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2010.11.16

お知らせ

拙ブログは11/30までお休みします。

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2010.11.15

日本の美 秋の紅葉! 傑作紅葉画の共演(6)

2137_2     横山大観の‘紅葉’(1931年 足立美)

2136_2             川合玉堂の‘日光裏見滝’(1903年 岐阜県美)

2138_2     東山魁夷の‘照紅葉’(1968年)

2135_2     奥田元宋の‘玄溟’(1978年 山種美)

明治以降に活躍した日本画家が描いた絵には紅葉の傑作がいくつもある。その中からとくに心を震わす絵を4点選んだ。

横山大観が昭和6年(1931)に描いた‘紅葉’(六曲一双)は島根県安来市にある足立美が所蔵している。これは‘夜桜’(昭和4年)とともに彩色画の最高傑作。この2点は別格扱いの絵だから、大規模な回顧展のときしか展示されない。大観がお好きな方は2年前の大観展(国立新美)で‘紅葉’はしっかりみられたはず。

画像は画面いっぱいに紅葉が描かれている左隻のほう。これをはじめてみたときは‘琳派の絵そのものだな、光琳と抱一をミックスした感じだ’と思った。大きな屏風だから、美しい紅葉のオーラに圧倒されっぱなし。大観は宗達も光琳も描いた紅葉をこのように装飾的に描いてみせるのだから、琳派の作品に強く惹かれていたにちがいなく、その
DNAをしっかり受け継いでいる。

玉堂の‘日光裏見滝’もすばらしい絵。今すぐにでも現場へ駆けつけ、なんとも絵になるこの景色をみたくなる。渓斎英泉の名所絵や歌川広重の肉筆画に日光の三滝を描いたものがあるが、‘裏見滝’では滝とその滝の後ろを通る人に焦点があたっているので、ここに紅葉があることをイメージできなかった。昨日紹介した‘甲斐 さるはし’同様、是非行ってみたい。

紅葉の傑作はまだある。東山魁夷の絵は紅葉の下に立ったときの感覚がそのまま表現されている。紅葉を直にみれないときはこの絵をながめることにしている。秋の絵としてはほかに‘光昏’や‘秋翳’などがあるが、この絵が一番のお気に入り。心が震える絵とはこのこと。

奥田元宋は‘赤の画家’だから紅葉の絵はこの画家の代名詞みたいなもの。‘玄溟’は代表作。紅葉一色に染まった山々を遠くからこんな風に眺めてみたい。赤が燃えるような紅葉の上部をつつむ雲霧のなかに一瞬姿をみせた太陽がとても幻想的。また、元宋の回顧展をみたくなった。

これで‘秋の紅葉!’は終わり。

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2010.11.14

日本の美 秋の紅葉! 浮世絵に描かれた紅葉(5)

2134_2         鈴木春信の‘紅葉舞’

2133_2     鳥居清長の‘当世遊里美人合 紅葉見’

2131_2            歌川広重の‘六十余州名所図会 甲斐 さるはし’

2132_2     歌川国貞の‘紅葉がりノ図’

浮世絵にでてくる紅葉で最も気に入っているのは春信の‘紅葉舞’。東博の平常展示に今日まで展示してあった(3年ぶりの登場)。拙ブログ07/11/28でとりあげたが、以来秋になるとこの絵を楽しんでいる。

春信には見立絵の‘見立恨の介’や‘五常 信’などのようにバックに紅葉を描き、女性を引き立てている絵が数点あるが、‘紅葉舞’の紅葉は引き立て役というより二本の傘をもって華麗に舞う女と対等に主役を演じている。これほど人と花が生き生きとコラボした絵があっただろうか。真に心に響く紅葉である。

シカゴ美が所蔵する清長の絵にもぐっと惹きこまれる。清長式美人6人と女の子は紅葉にぐるっと囲まれており、秋の自然の美しさに心が満たされている感じ。流水に赤や黄色の葉を散らす定番の文様を背景に描き込んでいるから、紅葉モードは全開。心憎い構成にこちらもアドレナリンがどっとでてくる。

