は‘こりゃ大変!’と孫悟空のように空を飛んで故郷ポルトガルへ戻ってくる。

父親の冤罪を晴らすにはこの男を生き返らせ、真犯人を聞き出すしかない。で、得意の呪術を使い、奇蹟を起こす。‘誰がお前を殺したのかい?’と聖人は答えを迫る。そのとき聖人の後ろにいた黒い帽子を被り黄色い服を着た男が背をむけて逃げ出そうとする。‘あ、あいつですよ!’

アプスやそのまわりに頬を赤く染めた天使たちが沢山描かれているが、右にほうにとびっきりチャーミングな天使をみつけた。奇蹟をみている群集は卑俗っぽく、ときには残忍性までだして描かれているのに対し、聖なる世界の天使やプットたちは明るい色合いでじつに愛らしく、生き生きと描かれている。

聖と俗の対比描写をしっかりみたので堂内に置かれたゴヤの墓を最後にもう一度みて、ひきあげた。

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2011.01.29

ゴヤの絵をもとめて王立サン・フェルナンド美術アカデミーヘ!

2309_2     ゴヤの‘オレンジ戦争司令官としてのゴドイ’(1801年)

2308_2       ‘自画像’(1815年)

2307_2            ‘鰯の埋葬’(1816年)

2310_2     ‘村の闘牛’(1816年)

はじめて行く王立サン・フェルナン美術アカデミーは‘熊と山桃の像’があるプエルタ・デル・ソルからシベレス広場に向かってほんの数分歩いたところにあった。ダリやピカソも絵の勉強にやってきたこのアカデミーが所蔵する絵で一番のお目当てはゴヤ(1746~1828)。

事前に作成した必見リストに載せているのはゴヤ9点のみ。手元にはゴヤの情報しかないからすぐにおわるかなと思ったが、やはりここは由緒ある美術館、スペインの画家やティントレット、ルーベンス、ヴァン・ダイクなどの絵もしっかり揃っていた。そのなかで足がとまったのはリベラの人物画とグレコの‘聖ジェロニモス’、スルバランの‘神の羊’。

ゴヤの作品は予想以上にあった。追っかけ画は運良く皆対面でき、これにプラスαの肖像画が4点、さらに嬉しいことに他館蔵の子供画6点を集めたミニゴヤ展が行われていたので、トータル19点。今回の美術館めぐりでゴヤは重点鑑賞画家の一人だから、上々のすべりだしに嬉しさがこみあげてきた。

2階の展示室でゴヤがあるのは最後の2室(20&21)。1799年10月、53歳のゴヤは念願の首席宮廷画家の座を射止める。‘オレンジ戦争司令官としてのゴドイ’はその2年後に描かれたもの。ゴヤは生涯に500点の肖像画を描いているが、人物の個性や内面を表現する技は比類がない。金飾りの軍服に身をつつみ尊大な態度で椅子に座るゴドイを‘この男がカルロス4世の王妃マリア・ルイサが熱く愛した若い燕か!’と過剰に妄想しながら眺めていた。

ここにはゴヤの若いときと69歳のときの自画像がある。プラド美で1815年に描かれた別ヴァージョンをみたが、2つはあまりに似ているのでチェックリストを準備しているとき、もう鑑賞済みなのでは?と混乱した。よくみると白い襟の部分が違い、首の傾け方はこの美術館にあるほうがすこし大きい。全体的にはこちらのほうがいいかなという感じ。

風俗画の‘鰯の埋葬’は楽しさと不気味さが交錯する絵。強く吸い寄せられるのが中央で白い服を着て、顔を日本のお多福のように白く塗りたくり足と手を大きくひろげて踊る女。まわりの男たちのなかには‘黒の絵’シリーズに登場する人物のように卑俗的で狂気じみた顔をしているものもおり、不気味さが漂うが、白服女の天真爛漫な表情がこの暗い気分をすぐかき消してくれる。

ゴヤは20歳前半にロココ風の明るい色調で人々の日常の遊びや行事を沢山描いたが、これを思い起こさせてくれるのが‘村の闘牛’。広場で繰り広げられる闘牛士と牛の息詰まる闘いが豊かな動感描写と奥行きのある画面構成で描かれている。これをみている人たちの体が牛の激しい動きにあわせて左右に揺れ動いている感じなので、こちらも立ち止まってみてしまう。

この‘村の闘牛’は4点シリーズの1枚。ほかには頭に三角帽子を被せられた男たちのうなだれた姿が目に焼きつく‘異端審問所法廷’や心がザワザワする‘狂人たちの家’がある。

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2011.01.28

目を楽しませてくれる‘マイセン磁器の300年’展!

2304        メナージュリ動物彫刻 アオサギ

2303     神話壺 ゼフィロスとアモール(左) プシュケ(右) 

2306        アラビアンナイト・大花瓶

2305     ファブラ・セルヴィス

サントリー美で開催中の‘マイセン磁器の300年’(1/8~3/6)を楽しんだ。このやきもの展のチラシが今回手に入らず、作品情報がまったくないまま入館した。でも、サントリーが企画する工芸関連の展覧会はハズレがないから心の中ではおおいに期待している。

なかに入ってわかったのだが、作品はなんと国立マイセン磁器美が所蔵するものだった。マイセンは03年に訪れたのでこの美術館のことは知っている。俄然目に力が入ってきた。心を奪ったのは‘アオサギ’などの動物彫刻。白い肌の黄金とよばれる磁器を生涯をかけて追い求めたアウグスト1世(1670~1733))がドレスデン生まれのケンドラー(1706~1775)に命じたのが立体造形の製作。

磁器でできた動物園を宮殿のなかにつくろうというのだからアウグスト強王の美欲(My造語)は破天荒。このアオサギは型を使ってできた沢山のパーツをつなぎあわせてできているが、その純白の輝きと軽やかな表現が心を打つ。隣にあるコンゴウインコも息を呑んでみていた。

見惚れてしまうのが二つの神話壺。これは18世紀中頃の作品。右が‘プシュケあるいは音楽のアレゴリー’で左が‘ゼフィロスとアモール’。もうすばらしいの一言!マイセン磁器のこんな名品が見られるなんて、夢のよう。おそらくこれはマイセンのお宝中のお宝にちがいない。流石、サントリー!

