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2010.12.17

傑作揃いのウォレス・コレクションにびっくり仰天!

2206_2     ウォレス・コレクションの建物

2205_2          フラゴナールの‘ぶらんこ’

2207_2       ブーシェの‘ポンパドゥール夫人’

2208_2     ルーベンスの‘虹のある風景’

ウォレス・コレクションが所蔵する絵画、陶器、工芸は予想をはるかに上回るすごいものだった。18世紀に建てられたこの赤レンガの美術館は地下鉄のボンド・ストリート駅から歩いて10分くらいの静かなところにある。ここは国立の美術館なので無料。開館時間は10時から午後5時まで。休館日は12/24~26だけであとはいつ行っても開館している。

ここでみたい絵はなんといってもフラゴナール(1832~1806)の‘ぶらんこ’。拙ブログ09/4/2でとりあげたように対面をずっと待っていた。もっと大きい絵をイメージしていたが、縦81cm、横64cmと意外に小ぶりの絵だった。目が吸い寄せられるのが中央でぶらんこに乗っている女性。この女性は左上から射す光で気分がハイになったのか演出心に火がつき、揺れるぶらんこにあわせて左足にはいていた靴を上にぴょんと跳ね上げている。口がぽかんとあくような光景とはこのこと。

宙に舞う靴の横に目をやると石彫のキューピッドが唇に指を押し当てている姿が。その真下には若い男が花園のなかに横たわり顔を紅潮させている。楽しみの絶頂といったところか。男はこの絵を依頼したサン=ジュリアン男爵で、ぶらんこに乗っているのは男爵の愛人。とてもあぶない絵なのだが、心がザワザワすることはない。ここに漂っているのは軽いというか悪ふざけ感覚のエロティシズム。ロココ様式にかかるとエロティックムードもカラッとし、美しさにくるまれてくる。

フラゴナールの師匠、ブーシェ(1703~1770)も傑作揃い。玄関ホールの前にある立派な階段をのぼると大作‘日の出’と‘日没’があった。これはギリシャ神話の太陽神アポロンを描いたもの。ふたつを比べると‘日の出’のほうに惹かれる。ニンフに囲まれ天空に上がるため直立したアポロンの顔が女性のように美しい。また、下の海でイルカと遊んでいる可愛いプットに心が和む。

やわらかい肌、小さい顔に大きなまるい目、ブーシェが描く女性にはいつも心がとろけそうになる。ブーシェのパトロン、ポンパドゥール夫人の肖像に大変魅了された。ロンドン・ナショナル・ギャラリーにもドルーエが描いた夫人の絵があるが、ブーショの絵も魅力いっぱい。しばらく息を呑んでみていた。

‘ぶらんこ’とともに最も期待していたのがルーベンス(1577~1640)の風景画の大作‘虹のある風景’。これはナショナル・ギャラリーにある‘ステーンの城館のある風景’の対画として制作された。図版で惹かれていたが実際、見事な風景画だった。ブリューゲルが描いた農民画同様、こういう自然と人物が一体になった絵をみるのはとても楽しい。

画面の左側では干し草づくりが行なわれており、馬を引く荷馬車の横では娘2人と農夫が1人歩いている。農夫は娘たちに‘今日は忙しかったな、酒屋で一杯やろうか’とかいって誘っているのだろうか?牛の群れやその右にいるアヒルをじっとみたあと、視線はすうーっと木々の上に掛かるきれいな虹へとむかう。それにしても木々や遠景の描写がじつに丁寧。風景画家、ルーベンスに熱いエールを送りたくなった。

必見リストに載せていた絵は皆展示してあった。ヴァトーの‘生の魅惑’、‘庭園の宴’、ヴァン・ダイクの見事な肖像画‘ラベル殿、フィリップ・ル・ロワ’、ティツィアーノの‘ペルセウスによるアンドロメダの解放’、プッサンの‘時の音楽のための舞踏’、ハルスの‘笑う騎士’、ドラクロアの‘総督マリノ・ファリエロの処刑’。大収穫だった上、レンブラントの自画像や息子の絵のオマケつき。満ち足りた気分で館を後にした。

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