広重の名所絵に描かれる紅葉は桜に比べると少ない。‘名所江戸百景’には桜の名所が沢山でてくるが、紅葉は‘請地秋葉の境内’の一点だけ。印象深いのは‘六十余州名所図会’の‘甲斐 さるはし’の紅葉。

山梨県大月の猿橋は‘岩国の錦帯橋’(山口県岩国市)、‘木曾の桟橋’(長野県木曽郡上松町)とともに日本三奇橋の一つ。橋の下の絶壁と鮮やかな紅葉の取り合わせが視線を釘付けにする。いつかこの目でと思っている。

国貞の紅葉の絵は構図がとてもいい。‘さるはし’と同じような形をした紅葉を手前、中景、遠景に描き、広々とした眺めをつくっている。左上から斜めに下ってくる道にはまわりの景色を見渡しながら進んでいる旅人がみえる。‘紅葉がきれいだねえ、ほらほらあそこをみてよ!’とはしゃいでいる女の声が聞こえてくるよう。

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2010.11.13

日本の美 秋の紅葉! 江戸絵画の紅葉の絵(4)

2127_2             伊藤若冲の‘動植綵絵・紅葉小禽図’(三の丸尚蔵館)

2130_2                円山応挙の‘紅葉小禽図’

2129_2     与謝蕪村の‘十宜帖・宜秋’(国宝 川端康成記念会)

2128_2     浦上玉堂の‘山紅於染図’(重文 愛知県美)

今日は最近とみに人気を増している江戸絵画の絵師たちが描いた紅葉の絵。紅葉がでてくるのは花鳥画と風景画であるが、選択に困るほどの数はない。

紅葉を最も感じさせてくれるのはわれらが若冲が描いた‘動植綵絵’のなかの‘紅葉小禽図’。赤く染まった葉がこれほど一枚々目に焼き付けられる絵はほかにない。まさにこれぞ紅葉!桜の花びらとちがって紅葉はそのままでデザイン的なフォルムになっているから、見る者に印象づけやすい。あとはこれを画面のなかでどう配置して美しくみせるかである。

幹から斜めにでた枝はきちっとのびており、そのため一見ビジーにみえる紅葉が塊のある光景となって目に沁みこんでくる。紅葉を満喫し、枝にとまる二羽の鳥にも心が和む。花も鳥もこれほど楽しめる絵はそうない。秋になるとこの絵を無性にみたくなる。

応挙の絵は紅葉を単品でお楽しみください、といったところ。この絵は奈良県美であった‘応挙・芦雪展’でお目にかかったが、印象に強く残っているのが3羽の鳥。上にいる鳥の頭をぐっと後ろに曲げる姿や枝から離れすーっと飛んでいく2羽を釘づけになってみていた。応挙の画力はやはり飛びぬけている。

南画ですぐ紅葉を連想するのは蕪村の‘宜秋’と玉堂の‘山紅於染図’。ともに日本人の琴線にふれる秋の風景である。‘十宜帖’を所蔵していた川端康成は‘宜秋’について、こう述べている。

‘十図のうち最も端正典雅である。静寂、清浄に落ち着いている。大樹のもみじの色が画面を領して華麗である。木の幹、岩、堀、屋根、山にも、大方同じ色を淡くつけて、秋色を漂はせている。細かい竹が愛情をそへている。遠山のおもしろい形も調和をやぶらない。まことに整った画面である’

‘山紅於染図’は玉堂が75歳で亡くなる前年に描かれた。紅葉を表わす薄い朱色が山々と木々の墨のなかに淡く溶け合う。ほかに絵に比べると対象の形はざざっと写され、色調もやわらかくなっている。実際の紅葉の色はこれより数倍赤いのだが、最晩年の玉堂には鮮やかさより穏やかでやわらかくみえたのだろうか。