最後のコーナーにあるアール・ヌーヴォー、アール・デコの作品は明るい色やシンプルなデザインが魅力。その次に並んでいる最近のものも心をとらえて離さない。とくに楽しかったのがシュトラング(1936~)作の‘アラビアンナイト・大花瓶’(2003年)。瞬時にシャガールの幻想的な絵をみているような気分になった。

豊かな造形性に魅了されるのがワックス(1960~)の‘ファブラ・セルヴィス’(2000年)。セルヴィスは揃いの組食器のこと。1730年代のなかばからつくられるようになったが、今ではこんな斬新なデザインに進化している。この展覧会のサブタイトルは‘壮大なる創造と進化’。このフレーズがよくのみこめるマイセンの名品の数々だった。

なお、展覧会はこのあと次の美術館を巡回する。
・松本市美:4/16~6/12
・兵庫陶芸美:9/10~11/27
・大阪市立東洋陶磁美:12/4/7~7/22

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芸術心を刺激するマドリードの美術館群!

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2299_2      マドリードの地下鉄ホーム

2300_2     シベレス広場に面する中央郵便局

2301_2      プラド美術館の外観とベラスケスの像

ツアー最後の日は一日中マドリードですごした。スペインあるいはスペイン&ポルトガルツアーで、マドリードが一日自由行動となっているツアーは滅多にない。一般的なマドリード観光はだいたい半日、ドン・キホーテとサンチョ・パンサの彫像があるスペイン広場や王宮の前で写真を撮ったり、プラド美術館の名画やすぐ近くの王立ソフィア王妃アートセンターでピカソの‘ゲルニカ’を楽しむ。そして、昼食をとったあとはバスで1時間半くらいで着くトレド観光へでかける。

4年前この街に来たときはプラド滞在は1時間と短く、ソフィアセンターも‘ゲルニカ’のある部屋しか行かなかったから、いつかじっくりマドリードにある美術館めぐりをしようと思っていた。だから、一日マドリード自由行動があるこのツアーは願ったり叶ったり。案内をみて参加を即決した。今回はここでの美術館体験がメイン、バルセロナからスタートした名所や遺跡の観光は気持ちのなかではオマケ感覚。美術館めぐりの感想記は明日からしばらく続くが、その前にはじめて乗った地下鉄や街のことにすこしふれてみたい。

★‘マドリードの地下鉄はパリやロンドンに比べれば楽!’

よその国で地下鉄に乗るときは最初はやはり緊張する。料金は一律1ユーロ。10回乗れるMETROBUS(メトロブス)があり、料金も6.15ユーロと割り安なのだが、一人で7回も乗る可能性はないのでやめた。10枚の回数券がでてくるパリ方式だと隣の方と5枚づつ使うことができるから便利なのだが。切符は自動券売機で見よう見真似で買った。現在12路線ある。添乗員さんから‘マドリードはスリが多いから気をつけてください!’と言われていたから、そのことを終始肝に銘じていた。

路線を乗り換えるとき、別の路線に移るのに要する時間はロンドンやパリよりは短い感じ。だから、行き先を間違いさえしなければ割と楽に目的の駅につける。ホームで興味深かったのはTVが上のほうに備えつけてあること。ロンドンでもパリでも東京でもこのサービスはない。車内では次の駅がアナウンスされる。これはありがたい。全路線ではないが、案内される路線のほうが多かった。

★‘いい美術館が狭い範囲に集結しているマドリードは美術ファンにはたまらないアート空間!’

今回美術館めぐりをして、マドリードが美術の好きな人にとってはすばらしい街であることがわかった。誰もがでかけるプラドのまわりに上の地図(拡大図で)をみておわかりのようにいい美術館がいくつもある。ソフィアセンター、今回はじめて訪問したティッセン・ボルネミッサ美、そして地図には載ってないが08年に開館した複合文化施設、カイシャフォルム(プラドとソフィアのちょうど中間あたり)。また、太陽の門からすぐのところにある王立サンフェルナンド美術アカデミーもプラドからそれほど離れてない。

地図の左端にあるサンアントニオ・デ・ラ・フロリダ礼拝堂はゴヤの天井画がみられるところ。そして、中央の上に位置するラサロ・ガルディアーノ美はボスの絵で有名。美術館をめざすのに忙しく、市内の様子を写真におさめる時間があまりなかったが、シべレス広場の中央郵便局の前では思わずシャッターを切った。

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2011.01.27

グラナダから小説‘ドンキホーテ’の舞台、ラ・マンチャへ!

2295_2      アルハンブラ宮殿の後方に高くそびえるシエラ・ネバダ山脈

2296_2     オリーブ畑

2297_2           コンスエグラの風車

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グラナダへ最初に来たのは今から21年前。このときは個人旅行、一泊しレストランへは一人でガイドブックを頼りにでかけたりしたのだが、もう随分前のことだから街の記憶はまったく消えている。唯一目に焼きついているのが街の後方にみえるシエラ・ネバダ山脈につもった雪。ムラセン山の高さは3478m、だから雪は一年中残っている。

この街の人口は27万人。今回夕方、お店が建ち並ぶ中心部をぶらぶらし、ホテル・カルメンの前にあるショッピングセンターにも行ってみた。ここは日本でいうとジャスコとかイトー・ヨーカドーみたいなところ。なかには大勢の人がいた。

食料品コーナーでお土産にするマサパンはどこにあるのか、買い物中のおばさんに尋ねた。だが、これがよく伝わらずちょっと前に通りすぎたパン屋を案内された。‘このパンじゃないんだが!’と心の中でつぶやいたが、スペイン語がわからないから仕方がない。店員さんに聞いたら、ここは販売してなかった。

グラナダでは現在、地下鉄工事をやっている。完成時期は聞き漏らしたが、工事はスタートしたばかりという感じ。同じアンダルシア地方の主要都市、セビーリャ(人口70万人)、コルドバ(30万人)にも地下鉄計画があるのだろうか?4年前、両都市を訪れたときは地下鉄はまだなかったが。

アルハンブラ宮殿を見終わったあと、次に向かうのはラ・マンチャ地方。グラナダからは約300km、バスで4時間半かかる。高速道路の両サイドをみると山肌いっぱいに緑のオリーブの木が植えられた山が続く。前回もみた光景。スペインのオリーブオイル生産量は世界一を誇る。

オリーブオイルは健康にすごくいいとのこと。日常の食生活でふんだんに使っているという添乗員Aさんの話だと、スペインで糖尿病が少ないのはオリーブオイルの摂取が影響しているらしい。

コンスエグラでまた前と同じような角度から風車を写真に撮った(拙ブログ07/3/27)。ドン・キホーテが巨人と間違えて闘いを挑んだ風車はこの丘には7基ある。観光用だから羽根は回らない。近くのカンポ・デ・クリオプターナにも風車はあるようだが、ツアーで訪問するのはいつもここ。

従者サンチョ・パンサが‘しっかりしてくだせェー、ダンナ様、どこに巨人がいるだね?’というのに、ドン・キホーテは‘お前は怖いのだな!なら見ておれ’と風車につっかかっていく。何度読んでもこの小説はおもしろい。

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2011.01.26

スペイン観光のハイライト グラナダのアルハンブラ宮殿!

