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2010.12.14

テート・モダンは近・現代絵画の殿堂!

2190_2     ダリの‘ナルシスの変貌’

2191_2       ミロの‘月光のなかの女と鳥’

2193_2     マティスの‘カタツムリ’

2192_2     マレーヴィチの‘ダイナミック・シュプレマティスム’

ゴーギャンのいい絵が沢山みれたから、館をでてほかの美術館へむかってもいいのだが、ここの平常展をそう簡単に見過ごすわけにはいかない。前回会えなかった近・現代絵画の傑作をリカバリーするため、2段ロケットのエンジンを再度点火した。

必見リストに載せているのはデルヴォー、ダリ、マグリット、クレー、ミロのシュルレアリスム絵画とシャガール、モディリアーニ、アンリ・ルソー、マティス、マレーヴィチの絵15点。結果はどうだったか、みれたのはわずか3点にとどまった。世の中、思い通りにはいかないもの。残念でならないのが前回同様みれなかったデルヴォーの‘レダ’(拙ブログ09/1/18)と‘眠れるヴィーナス’。二度もふられるなんてまったく相性が悪い。

ダリ(1904~1989)は‘山の湖’を目のなかにおさめたが、‘秋の食人’は展示されてなかった。久しぶりの対面となったのが代表作‘ナルシスの変貌’。これはダリの作品のなかでお気に入りの絵。カラヴァッジョやプッサンもギリシャ神話のナルシスを描いているが(09/2/11)、ダリの絵が一番体を揺すぶる。

目にまず飛び込んでくるのが水仙の花の差さった卵を持っている大きな指。この指は石化しており、よくみると蟻が何匹もいる。次にギョッとするのは水面に映る自分の影をみつめているナルシス。足と腕はまあみれるが、クルミみたいな形をした顔は目鼻がなくちょっと不気味。ナスシスと指の間をみると、裸婦の一団がかたまって立っており、ここに光があたっている。もっとじっくりみたいところだが時間があまりないので、不思議なダリワールドをまた目に焼き付け絵の前から離れた。

ミロ(1893~1983)の‘月光のなかの女と鳥’はとても楽しい絵。黒と白と赤で描かれた円や三日月のフォルムが記号(シンボル)となってバランスよく並んでいる。第二次大戦以降にミロが描いたこういう記号が自由にとびかう作品は見る者の想像力を突き動かし心地よい刺激を与えてくれる。

パリのポンピドーでマティス(1869~1954)の‘王の悲しみ’にちっとも縁がないのに、テート・モダンにある切り紙絵‘カタツムリ’はまた会った。常時展示してあるのだろうか?2.86mの正方形の絵だから、とても見ごたえがある。といっても緑や赤や紫などで彩られた矩形のつながりがタイトルのカタツムリとはすぐに結びつかない。マティスはカタツムリに対する感情をこんな形と色の切り紙で表したかったのだろう。色の組み合わせはマティスが真のカラリストであることを如実に示している。

抽象絵画はカンディンスキー、マレーヴィチ、ドローネー、モンドリアン、ポロック、
ロスコ、ニューマン、リヒターらのビッグネームの作品がずらっと揃っているが、収穫は過去見る機会がほとんどなかったマレーヴィチ(1878~1935)の‘ダイナミック・シュプレマティスム’。

非対称の三角形の上を矩形や細長い棒が重なるように浮遊している感じ。幾何学的な形で構成される抽象絵画では平凡な組み合わせだとダルくなるが、このようにフォルムにリズミカルな動きがあり、画面全体に秩序と調和が保たれていると見入ってしまう。めったに生み出されない極上の抽象美に出会えたことを心から喜んでいる。

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コメント

ゴーギャン展楽しみに待ってました。ゴーギャンも好きでどうしても観なくてはと、去年でしたか名古屋まで鈍行で見に行きました。ゴーギャンのブルターニューの衣装を着た女性を描いた絵もいいですね。西洋美術館でも何度行っても絵の前で立ち止まってしまいます。今回の絵は日曜美術館で観たのかもしれませんが、構図が印象的です。ミロ、マティス、マレーヴィチ、特にマレーヴィチがいい感じです。ミロはぴょんぴょん、マティスのカタツムリはぐるんぐるん。マレーヴィチのこの絵は、奥のほうからやさしい音楽が聞こえてくるようです。

投稿: licoluise | 2010.12.14 21:13

to licoluiseさん
ゴーギャン展は世界中のブランド美術館から傑作が
集まってました。‘説教のあとの幻影’がみれたの
は夢のようです。

マティスの‘カタツムリ’はやはりぐるんぐるんの
イメージでしょうね。マレーヴィチの絵に音楽が聴
こえてきましたか!いわれてみるとそうですね。
グレゴリア聖歌なんかどうでしょう。

投稿: いづつや | 2010.12.14 23:52

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