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2010.11.12

日本の美 秋の紅葉! やきもの・友禅にみる美しい紅葉(3)

2122     尾形乾山の‘色絵紅葉図透彫反鉢’

2124     尾形乾山の‘色絵龍田川図向付’

2125     鍋島藩窯‘色絵紅葉狩文皿’

2126            今尾景年の‘縮緬地楓に流水文様型友禅染裂’

やきもので紅葉の図柄をすぐ思いつくのは尾形乾山の色絵と鍋島。これに魅了される方は多いのではなかろうか。

2年前、東博であった‘対決 巨匠たちの日本美術’で野々村仁清とペアを組んだのが乾山。仁清の‘色絵吉野山図茶壺’に対して乾山は‘色絵紅葉図透彫反鉢’。とてもとても美しい春の桜と秋の紅葉、息を呑んでみていた。

乾山のやきものの革新性は意匠と器が一体になったところ。口縁の形が紅葉の葉になっているのをみると‘これもあったか!’という感じだが、遊び心がないとこういうものは生まれてこない。

ひとつできあがるとアイデアは水平展開する。向付が紅葉になった。これをはじめてみたときは目が点になった。意匠は定番の‘龍田川’。奈良県の北西部、生駒山地の東部を流れる龍田川は昔から紅葉の名所。まだ行ってないが、この意匠のような光景がみられるにちがいない。

それにしてもこの向付はすばらしい。とくに惹かれるのがダイナミックな動きをみせる流水。フォルムは3タイプあり、赤、黄色、緑の大きな葉の間を自在に生き物のように流れている。乾山の豊かなデザインセンスは時空を飛び越えており、21世紀に生きるわれわれにも心地よい刺激を与えてくれる。

今年は鍋島焼の展覧会がサントリー美であったから、‘色絵紅葉狩文皿’はすぐ頭に浮かぶ。紅葉文はもうひとつ‘龍田川文’がでていた。ふたつを比べると、下の幔幕に安定感があり三色の葉が星座のようにぐるぐる回っているようにみえる‘紅葉狩文’のほうに惹かれている。

4,5年前、友禅染の着物を沢山展示した展覧会を体験したが、印象に残っている意匠のひとつが今尾景年の図案による‘楓に流水文様型裂’。斜めに流れる青地の流水の間に紅葉が重なるようにびっしり描かれている。そのシャープで雅な感覚に大変魅せられた。

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2010.11.11

日本の美 秋の紅葉! 琳派の紅葉の絵(2)

2120_3     俵屋宗達の‘西行法師行状絵 巻第三’(重文 文化庁)

2119_3     尾形光琳の‘槙楓図屏風’(重文 東京芸大美)

2123_2     俵屋宗理の‘楓図屏風’(米国 ファインバーグ・コレクション)

2121_3              鈴木其一の‘雨中楓葉図’(静嘉堂文庫)

琳派の絵師たちによって描かれた紅葉は絵巻や風俗画にでてくる紅葉より装飾の度合いがまし、意匠性を帯びてくる。俵屋宗達や尾形光琳の絵には‘風神雷神図’のように原画と模写の関係にあるものが数点あるが、西行法師、楓の絵もそのひとつ。

宗達の西行法師の絵では紅葉は鹿とセットで描かれている。‘奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の’の小倉百人一首で知られるように、紅葉と鹿の組み合わせが流水に紅葉を散らした‘龍田川’などとともに紅葉の定番文様になっていく。

‘槙楓図’は宗達の原画が山種美に、これを光琳が模写したものが東京芸大美にある。光琳のほうが画面全体が明るくて紅葉の朱色が目に飛びこんでくるので、どうしても長くみることになる。平面的な絵なのに、右でどんと立っている槙に対して細い幹の楓が左へくねくねまがりながらのび、目に鮮やかな紅葉がリズミカルに描かれているので、奥行きが感じられ爽快な気分になる。