2291_2      アルハンブラ宮殿

2292_2     アラヤネスの中庭

2293_2     ライオンの中庭の回廊

2294_2     ニ姉妹の間

グラナダにあるアルハンブラ宮殿を訪問するのは幸運にも3度目。前回(拙ブログ07/3/29)と違う画像がいいかなと思ったりするが、どうしても同じ場所に落ち着く。アドレナリンがドッとでてくるところはやはり決まっている。

この宮殿の一番の写真ポイントはコマレス宮の‘アラヤネスの中庭’。四角形の塔が池の水面に映し出されるので、これをバックにするとじつに絵になる写真が撮れる。水はイスラム建築では重要な要素だが、インドのアグラにあるタージ・マハルでも同様な水鏡の仕掛けがみられた。

隣のライオン宮もすばらしい空間なのだが、‘ライオンの中庭’は現在工事中。だから、真ん中に置かれた口から水をだす12頭のライオンは消えていた。07年のときもこの白大理石でつくられたライオンはいなかったが、工事はまだ続いているの!?

添乗員Aさんの話では工事は2年前に終了し、ライオンは定位置に戻ったようだが、どういうわけかまた工事がはじまったらしい。で、前のときはカルロス5世宮殿のなかに2頭展示してあったライオンは今は12頭全部、最初に入るメスアール宮の一室に展示してあった。ところが、写真撮影はフラッシュなしでもNG。えらく厳しい。なぜ? 隣の方は12頭が円形に並んでいたから、一応納得の表情。次は本来の姿で口から水を出してくれるかな。

ライオンの間の見所は142本の大理石柱によってつくられた回廊。柱と柱をつなぐ見事な透かし彫りを夢中になってみた。工事のために張られた柵が景観を妨げるのは本当に残念だが、最大のお楽しみである鍾乳石飾りがみられる‘アベンセラーヘスの間’と‘二姉妹の間’の美しさがそれをすぐ帳消しにしてくれる。時間があればいつまでもこの天井を見ていたくなる。イスラム建築のアラベスク模様や漆喰細工やタイルはほかの遺跡でもみられるが、こういう心を200%奪うような鍾乳石飾りはここしかない。

現地ガイドさんの案内は王の居城であった王宮からちょっと離れている夏の離宮ヘネラリフェ庭園まで続く。この庭園の写真ポイントは中央に掘割があり、掘りの両脇から噴出する水がアーチをえがく‘アセキアの中庭’。花が咲き乱れる春や夏のときのような感激は味わえないが、水の音が心を和ましてくれる。

今回おもしろい出来事にでくわした。ガイドさんの話は皆イヤホンマイクをつけて聴くというのである。われわれは料金を払う必要はないのだが、ガイドさんは入り口でクリーニングされたものを借りてきた。この宮殿が料金をとって旅行会社に貸し出しているのだろう。

別にイヤホンマイクがなくてもガイドさんの話は聴けるのに、ご親切にも耳から直接ガイドさんの声が聴こえるサービスを提供してくれる。日本の旅行会社がはじめたイヤホンガイド方式に便乗して商売をしようというのだから、恐れ入る。

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2011.01.25

サプライズ200%の‘歴代沈壽官展’!

2287_3        十ニ代沈壽官の‘錦手菊花浮上総飾三足花瓶’

2288_2     十二代沈壽官の‘錦手ネズミを見つめる母娘像’

2289_2        十四代沈壽官の‘白薩摩浮彫雲気文大花瓶’

2290_2        十五代沈壽官の‘薩摩七宝伏香爐’

今年は出だしからいいやきもの展に遭遇する。現在日本橋三越で開催中の‘歴代沈壽官展’(1/19~31)も期待値を大きく上回るすばらしいものだった。20日に出かけたのだが、会場は品のある白薩摩の美しさに惹かれてやってきたひとたちで大賑わい。やはり沈壽官家のやきものは特別な感じがする。

感想を書く前にこのあとの巡回先のことを。
・福岡三越:2/8~2/13
・名古屋栄三越:3/23~3/28

作品数は100点、そのうち7割が中興の祖といわれる十二代沈壽官(1834~
1906)の作品で、十三代が6点、十四代が4点、十五代が10点展示されている。今回なによりも嬉しいのが十二代の白薩摩をこれほど沢山みれたこと。‘錦手四君子図蓋透彫角型香炉’に施された正確な彫りに、2年前江戸東博の‘薩摩焼展’(拙ブログ09/2/25)でみたとき同様目が点になったが、最も心を打ったのは浮上の作品‘錦手菊花浮上総飾三足花瓶’。

過去数回みたことのある同じ題名がついた三の丸尚蔵館のものと一緒に並んでいたが、好みは竹籠の白が多くみえるこちらのほう。そして、竹籠の質感がよくででており、象牙のような印象を与える‘錦手牡丹菊図竹籠形浮彫花瓶’の前にも長くいた。

捻り物といわれる人物や動物の置物もいっぱいでていた。布袋像、観音像、象、犬、牛、虎などはよくお目ににかかるが、鐘をもつ弁慶ははじめてみた。肩の力がぬけじっとみてしまうのが‘錦手ネズミをみつめる母娘像’。ネズミを狙っている猫の姿は日常生活でみられる光景そのもの。

薩摩焼の陶工、沈壽官の名前は司馬遼太郎の小説‘故郷忘じがたく候’や‘街道をゆく’で知った。この人が十四代。司馬遼太郎は大好きな作家でこれまで作品はほとんど読破しているが、‘故郷忘じがたく候’は心を揺すぶる一冊。4点あるうち、見事な浮彫の文様が中近東のやきものを連想させる‘白薩摩浮彫雲気文大花瓶’に大変魅了された。

51歳の十五代は才能がますます開花するという感じ。10年につくられた作品10点はどれも惚れ惚れするくらいすばらしい。その高い彫りの技に驚かされる‘薩摩七宝伏香爐’や‘薩摩菊総浮彫香爐’などを立ち尽くしてみていた。このやきもの展は一生の思い出になる。三越に感謝!

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世界遺産 タラゴナのローマ遺跡群&エルチェのヤシ園を訪問!

