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2010.11.10

日本の美 秋の紅葉! とっておきの紅葉の絵(1)

2115_2      ‘源氏物語絵巻・関屋’(復元模写 12世紀前半 徳川美)

2118_2      ‘四季花木図屏風’(15世紀 出光美)

2117_3      狩野秀頼の‘高雄観楓図屏風’(国宝 16世紀中頃 東博)

2116_2      長谷川等伯の‘楓図’(国宝 1592年頃 智積院)

秋の紅葉は桜同様、日本における自然の美しさをあらわすモチーフとして、平安王朝のころから今日にいたるまで絵画に描かれ、漆芸、やきものの図柄にもちいられてきた。今が見ごろの美しい紅葉に誘われて、これまで体験したなかで印象深いものをとりあげてみた。

‘源氏物語絵巻’の‘関屋’に紅葉がでてくる。この絵は徳川美にある原画の復元模写。色が美しく精緻な描写が再現されているので、時折心を震わせてながめている。

石山に詣でる源氏の一行が(中央、左のほうへ向かっている、後ろが逢坂山)、逢坂の関で帰京する空蝉夫妻(左の牛車、右のほうへ進んでいる)に偶然遭遇する情景が描かれている。左上に琵琶湖がみえる。牡蠣の貝殻のようなフォルムをした山に赤と黄色の葉をつけた楓が上手具合に配置されており、人物を広々とした空間のなかで順々に追っかけていく感じ。

出光美蔵の屏風は左隻に秋の紅葉が描かれている。出光にはもうひとつ‘日月四季花鳥図’(重文)があり、左側に萩や楓がでてくるが、この屏風はコンディションはよくないので紅葉の印象は‘四季花木図’のほうが強く残る。

紅葉を見る楽しみが一番でているのが‘高雄観楓図屏風’(部分)。これは東博の平常展(国宝室)に2年に1回の頻度で展示されるから、お馴染みの方も多いのではなかろうか。左隻では男たちグループが鼓の音にあわせて踊っているが、右の女性たちは真っ赤な葉をつけた楓の木で楽しげにおしゃべりをしている。その笑顔がじつにいい。

真ん中の太い幹がとてもインパクトをもっている等伯の‘楓図’は楽しい気分にさせてくれる風俗画の楓とは趣がだいぶ異なる。同じ楓なのに、こちらは厳粛な美につつまれており、正座し心を落ち着けて見る感じ。時代の空気とか風潮によって、楓の描かれ方がいろいろ変わることがよくわかる。

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コメント

長谷川等伯の‘楓図’実際に観ると、痛々しいほどに痛んでいると思われませんでしたでしょうか?京博の等伯展以前「智積院」で拝見いたしました。だーれもいない宝物殿で独り占め状態で。剥落がひどくもっと早くに何とかできなかったものかと。。。京博のチラシはとっても綺麗になってましたが、そんな風に感じるのは私だけだったでしょうか?大徳寺なんかのは保存状態がよいのに、、と感じました。

投稿: licoluise | 2010.11.13 11:47

to licoluiseさん
ご指摘の痛みについては同じことを東博の回顧展
で感じました。美術本の‘楓図’は華麗な色を
だしてますから、余計に現状の暗さが気になり
ますね。

20年くらい前、智積院で観たときはもっと色が
輝いていた感じですから、この落差に面くらいま
した。

投稿: いづつや | 2010.11.13 20:25

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