画面構成が‘槙楓図’以上に巧みなのが俵屋宗理の‘楓図’。この絵は16年前、名古屋市博であった琳派展に米国から里帰りした。真ん中に大きく余白をとり、そのまわりに円をつくるように楓を配している。たらしこみで描かれた幹が印象深く、紅葉のみせ方にとても興味をおぼえた。

紅葉全部をみせず上のほうはカットしているのだが、中央で形のいいフォルムをみせているので、こういうきれいな紅葉でこの空間が満たされているのだなと想像がふくらむ。イメージを刺激する絵は長く記憶に残る。

2年前にあった‘大琳派展’に出品された其一の‘雨中楓葉図’にぞっこん惚れている。これは‘雨中桜花’との二幅になっているが、白とうす茶色の交じった桜より赤一色でデザイン的な楓の葉のほうに目がむかう。そして雨はやはりまっすぐに落ちてくるより斜めに描かれているほうがみてて感傷的になる。本当に風情のある紅葉!

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2010.11.10

日本の美 秋の紅葉! とっておきの紅葉の絵(1)

2115_2      ‘源氏物語絵巻・関屋’(復元模写 12世紀前半 徳川美)

2118_2      ‘四季花木図屏風’(15世紀 出光美)

2117_3      狩野秀頼の‘高雄観楓図屏風’(国宝 16世紀中頃 東博)

2116_2      長谷川等伯の‘楓図’(国宝 1592年頃 智積院)

秋の紅葉は桜同様、日本における自然の美しさをあらわすモチーフとして、平安王朝のころから今日にいたるまで絵画に描かれ、漆芸、やきものの図柄にもちいられてきた。今が見ごろの美しい紅葉に誘われて、これまで体験したなかで印象深いものをとりあげてみた。

‘源氏物語絵巻’の‘関屋’に紅葉がでてくる。この絵は徳川美にある原画の復元模写。色が美しく精緻な描写が再現されているので、時折心を震わせてながめている。

石山に詣でる源氏の一行が(中央、左のほうへ向かっている、後ろが逢坂山)、逢坂の関で帰京する空蝉夫妻(左の牛車、右のほうへ進んでいる)に偶然遭遇する情景が描かれている。左上に琵琶湖がみえる。牡蠣の貝殻のようなフォルムをした山に赤と黄色の葉をつけた楓が上手具合に配置されており、人物を広々とした空間のなかで順々に追っかけていく感じ。

出光美蔵の屏風は左隻に秋の紅葉が描かれている。出光にはもうひとつ‘日月四季花鳥図’(重文)があり、左側に萩や楓がでてくるが、この屏風はコンディションはよくないので紅葉の印象は‘四季花木図’のほうが強く残る。

紅葉を見る楽しみが一番でているのが‘高雄観楓図屏風’(部分)。これは東博の平常展(国宝室)に2年に1回の頻度で展示されるから、お馴染みの方も多いのではなかろうか。左隻では男たちグループが鼓の音にあわせて踊っているが、右の女性たちは真っ赤な葉をつけた楓の木で楽しげにおしゃべりをしている。その笑顔がじつにいい。

真ん中の太い幹がとてもインパクトをもっている等伯の‘楓図’は楽しい気分にさせてくれる風俗画の楓とは趣がだいぶ異なる。同じ楓なのに、こちらは厳粛な美につつまれており、正座し心を落ち着けて見る感じ。時代の空気とか風潮によって、楓の描かれ方がいろいろ変わることがよくわかる。

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2010.11.09

おもしろい浮世絵本!

