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2010.11.13

日本の美 秋の紅葉! 江戸絵画の紅葉の絵(4)

2127_2             伊藤若冲の‘動植綵絵・紅葉小禽図’(三の丸尚蔵館)

2130_2                円山応挙の‘紅葉小禽図’

2129_2     与謝蕪村の‘十宜帖・宜秋’(国宝 川端康成記念会)

2128_2     浦上玉堂の‘山紅於染図’(重文 愛知県美)

今日は最近とみに人気を増している江戸絵画の絵師たちが描いた紅葉の絵。紅葉がでてくるのは花鳥画と風景画であるが、選択に困るほどの数はない。

紅葉を最も感じさせてくれるのはわれらが若冲が描いた‘動植綵絵’のなかの‘紅葉小禽図’。赤く染まった葉がこれほど一枚々目に焼き付けられる絵はほかにない。まさにこれぞ紅葉!桜の花びらとちがって紅葉はそのままでデザイン的なフォルムになっているから、見る者に印象づけやすい。あとはこれを画面のなかでどう配置して美しくみせるかである。

幹から斜めにでた枝はきちっとのびており、そのため一見ビジーにみえる紅葉が塊のある光景となって目に沁みこんでくる。紅葉を満喫し、枝にとまる二羽の鳥にも心が和む。花も鳥もこれほど楽しめる絵はそうない。秋になるとこの絵を無性にみたくなる。

応挙の絵は紅葉を単品でお楽しみください、といったところ。この絵は奈良県美であった‘応挙・芦雪展’でお目にかかったが、印象に強く残っているのが3羽の鳥。上にいる鳥の頭をぐっと後ろに曲げる姿や枝から離れすーっと飛んでいく2羽を釘づけになってみていた。応挙の画力はやはり飛びぬけている。

南画ですぐ紅葉を連想するのは蕪村の‘宜秋’と玉堂の‘山紅於染図’。ともに日本人の琴線にふれる秋の風景である。‘十宜帖’を所蔵していた川端康成は‘宜秋’について、こう述べている。

‘十図のうち最も端正典雅である。静寂、清浄に落ち着いている。大樹のもみじの色が画面を領して華麗である。木の幹、岩、堀、屋根、山にも、大方同じ色を淡くつけて、秋色を漂はせている。細かい竹が愛情をそへている。遠山のおもしろい形も調和をやぶらない。まことに整った画面である’

‘山紅於染図’は玉堂が75歳で亡くなる前年に描かれた。紅葉を表わす薄い朱色が山々と木々の墨のなかに淡く溶け合う。ほかに絵に比べると対象の形はざざっと写され、色調もやわらかくなっている。実際の紅葉の色はこれより数倍赤いのだが、最晩年の玉堂には鮮やかさより穏やかでやわらかくみえたのだろうか。

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