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2010.11.11

日本の美 秋の紅葉! 琳派の紅葉の絵(2)

2120_3     俵屋宗達の‘西行法師行状絵 巻第三’(重文 文化庁)

2119_3     尾形光琳の‘槙楓図屏風’(重文 東京芸大美)

2123_2     俵屋宗理の‘楓図屏風’(米国 ファインバーグ・コレクション)

2121_3              鈴木其一の‘雨中楓葉図’(静嘉堂文庫)

琳派の絵師たちによって描かれた紅葉は絵巻や風俗画にでてくる紅葉より装飾の度合いがまし、意匠性を帯びてくる。俵屋宗達や尾形光琳の絵には‘風神雷神図’のように原画と模写の関係にあるものが数点あるが、西行法師、楓の絵もそのひとつ。

宗達の西行法師の絵では紅葉は鹿とセットで描かれている。‘奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の’の小倉百人一首で知られるように、紅葉と鹿の組み合わせが流水に紅葉を散らした‘龍田川’などとともに紅葉の定番文様になっていく。

‘槙楓図’は宗達の原画が山種美に、これを光琳が模写したものが東京芸大美にある。光琳のほうが画面全体が明るくて紅葉の朱色が目に飛びこんでくるので、どうしても長くみることになる。平面的な絵なのに、右でどんと立っている槙に対して細い幹の楓が左へくねくねまがりながらのび、目に鮮やかな紅葉がリズミカルに描かれているので、奥行きが感じられ爽快な気分になる。

画面構成が‘槙楓図’以上に巧みなのが俵屋宗理の‘楓図’。この絵は16年前、名古屋市博であった琳派展に米国から里帰りした。真ん中に大きく余白をとり、そのまわりに円をつくるように楓を配している。たらしこみで描かれた幹が印象深く、紅葉のみせ方にとても興味をおぼえた。

紅葉全部をみせず上のほうはカットしているのだが、中央で形のいいフォルムをみせているので、こういうきれいな紅葉でこの空間が満たされているのだなと想像がふくらむ。イメージを刺激する絵は長く記憶に残る。

2年前にあった‘大琳派展’に出品された其一の‘雨中楓葉図’にぞっこん惚れている。これは‘雨中桜花’との二幅になっているが、白とうす茶色の交じった桜より赤一色でデザイン的な楓の葉のほうに目がむかう。そして雨はやはりまっすぐに落ちてくるより斜めに描かれているほうがみてて感傷的になる。本当に風情のある紅葉!

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