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今日は大幅に入れ替えた‘お気に入り本’のなかから浮世絵関連本3冊について少し解説をしてみたい。

★大久保純一著 ‘カラー版 浮世絵’ (岩波新書 08年11月)
★近藤史人著 ‘歌麿 抵抗の美人画’ (朝日新書 09年1月)
★浅野秀剛著 ‘浮世絵は語る’ (講談社現代新書 10年7月)

大久保純一氏(国立歴史民族博物館教授)の岩波新書本は大変よく書けている。浮世絵に関心があり展覧会にもでかけるが忙しくて本を読む時間がない方やこれから浮世絵をみてみようかなと思われている若い方に、是非お奨めしたい。浮世絵の歴史、ジャンル、浮世絵の題材、どのようにつくられたか、そしてどこで売られたか、浮世絵の技法についてポイントをおさえ、わかりやすく述べられている。

この本の売りは75点のカラー図版。色もよくでており、図柄のセレクションのセンスがいいので、とても愛着を覚える。もうひとつ他の一般的な浮世絵本ではあまり書かれてないのが浮世絵の制作現場。歌川国貞の‘今様見立士農工商 職人’を使って彫師や摺師の仕事場をていねいに説明している。また同じ絵をみせて版元の店先で錦絵がどのように売られていたのか、誰が買っていたのかを読者にイメージづけている。

‘歌麿 抵抗の美人画’は読みごたえ充分。こういうおもしろくて浮世絵の新情報が詰まった本はそうない。近くにいつも置いておきたい本のひとつになった。近藤史人氏は
07年春、放送されたNHKスペシャル‘歌麿 謎の紫’のプロデューサー。この番組は当時海外旅行中だったので、みれなかった。だから、この本によって歌麿の色彩の秘密を知った。

ボストン美にあるスポルディングコレクションによって、歌麿が紫を多用していたことがわかったのである。歌麿は自ら‘江戸絵師 紫屋 歌麿’といっていたことがやっと証明された。こういう一大発見に立ち会える専門家が羨ましい。興奮ぶりが本から伝わってくる。紫の秘密は興味深々といったところだが、熱く語られるタイトルの‘抵抗の美人画’が腹にぐっとくる。さて幕府が次々と繰り出す規制に歌麿はどう‘抵抗’したのか?

今年7月にでた‘浮世絵は語る’の著者浅野秀剛氏は現在、奈良の大和文華館の館長。長く千葉市美におられて浮世絵の研究者として高く評価されている方。どうでもいいことだが、以前一緒に仕事していた後輩がこの方によく似ているのでつい話をしてみたくなる。

浮世絵の専門家は絵を目の前に出されればこれがいつごろ描かれ、何を描いているかについて、はっきり特定できなくても、可能性の幅をもたせながらいろいろ述べなければならない。この本は考証をどうやって進めるかという方法論をいくつかの浮世絵を例にとり述べている。

学会で発表する論文のように詳細に書かれてはいないが、合理的な推論がきっちり行われているので、内容をしっかり頭のなかにいれようとすると時間がかかる。でも、この本は情報がつまっているから、浮世絵のことを本格的に知ろうと思っている方には最適かもしれない。

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2010.11.08

祝 ロッテ 5年ぶりの日本一!

2111プロ野球日本シリーズはロッテが4勝2敗1分けで中日を破り、5年ぶりに日本一になった。拍手々!

ナゴヤドームでの2戦はどえりゃー長い試合だった。

前の日は15回引き分け、日本シリーズ最長時間だったが、7戦はまたも延長戦に入り、12回でやっと決着がついた。

この試合で中日は序盤に6対2と4点差をつけたから、8戦にもつれこむなと誰しも思ったはず。が、ロッテは粘り強い攻撃で追いつき7回には1点勝ち越してしまった。9回はリリーフエースの小林がきっちり抑え、ロッテ優勝の流れだった。でも、中日が意地をみせる。先頭打者の和田はホームランかと思うすごい当たりを放ち3塁まで進んだ。ブランコの犠打であっさり同点。

地元のファンにとっては願ってもない展開。こうなれば、延長に入ったとしてもこのゲームは中日のサヨナラ勝ちを予想する。浅尾の生きのいいピッチングにロッテの打者は簡単に打ちとられていたから、なおさらそう思う。ところが野球はわからないもの。その浅尾が12回岡田に打たれて失点。これで長い試合は終わった。