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2283_2     タラゴナのラス・ファレラス水道橋

2284_2     ローマ円形競技場

2285_2            エルチェのヤシ園

はじめて行くタラゴナはバルセロナからバスで2時間くらい走ったところにある。ここはローマ人によるイベリア半島支配の拠点。紀元前218年に築かれてから、600年栄え、紀元前1世紀には100万の人口がいた。皇帝アウグストゥスも休養で訪れている。古代ギリシャ、ローマの話はライフワークだから、世界遺産に登録されているこのローマ遺跡群への期待値は高い。

が、タラゴナの街に入る少し前、高速道路に設けられた眺望ポイントからみたラス・ファレラス水道橋は残念ながら現在工事中。2層アーチ式で、セゴビアに次ぐ規模の水道橋なのだが、これでは橋全体の壮大さがうかがえない。最終日のマドリード自由行動ではオプションで用意されていたセゴビア観光に参加しなかったから、この水道橋はしっかりみたかったのだが。

‘海のテラス’と呼ばれる写真場所から地中海を背景にして撮った円形競技場は想像していたものより小さい感じ。でも、1世紀ごろに建てられたときは1万人を収容したというから、当時はもっと広かったのかもしれない。こういう遺跡をみるとローマ帝国が広大な地域を支配していたことを実感する。

バレンシアからアンダルシア地方のグラナダをめざしてバスは約535km、6時間45分くらい走り続けるのだが、途中世界遺産のエルチェのヤシ園に立ち寄る。エルチェの場所は地図の一番下のところ(字が小さいので拡大図で)。人口22万人のこの街のヤシ園はヨーロッパ最大規模を誇り、ナツメヤシの木は30万本以上あるという。

8世紀初め、スペイン、イベリア半島は北アフリカからの新興イスラム教徒に征圧された。アラブ人が食料を確保するのと台地を乾燥から守るため故郷の北アフリカからもちこんだのがナツメヤシ。12世紀ごろアラブ人は本格的なヤシ園の整備にのりだし、彼らの高度に発達した灌漑システムにより大量のナツメヤシが植えられた。こうしてナツメヤシを利用した北アフリカの農業システムがヨーロッパに移植された。

13世紀なかば、エルチェを奪還したキリスト教徒が真っ先に行ったことは保護令を出してヤシ園を守ることだった。ヤシ園はエルチェの生活のなかにとけこみ、文化のバックボーンになっていく。

ヤシは成長が遅く、1mくらいの大きさになるのに7、8年かかるそうだ。20mをこすような立派な成木になるにはゆうに30年以上かかる。ほとんどの場合、幹は分かれることなくまっすぐ1本の姿で空をめざすが、中には例外もあり、ヤシ園を代表する‘皇帝のヤシ’のように1本の幹から7本の腕をのばすヤシの木もある。

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2011.01.24

美味しいスペイン料理と定番のお土産!

2282_2     バレンシア風パエリャ

2281_2     シーフードパエリャ

2279_2     ハモンセラーノ

2280_2     マサパン

旅行の楽しみは観ること、食べること、買うこと。これは国内旅行でも海外旅行でも変わりない。今日はスペインでの食べ物の話を。

ツアー旅行がいいのは当たり前のことだが、添乗員さんが飛行機の搭乗手続きから観光地、ホテル、レストランへの案内までいろいろ面倒をみてくれること。また、移動中のバスで話してくれる現地に関する諸々の情報が大変貴重。とくにありがたいのが食べ物やお土産の話。ガイドブックに載ってないライブ感覚の情報も多いから、いつも用意しているメモ帖にしっかり書き留めている。今回お世話になった添乗員Aさんから教えてもらった話をまじえて、スペイン食べ物事情をいくつか。

★‘バレンシア風パエリャは塩っ辛い!’

バレンシアは観光がなくホテル泊だけだったが、夜の食事はここで生まれたパエリャ。前回同様(拙ブログ07/3/17)、これが定番となっている。ツアー最初の食事が大好きなパエリャなので、ご機嫌な気分。パエリャにはいろいろなヴァリエーションがあるが、ここの炊き込みご飯の具は鶏、兎、カタツムリ、インゲン豆。今回は鶏。

味付けは塩っ辛いのが特徴。個人的にはこのくらいの塩味でも美味しくいただいたのだが、まわりの方は‘塩っ辛い’を連発していた。隣の方も具が嫌いな鶏だったこともあり、ハッピーでなかったみたい。Aさんによると、スペイン料理が全般的に塩っぽいのはスペイン人のお酒好きのため。お酒に合うような料理方法になっているのだとか。

ツアー最後の日は一日中マドリードにある美術館めぐりに終始したが、プラド美を鑑賞したあと近くのお店で再度パエリャに挑戦した。今度はパエリャというとすぐ思い浮かべるシーフードパエリャ。25分くらい待ってでてきたアツアツご飯の塩加減はよく、食欲をそそる手長海老、イカに隣の方も満足げ。

★‘生ハムは3大タパスのひとつ!’

タパスはもともとはお酒を注文すると無料でついてくる突き出しだった。今はスペインの町のいたるところにあるスタンド形式の食堂&バーみたいなバルへでかけ、これを食べるときはもちろんお金を払わなくてはいけない。ツアー中昼食でタパスを食べる機会が2回あった

もっとも一般的なスペインの生ハムがハモンセラーノ。薄くスライスされたものをフォークでなく手でつかんで食べるのがスペイン流。生ハムの最高級ブレイドはドングリの実だけを食べさせて育てたイベリコ豚の生ハム。この豚は4年前、スペインからポルトガルへ入るとき、実際にみた。豚を緊張させたり、ストレスを与えたりすると筋肉がしまり味が落ちるので、ドングリの実を食べさせ、豚をいつも幸せな気分にさせておくのである。

生ハムのほかで美味しかったのはじゃがいもと卵でつくったスペイン風オムレツ、トルティーリャとか中身はクリームコロッケの俵型をしたクロケッタ。メニューはいっぱいあり、イワシの酢漬けやイカリングフライなんかもいけそう。

スペインの食事は日本の時間感覚でいうと遅い。昼食は2時半ごろ、夕食は8時半ごろが普通。グラナダではオプションの洞窟フラメンコショーをパスしたので夕食にありつくのに難儀した。Aさんが親切にもつくってくれたレストランマップの一つに行ってみたのだが、8時オープンのはずなのに閉まったまま。この時間帯、人々はまだバルやカフェでタパスやスイーツを楽しんでおり、本格的な食事は9時ごろからになるのだろう。こちらはそんな時間までお腹が待ってくれない。

★‘マサパンは饅頭のようなお菓子!’

旅行中、頭にあるのがお土産のこと。あまり早く買うとバッグが重たくなるから、仕込むのはなるべく後にずらしたい。で、行程表の真ん中をすぎるとちょっと思案モードになる。今回はチョコレートをやめて、スペインの定番のお土産、マサパンをラ・マンチャからマドリードへむかう高速道路のサービスエリアでまとめ買いした。このお菓子はアーモンドをすりつぶしたものに小麦粉と砂糖をまぜて焼いたもの。日本の饅頭のような食感でもちもちしている。

スイーツでは味は違うが形がポテトスティックに似ているチューロスが有名。朝食にでていたがおいしかった。マドリードにはこれ専門の人気店、チョコラテリア・サン・ヒネスがあるそうだ。次回寄ってみたい。

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2011.01.23

ガウディと伊東豊雄がグラシア通りで曲線の響き合い!

