« 日本の美 秋の紅葉! 江戸絵画の紅葉の絵(4) | トップページ | 日本の美 秋の紅葉! 傑作紅葉画の共演(6) »

2010.11.14

日本の美 秋の紅葉! 浮世絵に描かれた紅葉(5)

2134_2         鈴木春信の‘紅葉舞’

2133_2     鳥居清長の‘当世遊里美人合 紅葉見’

2131_2            歌川広重の‘六十余州名所図会 甲斐 さるはし’

2132_2     歌川国貞の‘紅葉がりノ図’

浮世絵にでてくる紅葉で最も気に入っているのは春信の‘紅葉舞’。東博の平常展示に今日まで展示してあった(3年ぶりの登場)。拙ブログ07/11/28でとりあげたが、以来秋になるとこの絵を楽しんでいる。

春信には見立絵の‘見立恨の介’や‘五常 信’などのようにバックに紅葉を描き、女性を引き立てている絵が数点あるが、‘紅葉舞’の紅葉は引き立て役というより二本の傘をもって華麗に舞う女と対等に主役を演じている。これほど人と花が生き生きとコラボした絵があっただろうか。真に心に響く紅葉である。

シカゴ美が所蔵する清長の絵にもぐっと惹きこまれる。清長式美人6人と女の子は紅葉にぐるっと囲まれており、秋の自然の美しさに心が満たされている感じ。流水に赤や黄色の葉を散らす定番の文様を背景に描き込んでいるから、紅葉モードは全開。心憎い構成にこちらもアドレナリンがどっとでてくる。

広重の名所絵に描かれる紅葉は桜に比べると少ない。‘名所江戸百景’には桜の名所が沢山でてくるが、紅葉は‘請地秋葉の境内’の一点だけ。印象深いのは‘六十余州名所図会’の‘甲斐 さるはし’の紅葉。

山梨県大月の猿橋は‘岩国の錦帯橋’(山口県岩国市)、‘木曾の桟橋’(長野県木曽郡上松町)とともに日本三奇橋の一つ。橋の下の絶壁と鮮やかな紅葉の取り合わせが視線を釘付けにする。いつかこの目でと思っている。

国貞の紅葉の絵は構図がとてもいい。‘さるはし’と同じような形をした紅葉を手前、中景、遠景に描き、広々とした眺めをつくっている。左上から斜めに下ってくる道にはまわりの景色を見渡しながら進んでいる旅人がみえる。‘紅葉がきれいだねえ、ほらほらあそこをみてよ!’とはしゃいでいる女の声が聞こえてくるよう。

|

« 日本の美 秋の紅葉! 江戸絵画の紅葉の絵(4) | トップページ | 日本の美 秋の紅葉! 傑作紅葉画の共演(6) »

コメント

いづつやさま、

こんばんは。ご無沙汰をしております。
日本はちょうど紅葉が美しいころでしょうか。私も昨年は夫とこの時期に日本に滞在して京都の紅葉を堪能しました。イタリアはこのもみじがないせいでしょうか、なんとなく物足りない紅葉なんですね。私の実家がある静岡も昼と夜の温暖の差がはげしくないせいか紅葉はイマイチ。
温暖化が進む前の日本の紅葉はさらに鮮やかだったんだろうなあ、といづつやさんがブログに載せられた作品を鑑賞しながら日本の秋をしのんでおります。

投稿: cucciola | 2010.11.15 02:34

to cucciolaさん
京都の紅葉は本当に感動しますね。秋の京都が
一番好きです。

春の桜に続き、絵や工芸に描かれた紅葉をレヴュー
してみました。目に焼きついている鮮やかな赤を
思い出しながら、名品を楽しんでいます。

今日は最終回ですが、心が震えるのをお見せし
ます。ご期待下さい。

投稿: いづつや | 2010.11.15 10:25

甲斐の 猿橋 に行った事あります。
とてもすばらしく、思い出の場所 のひとつです。

投稿: Baroque | 2010.11.15 20:57

to Baroqueさん
広重の絵をみても‘猿橋’にはとても
惹きつけられますが、やはり、すばら
しいですか!是非行きたいと思います。

投稿: いづつや | 2010.11.16 09:42

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 日本の美 秋の紅葉! 浮世絵に描かれた紅葉(5):

« 日本の美 秋の紅葉! 江戸絵画の紅葉の絵(4) | トップページ | 日本の美 秋の紅葉! 傑作紅葉画の共演(6) »