ロッテのレギュラーシーズンの順位は3位。セリーグ1位の中日がパリーグの3位に敗れたことになるが、この結果にはちっとも驚かない。はじめからロッテが勝つだろうと予想していた。今のセリーグでは中日でも巨人でも阪神でも、どのチームが日本シリーズにでてきてもパリーグには勝てない。数年前から言い続けているが、今はパリーグの野球のほうがレベルが高いのである。今年の交流戦の成績がそれを証明している。上位5チームはすべてパリーグだった。

セリーグは横浜、広島、ヤクルトの成績が悪すぎる。これがリーグ全体のレベルを下げている。その弱体化が端的にあらわれているのが打撃力の低下。パリーグの力強い攻撃に比べるとかなり見劣りがする。なぜ、そうなったかというとセリーグにはいい投手が少ないから。球場に足を運んでそのピッチングをみたいのはざっと見渡して、広島の前健しかいない。

これに対してパリーグにはいい投手がごろごろいる。ダルビッシュ(日ハム)、杉内、和田、馬原(ソフトバンク)、涌井(西武)、成瀬、小林、唐川(ロッテ)、岩隈、田中(楽天)。リーグにいい投手がいるといい打者が育つことは昔からいわれている。対戦する相手チームのエースを打ち崩そうとバッターは技術を磨き頑張るのである。で、リーグ全体の野球のレベルがアップする。

原巨人もリーグが活性化しないので、へたってきた。横浜、広島の2球団が現状の弱さのままだとパリーグの優位は当分続く。大方の野球ファンはこのことはわかっているのに、セリーグのオーナーはじめ球団関係者はプライドが高く、現実を直視してないから危機意識もないだろう。また、巨人ファンや阪神ファンも満員の球場で野球がみれるのだから、とても楽しい。交流戦でパリーグのチームに負けたってちっとも気にならない。

民放TV局の野球中継は最近めっきり減ったが、放送するときは相変わらず巨人戦中心。また、お馴染みの提灯記事のスポーツ紙も一面はジャイアンツとタイガースの記事で商売していることに変わりない。セリーグはいつまでも目が覚めないからどんどん地盤低下する。となると、野球を観戦するなら地元に密着したパリーグの試合ということになるのではないか。

早大の斉藤は日ハムへ、大石は西武と有望な新人投手がまたパリーグのチームに入団する。岩隈は大リーグ入りでいなくなり、離婚騒動で揺れるダルビッシュもこれをかたづけて2年後に海を渡るのは確実だが、その後は田中マー君、涌井、唐川、斉藤、大石、菊池あたりがリーグを盛り上げる活躍をするだろう。プロ野球の勢力図は大きく変わっていく。

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2010.11.07

やっぱり楽しい‘村上豊展’!

2107_4      ‘森の女’

2108_2      ‘若菜つむ’

2109_2      ‘月に遊ぶ’

2110_2      ‘ぼたん雪’

目白の野間記念館へでかけ‘村上豊展’(10/30~12/19)を楽しんだ。村上豊の回顧展を体験するのはこれで3度目。07年4月のとき(拙ブログ07/4/10)や銀座・和光の‘色 村上豊’(07/11/20)と同様、ソフトシュールの母子や郷愁をそそる風景に200%釘づけになった。

魅了され続けているのがシュールタッチで描かれた裸婦や母子の絵。最初の部屋に
07年の作品3点を含む7点が展示されている。お気に入りは‘月光’と‘森の女’。‘森の女’はシュールさとエロチシズムが同居している絵。顔をこちらに向けて横たわっている女の下半身は不思議なことに細い枝に葉っぱをつけた木で埋め尽くされている。こんな森の精なら、喜んで誘惑されたい。それにしても後ろにのびている手が異常に長い。