2275_2     ガウディの‘カサ・ミラ’

2276_2           ガウディの‘カサ・パトリョ’

2277_2           伊東豊雄が設計したマンション(真ん中)

2278_2     水道局ビル(トック・アグバル)

バルセロナ観光のハイライトは何といってもはガウディがつくった建築物。サグラダ・ファミリア、グエル公園、カサ・ミラ、カサ・バトリョがツアーの定番コース。カサはスペイン語で家のこと、ミラ、パトリョは人の名前。市内の中心地、グラシア通りにあるこの二つの邸宅は前回ともにバスの中からみるだけだったが、今回はミラ邸を交差点の反対側からじっくりみて、写真もバッチリ撮った。

ここは現在4家族が住んでいるそうだが、大勢の観光客がやってくる世界遺産のなかで生活するのはどんな気分だろうか?入り口の近くから鋳鉄製の手すりに施された装飾をみていたら、乾燥させた北海道産の昆布を連想した。なかに入れるのだが、またしても時間がない。

カサ・バトリョはここから海側へ500mくらい行ったところにある。幸運にもバスの席が邸宅のほうにあったので停車中にカメラにおさめた。前回はうまく撮れなかったが、この度は大成功。ぱっと見はミラ邸よりずっとファンタジックな感じで心が踊る。窓の手すりの意匠はあの‘オペラ座の怪人’が被っている白マスクのイメージ。ここは人が住んでおらず、内部が見学できるようだ。

カサ・ミラを反対側の歩道からみていたら、ガイドさんがすぐ右のところに日本人建築家、伊東豊雄(1941~)が設計したマンションがあることを教えてくれた(写真の真ん中)。伊東豊雄の建築物には大いに関心を寄せているので(拙ブログ06/12/14)、素早く反応。外観の横にのびる曲線が縦に連続するデザインは七夕のとき笹につける切り紙みたいである。

バルセロナはスペインの経済の中心だから、建築にも斬新なものが多い。4年前、モンジュイックの丘から街全体を眺めたのだが、一際目をひく砲弾のような形をした建物が遠くにみえた。05年の秋に完成した水道局ビルとのこと。すごく惹かれたが、そのときは縁がなかった。が、今回はうまいことに近くを走ったバスの中からとエレベーターであがったサグラダ・ファミリアの塔からみることができた。

この34階建てのビルは高さが142mあり(バルセロナで3番目の高さ)、夜は赤や青でカラフルにライトアップされるらしい。設計したのにはフランス人建築家、ジャン・ヌーベル(1945~)。砲弾のような形は一度行ったことにあるのこぎり山のモンセラットの岩から霊感を得たという。次回バルセロナに来ることがあれば、最接近してみたくなった。

グエル公園(07/7/17)では、再び色鮮やかな粉砕タイルで装飾された曲がりくねったベンチに腰をかけたり、‘ドラゴン’(07/3/16)のまえで写真を撮った。ここはいつも楽しい気分になる。4年前との違いは物売りが増えたこと。地べたに布を敷き、フラメンコの踊り子の置物やスカーフなどを売っている。

おもしろいことに買っている人も結構いる。観光客は沢山いるのにお土産店がないので、つい買ってしまうのだろう。違法商売だから買う側も罰せられるが、そんなことはお構いなし。男たちは警察がくるとさっと商品を隠し、しばらくするとまたぞろはじめる。いい商売を考えついた。

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2011.01.22

バルセロナ 教会の内部が完成していたサグラダ・ファミリア!

2271_2           サグラダ・ファミリア 生誕のファサード

2272_2           生誕のファサード 愛徳の門

2273_2      教会内部のステンドグラス

2274_2          柱と丸天井

スペインを旅行して来ました。名所観光や美術館めぐりの話がしばらく続きますが、お付き合い下さい。

スペインを訪れるのは4年ぶり。いつものようにA旅行会社の団体ツアーに参加した。前回(拙ブログ07/3/16)とダブルのはバルセロナ、グラナダ、ラ・マンチャ、マドリード、はじめてのところはタラゴナ、エルチェのヤシ園(ともに世界遺産)。ツアーはバルセロナ観光からはじまる。

4度目のバルセロナでサプライズが多かったのが人気の観光名所、サグラダ・ファミリア。建築家アントニオ・ガウディ(1852~1926)が設計・建築したこの未完の大聖堂のなかは07年のときのように、都会のビルの建築現場に居合わせた感じだろうと想像していた。ところが、なんと内部はきれいに完成していた。

現地の日本人ガイドさんによると、昨年11月にローマ法王がやってきたそうで、このため工事のペースをあげたらしい。祭檀や丸天井を息を呑んでみるとは思ってもいなかった。ステンドグラスが美しく輝き、高くのびる柱や丸天井がこれほど豊かな造形力をもっていたとは!祭檀の後ろから地下聖堂がみえ、ガウディの墓の一部が目に入ったのも収穫だった。

写真撮影で嬉しいことがあった。ガイドさんが生誕のファサードが全部おさまるポイントに案内してくれたのである。ガイドブックにはここから撮ったものが載っているが、前回はこの場所にくる時間がなかったのだろう。‘愛徳の門’にある彫刻は上のほうが‘マリアの受胎告知’で、下の人物像は‘子供の天使たちの合唱隊’。ガウディがつくったオリジナルの‘合唱隊’は石膏製だったが内戦中に破壊されたので、日本人彫刻家の外尾悦郎がこれのレプリカを石でつくった。

サグラダ・ファミリアの全体が完成するのは2020年ということになっている。果たして?現在ある塔は8本(生誕と受難のファサードに4本ずつ)。これにもう10本立て、最終的には18本になる。今あるのは100mくらいだが、最も高いイエスにささげられる中央塔は170mになるという。これがどのくらい高いかというと、例えば圧倒的な高さを誇るケルン大聖堂が157m。これよりも高いのだから、もう天にもとどきそう!

鐘楼のエレベーターに乗って上にあがってみた。ここからまわりの塔や街の光景を見るのは1983年以来。このエレベーター(有料2ユーロ)はローマ法王の訪問以降予約制になったとのこと。大勢の観光客がやってくる春や夏は予約をとるのが大変そうだから、短い待ち時間ですばらしい眺望が体験できたのは幸運だった。

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2011.01.08

お知らせ

拙ブログは1/21までお休みします。

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2011.01.07

埼玉県近美常設展示でモネの‘積みわら’をみた!

