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2010.12.14

待望の‘カンディンスキーと青騎士’展!

2194_2     カンディンスキーの‘印象Ⅲ(コンサート)’

2195_2     カンディンスキーの‘コンポジションⅦの習作’

2196_2     マルクの‘牛、黄ー赤ー緑’

2197_2         マルクの‘虎’

三菱一号館美では現在、‘カンディンスキーと青騎士’展(11/23~2/6)が行われている。ミュンヘン、レンバッハハウス美が所蔵する有名なカンディンスキーの絵がやってくるのだから、目に気合が入る。

ミュンヘンは今から27年前に訪問したことはあるが、そのころは美術への関心はルネサンスやバロックのルーベンスくらいにしか向いていなかったから、カンディンスキーの初期の抽象絵画があるレンバッハハウスは知る由もない。時が流れて、日本でその美術館自慢の名画がみれることになった。

幸運な巡りあわせにライドできたのはここが現在工事のため休館しているから。12年の夏、新たにオープンするらしい。来年、ミュンヘンを再訪することを計画しているのだが、新レンバッハハウスができたあと出かけたほうがいいかなとも思っている。迷うところ。

レンバッハハウス蔵のカンディンスキーやミュンターの絵が日本で公開されるのははじめてではない。96年セゾン美(現在はなし)であった展覧会に今回出品されているカンディンスキーの‘シュヴァービング、ニコライ広場’、‘花嫁’、‘ガブリエール・ミュンターの肖像’やミュンターの‘ヤウレンスキーとヴェレフキン’などがでてきた。

カンディンスキー(1866~1944)に関しては一ラウンドこなしているので、お目当てはズバリ‘印象Ⅲ(コンサート)’と青騎士のメンバーであるマルク(1880~1916)の絵。
‘コンサート’は解説文を読まないでこれをみたら、具体的なイメージにはむすびつかない。こういう抽象絵画は単独でみるよりほかの同じタイプの絵と一緒にみるほうがいい。学芸員はそのあたりは抜かりがなく、同じ1911年に描かれた具象の痕跡がすこしイメージできる‘万聖節Ⅰ’と‘即興19A’を横に並べている。

それでも、‘コンサート’をみても音楽は聴こえてこないかもしれない。抽象絵画を無理やり理解してもしょうがないのだけれど、黄色とコントラストをなす縁がぼかされた黒の色面がピアノで、ピアノのまえで傾いているフォルムが聴衆ということになっている。

セゾンにもやってきた‘コンポジションⅦの習作’は‘コンサート’と違って緊張を強いられる。この画面は水墨画のたらしこみをオールカラーにし、複雑にゆがんだ楕円形や柔らかく曲がった三角形を濃い密度で重ね合わせたイメージ。

黄色や青、赤の色面はところどころに凹凸ができ振動しており、強い風に吹かれて色のついた帯が斜めや横に長くのびたり渦を巻いたりしている。これはどうみても混沌とするカオスの世界。02年、東近美であった‘カンディンスキー展’で本画の‘コンポジションⅦ’(トレチャコフ美)をみたが、習作のイメージが大きく変わるものではなかった。

‘コンサート’同様、期待値の高かったマルクの絵は‘牛’と‘虎’の2点プラスワンだったが、どちらもすごくいい絵だからこれで充分だろう。‘牛’は彫刻的なフォルムをした黄色の牛が海老のように反り返る姿にすごく感動する。NYのグッゲンハイムが所蔵する‘黄色い牝牛’を瞬時に思い出した。‘虎’はブロンズに着色された虎の置物が目の覚める緑や紫や赤が塗られた鉄板の台座にまるく横たわっているみたいだが、前方をじっとみすえる目つきがなかなかいい。

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コメント

いづつやさん、こんばんは。
僕も観てきました。
懐かしいですね、セゾン美術館。東武にも美術館があって、新宿区には小田急、伊勢丹、三越と美術館ありましたね。
それはそうと三菱一号館、まぁ悪くはないのですが、本当に靴音が響く建物ですね。
僕はヴェレフキンという人を初めて知りました。自画像の赤い瞳が印象的でしたね。
しかしマッケもマルクも青騎士も第一次世界大戦でやられちゃうのですね、戦争の罪というのを感じました。

投稿: oki | 2010.12.16 22:53

to okiさん
ヴェレフキンの自画像は強烈はインパクトを
持ってますね。長くみすぎると夢に出てきそ
うなので、そこそこで絵の前を離れました。

マルクにはもっと長生きしてもらいたかった
ですね。37歳で人生をとじるなんて若すぎ
ます。

三菱一号館の靴音ですか、そういわれれば確
かに響きますね。まだ、部屋の順番が頭に
ちゃんと入ってないので落ち着きません。
個人的にはこういう邸宅の中で絵画を見るの
は好きなので、もう少し慣れるともっと楽し
めるのではないかと思ってます。

投稿: いづつや | 2010.12.17 14:45

マルクの絵は本当によかったです。
たまに見かけるのですが、どこかでまとまった絵を見たいものです。

投稿: 一村雨 | 2010.12.19 09:15

to 一村雨さん
マルクの牛と虎に大変惹きつけられました。
マルクはドイツ人ですからドイツの美術館とか
スイスのバーゼル美などへ行かないといい絵が
みれませんね。

大きな回顧展がNYのMoMAとかグッゲンハイ
ムであるとみる機会が多少でもあるのですが。
一度は回顧展を体験したい画家ですね。

投稿: いづつや | 2010.12.19 11:17

やっと巡回してきた兵庫県立美術館で「青騎士」を観に行ってきました。
カンディンスキーの「花嫁」とマルクの牛と虎がお目当てです。
カンディンスキーは、東京に居る時に何度か観る機会がありましたが、
「花嫁」は初めてでとても楽しみにしておりました。
ポスターで見た時からなにか引っかかる
→そう、ナビ派のドニの絵から受ける印象にに似ていました。
マルクの後ろあしを跳ね上げる姿と強烈な色がいいです
振り向く虎の姿はなぜか応挙にもこんな虎がいたような気がしました。
カンディンスキーとクレーは、音楽、哲学、色彩と繋がっているなぁと思ったりしました。

投稿: licolusie | 2011.05.13 09:20

to licolusieさん
カンディンスキーの‘花嫁’は横向きの
花嫁を三角形にして手前に大きく描く構図
がとてもいいですね。見栄えがします。

マルクの牛と虎はずっしり目に焼きつき
ます。ミュンヘンのレンバッハ美でもっと
多くのマルク作品をみることを夢見てます。

投稿: いづつや | 2011.05.13 17:55

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