2269_2     モネの‘ジヴェルニーの積みわら、夕日’(1888年)

2270_2          キスリングの‘リタ・ヴァン・リアの肖像’(1927年)

2268_2     デルヴォーの‘森’(1948年)

首都圏にある美術館の平常展を定期的にみているのは今は東博だけ。西洋絵画のある西洋美とかブリジストン美、また近代日本画や近現代絵画を所蔵する東近美には出かけない。理由は簡単で図録に掲載されている自慢の名画はほとんど鑑賞済みだから。追っかけ作品がなくなると、その平常展への関心度はぐんと落ち、鑑賞エネルギーはまだみぬ作品のあるところへ移動していく。

埼玉県近美は1点みたい絵があったので常設展示をずっと定点観測していた。お目当ての絵は小茂田青樹の猫とみみづくがでてくる‘春の夜’。これがやっとコレクション展(前期10/23~11/28)に登場したので、11月末浦和まで足をのばした。料金は
200円。思いの丈をとげたあと、ほかの西洋画12点(1/16まで展示)もせっかくだからみた。上機嫌だったからもしれないが、これがとてもいいのである。今日はその絵を。

モネ(1840~1926)の‘ジヴェルニーの積みわら、夕日’はお気に入りの一枚。日本には西洋美の松方コレクションをはじめとして、モネのいい絵がいくつもあるが、そのなかでアサヒビール、西洋美、MOAにある3点の‘睡蓮’と埼玉県近美蔵の‘積みわら’に大変魅せられている。この二つの積みわらの夕日ヴァージョンは光の描写がすばらしくいつも見蕩れてしまう。

今回の収穫はキスリング(1891~1953)の‘リタ・ヴァン・リアの肖像’。はじめてお目にかかった。この女性、誰かに似てない、おわかりになった?じっとみてもイメージがわかない?あと1分みてぇー、あの人ですよ、そう、黒柳徹子!

国内でキスリングの作品をみたのは青山ユニマット(現在はなし)、名古屋市美、ひろしま美、鎌倉大谷美。村内美とメナード美はまだ訪問してないが、展覧会でいい絵をみたことがある。八王子の村内美にはクールベやキスリングのすばらしい絵があるから、今年は出かけてみようと思う。

デルヴォー(1897~1994)の‘森’とは2度目の対面。ロンドンのテート・モダンで‘白鳥’と‘眠れるヴィーナス’に会えなかったので、この絵に熱く反応した。裸婦を猿とかライオンに変容させるとアンリ・ルソーのジャングル画になる。でもこれはシュール版。不思議なことに森のなかにレールがひかれ夜汽車が走り去っていく。

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2011.01.06

心を揺すぶる‘鈴木蔵の志野’!

2267      ‘志野丸皿 流旅転生ノ内 銘々皿’(1985年)

2264      ‘志野大皿 流旅転生ノ内 果物大皿’(1985年)

2265      ‘志野茶碗’(2009年)

2266      ‘志野茶碗’(2009年)

ホテルオークラの近くにある智美で開催中の‘鈴木蔵の志野’展(11/20~3/21)をみてきた。1/4の展覧会はじめはやきもの三昧。徳田八十吉、河井寛次郎のあとは‘志野’の人間国宝、鈴木蔵(おさむ、1934~)。

今年77歳の鈴木蔵は井上萬二、十四代酒井田柿右衛門らとともに陶芸界のリーダー的な存在だが、作品をまとまった形でみたのはまだ1回しかない。04年広島の八丁堀天満屋で行われた回顧展に志野や瀬戸黒の茶碗が26点でていた。印象に残る志野茶碗は存在感があり、とても気持ちが和んだ。

1985年、菊池ゲストハウス(智美ができる前にあった建物)で行われた個展で鈴木蔵が‘流旅転生’と題して制作した会席用の和食器の揃いが発表された。で、副題が‘流旅転生’に。これは横山大観の‘生々流転’と同じ発想で、流水の変遷、循環を絵巻物語風に器で表現している。

この食器は花器、湯呑、丸皿、長角、徳利、向付、小皿、大皿、角皿、碗、土瓶、茶碗など全部で31点ある。力強いフォルムが目をひくオブジェタイプの花器3点は現代の志野を表現する鈴木蔵の真骨頂といったところだが、ほかの食器は見慣れたもの。

絵柄にすごく惹かれるのが槍ヶ岳をシルエットにした鼠志野の丸皿。5皿のヴァリエーションを連続してみると峻厳な山々の姿がひしひしと伝わってくる。志野のもつやわらかさとゆったりした感じが心を揺すぶるのが‘果物大皿’。図版では渦巻きの明るいうす青がはっきりでてなくて残念だが、この白とうす青の色合いは本当に美しい!

期待の志野茶碗は25点あった。鈴木蔵にとって茶碗はライフワーク。1点々味わい深く、志野の魅力をいろいろな釉色で表現している。とくに魅了されたのが柔和な白釉がたっぷりかかった胴の丸い‘志野茶碗’。その光沢のある肌合いは小さいころよく食べた白の砂糖菓子を思い起こさせる。

もうひとつ長くみていたのが白い釉薬から浮かび上がる緋色とピンホールが印象的な少し角ばった‘志野茶碗’。また、2010年の新作6点もいいのが揃っている。これで回顧展を2回体験したから、この陶芸家との距離がかなり縮まった。毎年でてくる茶碗に会うのがとても楽しみ。

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2011.01.05

高島屋の心意気が感じられる‘河井寛次郎展’!

2262_2        ‘孔雀緑黒花文耳付壺’(1922年)

2261_2        ‘白地草花絵扁壺’(1939年)

2260_2        ‘三色扁壺’(1961年)

2263_2           ‘木彫像(うさぎ)’(1958年)

陶芸家、河井寛次郎(1890~1966)の生誕120年を記念する回顧展が現在、日本橋高島屋で行われている(1/17まで)。昨年9月日本民藝館であったものを体験したが(拙ブログ10/9/18)、河井寛次郎は濱田庄司とともにぞっこん惚れている作家なのでパートⅡにも足を運んだ。

事前の情報はあまりなくどこのコレクションが軸になるのかなと思っていたら、予想は半分あたり河井寛次郎記念館(京都、08/10/19)が所蔵する陶芸、木彫、陶板、家具調度品、真鍮製のキセルを中心に作品は構成されていた。記念館蔵品は6年前町田市博で沢山展示されたので、再会するものも結構あった。これらに文筆、書や釉薬の研究ノートなどを加えると、出品数は全部で180点くらい。

この回顧展は後述するように高島屋各店を巡回するが、高島屋と河井寛次郎は昔から深い縁でむすばれている。1921年、河井寛次郎(31歳)の初の個展が行われたのが高島屋であり、以後ずっと回顧展を引き受けている。今回は記念展だから特別気合が入っている感じ。作品のセレクションに相当時間をかけたにちがいない。それは記念館蔵でも個人蔵でも初出品の多さに現れている。見終わったあと、これもあれも収穫だったなと思わせるのだからすばらしい!

最も心を奪われたのが初期の作品‘孔雀緑黒花文耳付壺’。寛次郎の作品でこんなに明るい青はみたことがない。これは個人がもっているもので初めての展示。こういう名品をみせつけられると寛次郎の済みマークはまだ先だなと思う。

‘白地草花絵扁壺’(京近美)は1957年のミラノ・トリエンナーレでグランプリを獲った作品。安定感のあるフォルムに施された飾らない文様には静かな趣と気品があり、心を落ち着かせてくれる。また、隣にあるパリ万博(1937年)でグランプリに輝いた‘鉄辰砂草花図壺’(京近美)にも魅せられる。

大好きな三色打薬の前ではいつも心が浮く浮きしてくる。再会した‘扁壺’や‘双頭扁壺’(ともに記念館)など5点の目の覚める赤や緑を夢中になってみていた。アクションペインティングを連想させる前衛感覚に満ちたこの三色打薬は寛次郎70代前半の作。まったくすごい陶芸家である。

木彫像のなかに今年の干支である兎があった。年が明けて出かけたのはいい判断だった。このあとの巡回先。
・大阪高島屋(1/20~1/31)
・京都高島屋(4/20~5/5)
・ジェイアール名古屋タカシマヤ(5/19~5/29)

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2011.01.04

煌く色彩が心を虜にさせる‘三代徳田八十吉展’!

2256_2        ‘耀彩花器’(2003年)

2257_2     ‘耀彩鉢・黎明’(2009年)

2258_2     ‘耀彩鉢・連菱’(1993年)

2259_2     ‘深厚耀彩十八稜壺’(2004年)

横浜そごう美で期待の‘三代徳田八十吉展’(1/2~2/13)をみてきた。今年の展覧会鑑賞はこのやきもの展からスタート。

徳田八十吉(1933~2009)が2年前亡くなったときは、‘まだ75歳なのになぜまた、、、’という感じでちょっと信じられなかった。図録を読んで07年末、脳梗塞で倒れて左半身麻痺になっていたことがわかった。これからもっともっと活躍する陶芸界の中心人物と思っていたから残念でならなかった。

が、作品には大変魅せられていたものの、体験したのは20数点しかないのでこの陶芸家との距離はだいぶあった。だから、ここ5年くらい回顧展に遭遇することを願い続けてきた。追悼展は想定外だが、やっと実現したのでとても嬉しい。

感想を書く前に案内しておくと、この展覧会はこのあと次の美術館に巡回する。
・兵庫陶芸美(3/12~5/29)
・高松市美(6/4~7/10)
・MOA美(7/16~9/19)
・茨城県陶芸美(9/23~11/27)
・小松市博ほか(12/3~1/29)

展示されているのは三代徳田八十吉の作品72点、プラス初代&二代8点、古九谷10点&吉田屋3点。八十吉の初期の作品から並んでいるので、作風の変遷がよくわかる。入ってすぐのところに展示してあるのが‘耀彩花器’。いきなり、これぞ徳田八十吉!の煌く色彩グラデーション!縦にのびる色の帯は真ん中がうす青で右にむかって紫がかり、深い青に諧調を変えていく。左へは薄緑、橙黄色、そして明るい黄色に変わる。透明感と深みのある見事なグラデーションに目が釘付けになる。

鉢の場合、器面がフラットなので、花器や壺より抽象絵画をみている感じが強くなる。そのイメージは壮大な宇宙。‘黎明’はいくつもヴァリエーションがあり、これは09年の作。隣には91年につくられたほぼ同じ色彩模様のものがあるが、最新作のほうが色調がすこし暗く日の出をより強く感じさせる色釉になっている。

色の組み合わせは古九谷5彩のうち、ガラス成分のない赤をのぞいた紺、紫、緑、黄の4彩。大半の作品はこの4色の輝きだが、紺と紫のグラデーションにもすごく惹かれる。とくに痺れたのは‘連菱’。鉢の中央に太い濃紺の線が横にのび、そのまわりを底から湧き出てくるように菱文が広がる様はとても神秘的。

こうした絵画的な色彩感覚は‘十八稜壺’では少し弱まり、表面に凹凸ができた壺のフォルムのよさと紺のグラデーションの色彩美が渾然一体となって見る者の心を揺すぶる。また、波状のしのぎがみられる‘碧明耀彩曲文壺’(2004年)や‘九谷三彩壺’
(2006年)のゆらぎイメージもなかなかいい。

長年の思いの丈が叶い、言うことなし。満足度200%の展覧会だった。

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2011.01.03

英国高速鉄道新車両 日立が1兆円受注!

225512月29日の新聞に英国高速鉄道プロジェクトで日立が新型車両を納入する受注契約を結ぶことになったという記事が載っていた。

パリ~ロンドンのユーロスター(拙ブログ10/12/12)を体験したばかりだから、このニュースはとても興味深い。

受注金額は1兆円、ロンドン~マンチェスター間など主要路線の車両を30年間に
1400両納入するという。

日立と英国運輸省の関係は09年にはじまっている。日立製車両を使った国内初の高速鉄道が12月14日に開業し、ロンドン~ドーヴァー間が47分短縮されて69分になり、ロンドン~アシュフォード(ユーロスターの停車駅)間はそれまで1時間以上かかっていたのが37分に短縮された。

冬場、ロンドン近郊のダイヤの乱れが常態化していたが、日本製高速鉄道だけは唯一大きな遅れがなく走行した。この運行システムが高く評価され、今回の大型受注につながったという。

英国内を鉄道を使って旅行をしたことはないが、この高速鉄道が完成すると英国での美術館めぐりの範囲が大幅に広がる。頭の中にあるのはラファエロ前派の名画をめぐる旅。これが今よりずっと楽になる。

例えばロセッテイの絵でいうと‘ベアトリーチェの一周忌’を所蔵するアシュモリアン美のあるオックスフォードへは1時間くらいで、‘ダンテの夢’(08/9/13)があるリヴァプール、ウォーカー・アート・ギャラリーや‘アスタルテ・シリアカ’のあるマンチェスター市美へは3時間くらいで到着する。

また、バーン=ジョーンズのいい絵があるバーミンガム美だって2時間で行ける。夢はさらに膨らむ。まだ行ったことのないサウサンプトンはロンドンからはドーヴァーと同じくらいの距離だから1時間であっという間に着く。テート・ブリテンが発行しているバーン=ジョーンズ本をみると、サウサンプトン美には大変惹かれる絵が2点載っている。

高速鉄道網の全体計画を一度チェックしてみようと思う。これの進捗度合いによって英国の美術館めぐりがぐうーんと楽しくなりそう。

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2011.01.02

紅白歌合戦はどの曲に聴き惚れた?

2254音楽はクラシック、オペラだけでなくジャズ、演歌なども楽しんでいるが、普段はTVの歌番組をみたり、CDで日本人歌手の歌を聴くことがほとんどない。

だから、わが家では大晦日の紅白歌合戦は今世の中でヒットしている曲を知る貴重な機会。今回も心に響く曲とのめぐりあいがいくつかあった。

琴線にふれる歌は紅組のほうが圧倒的に多かった。それなのに、白組の勝ち!?
人気NO.1の嵐の面々が司会をしたからだろうが、これはご愛嬌。

最も聴き惚れたのはクミコが歌った‘INORI~祈り~’。曲全体を聴くのははじめてだが、さびのところの‘♪泣いて泣いて泣き疲れた’は耳にしたことがあった。TV番組でクミコという歌手が確かNYだったと思うが、公園(?)でアメリカ人を前に歌っていたのをみたのである。原爆で命を失った広島の女の子の話をもとにしてつくったのだという。
とてもいい曲。

おばあちゃんと孫娘の絆をうたった歌が2つあった。HYの‘時をこえ’と植村花菜の‘トイレの神様’。‘時をこえ’ははじめて知った。歌っているHYは沖縄の出身。歌もよかったがサイボボーカルや打楽器演奏、踊りなどステージ全体の演出がすばらしく、香港あたりで開催されるアジアミュージックフェスティバルを楽しんでいるような気分だった。それにしても、どうして沖縄からいいセンスをしたグループが次々とでてくるのだろうか。

‘トイレの神様’は一度1/3くらい聴いたことがある。9分フルは歌わないだろうと思っていたら、詩の流れからすると最後まで歌った感じ。正しい?植村花菜は声がとてもいい。ブレスは平原綾香とは違ってさらっとするし、澄んだ高音は心をほわっとさせる。

いきものがかりの‘ありがとう’は朝の番組‘ゲゲゲの女房’をいつもみていたので、耳に馴染んだ歌。八王子は縁がないが、堺港や安来は広島にいたとき出張ででかけたことがあるからとても懐かしい。半年間、漫画家水木しげると奥さんの物語に心を奪われっぱなしだった。奥さんの実家の酒屋は今でもお兄さんがやっておられ、‘ここがゲゲゲの女房の実家です’と観光ガイドが案内しているそうだ。

YouTubeで昨年一番多く聴いたのが坂本冬美の‘また君に恋してる’。最初は時々ながれるJRのCMを聴いていい曲だなと感じていた程度だったが、YouTubeで何度もアクセスするうちに完全に嵌ってしまった。

定番の演歌では川中美幸の‘二輪草’が楽しかった。これは演歌の愛唱歌のひとつ。今回はバックに‘鉄板ダンス’つき。この踊りは時々番組の冒頭でみているが、振り付けがとても気に入っている。同じ演歌でも、小林幸子の歌は歌詞とあの大きな鶴のつくりものがどうみてもアンマッチ。HYの音楽性豊かなパフォーマンスと比べると、この演出は中味のあまりないビッグな一発芸。もういいかな。

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2011.01.01

謹賀新年 11年前半展覧会プレビュー!

2253_2              円山応挙の‘木賊兎図’

今年も拙ブログをよろしくお願いします。まずは恒例になりました1月~6月に開催される展覧会のプレビューから。

美術館のHPに載っている展示スケジュールや作成されたチラシの情報をもとにお楽しみの展覧会をまとめていますが、美術館によっては新年度(4月から)の予定がまだ発表されてないところがあるので、4~6月の情報は不十分。また、デパート系の展覧会はいつもそうなのですが、2ヶ月くらいの情報しか手に入りませんから、何がでてくるやらといった感じです。

★西洋美術
2/9~5/9     シュルレアリスム展        国立新美
3/1~5/8     ヴィジェ・ルブラン展        三菱一号館美
3/3~5/22    シュテーデル美展         Bunkamura
3/8~5/8     岡本太郎展             東近美
3/12~6/12   レンブラント展            西洋美
4/2~6/26    プーシキン美展           横浜美
6/8~9/5     ワシントンナショナルギャラリー印象派展  国立新美

★日本美術
1/2~2/13    三代徳田八十吉展         横浜そごう美
1/8~2/3     常盤山文庫展            根津美
1/8~3/21    琳派芸術               出光美
1/8~3/6     マイセン磁器の300年       サントリー美
1/18~3/6    平山郁夫と文化財保護       東博
1/19~1/31   沈寿官展               日本橋三越
1/21~3/6    運慶展                金沢文庫
1/22~3/21   酒井抱一展             畠山記念美
2/24~3/21   近代日本画にみる女性の美   横浜そごう美

3/1~3/27    小林清親展             太田記念美
3/19~5/22   美を結ぶ 美をひらくⅠ       サントリー美
3/19~5/8    白洲正子展             世田谷美
4/5~5/15    写楽展                東博
4/7~5/29    香りかぐわしき名宝展       東芸大美
4/16~5/15   KORIN展              根津美
4/19~6/19   ホノルル美北斎名品展      三井記念美
4/26~6/5    ボストン美浮世絵名品展     千葉市美
6/8~7/24    美を結ぶ 美をひらくⅡ       サントリー美

(注目の展覧会)
・西洋絵画で期待値が高いのは横浜美の‘プーシキン美展’。モスクワにあるプーシキンはいつか行きたい美術館のひとつ。有名なのは印象派コレクションだが、古典絵画やピカソやシャガールなどのいい絵も揃っている。質の高いコレクションのなかから追っかけ画に入れているルノワールやアンリ・ルソーの絵がやってくるというのだから驚き。開幕が待ち遠しい。

・印象派・ポスト印象派展で美術ファンをおおいに楽しませてくれる国立新美が今年はワシントンナショナルギャラリーの印象派コレクションを展示してくれる。まだ出品作の情報はないが、この美術館にある印象派は08年に紹介したようにすばらしいので拍手を送りたい。目玉はどの絵?、マネ、ルノワール、ゴーギャン、、

・日本美術は前半に期待のやきもの展が3つある。なかでも楽しみなのがいつか回顧展をみたいと思っていた徳田八十吉。やっと実現する。

・光琳作のメトロポリタンから里帰りする‘八橋図屏風’と‘燕子花図屏風をコラボさせる根津美の‘KORIN展’は琳派芸術の一大イベント。出光の‘酒井抱一展’とともに期待が高まる。

今年の干支、兎の絵は円山応挙の‘木賊兎図’。

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