‘若菜つむ’の母娘の表情をみると心が和む。‘こどもたちの夢’のコーナーにはこういうあたたかい絵やユーモラスな絵が32点ある。桃太郎や金太郎もいるし、お雛様やおままごとで遊ぶ女の子たちもいる。絵というのはありがたいもので、瞬間的に小さいころにタイムスリップし、四季折々の懐かしいイベントやお祭に参加させてもらったような気分になった。

風景画で足がとまったのは二枚組みの襖‘月に遊ぶ’。3年前これをみたとき、とても新鮮だった。黄色い月が中央に大きく描かれて、左部分に三角に配置された家々がみえる。月は中心をはずした上のところに描くのが普通。でも、この月はそれほど違和感がない。だいぶ離れたところからズーム感覚で月を眺め、その向こうに村の光景をみているよう。

また、‘ぼたん雪’が心に響く。寒いのが苦手なので冬は動きが鈍くなるが、雪の絵は頻繁にみている。応挙の‘雪松図’もすばらしいが、村上豊のこの絵も日本の冬をじーんと感じさせてくれる。

人気小説やTV番組や絵本の挿絵が今回いくつもでている。ざっとあげてみると、
‘江戸を斬る’(1975)、‘本朝奇談 天狗童子’(2006)、‘かぐやひめ’
(1979)、‘かばさん’(1991)、‘よっぱらったゆうれい’(2003)、‘陰陽師 首’
(2003)、‘新・義経物語’(2004)。

夢枕獏の‘陰陽師’をいつか読もうと思っているが、挿絵が背中を押してくれそう。

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2010.11.06

二度目の東京富士美名品展 ‘日本画に見る四季の美’!

2104_2       上村松園の‘美人観音’

2105_2       鏑木清方の‘春宵’

2106_2       川合玉堂の‘雪月花・朝雪’

2103_2       川端龍子の‘雪月花・池心’

東京富士美はまだ行ったことがないのだが、日本画に関しては一度、館蔵名品展を呉市美でみたことがある。今から12年くらい前のこと。ニューオータニ美(ホテルのなかにある)で開催中の‘日本画に見る四季の美’展(10/16~11/28)のチラシに載っている上村松園の‘美人観音’はそのとき対面した。だから、この展覧会はパスしてもいいのだが、ぐるっとパスが使えるし、プラスαを期待して足を運んだ。

作品は28点。ここはいつもこのくらいの数なので慣れたもの。が、12年前のデジャヴュをみる感じだからちょっと面食らった。六曲一双の屏風、竹内栖鳳の‘獅子’と横山大観の‘春秋’が再度現れた。ひょっとすると、、、初見のものは大観2点、鏑木清方3点、橋本雅邦1点、菱田春草1点など10点。残りは前回みたものだった。

東京富士美は他館へ貸し出すときは自慢のラインナップを決めていて、コアの絵を7割方固定し、残りを変えているのだろう。作品自体はいい絵が多いから、頭を切り替えて楽しむことにした。

最初に出迎えてくれるのが上村松園(1875~1949)の絵。これは昨年日本橋高島屋であった‘上村家三代展’(拙ブログ09/3/5)に‘菊寿’(今回展示なし)とともに展示された。真にうっとりする美人画とはこのこと!

鏑木清方(1878~1972)は充実の7点。‘美人四季’は3度目なので、初見の3点に体が寄っていく。とくにじっとみていたのが構図に魅了される‘春宵’。図版で惹かれていたが、本物は期待値どおりの絵だった。清方の美人画にぞっこんだから、とてもいい気持ち。

川合玉堂(1873~1957)の‘朝雪’と川端龍子(1885~1966)の‘池心’は前回感激した絵。大観、玉堂、龍子は昭和27年(1952)から合作‘雪月花’で3年コラボした。その第1回目の作品が3点でている。大観(当時83歳)は花を題材にして‘夜桜’を描き、玉堂(79歳)、龍子(67歳)が夫々雪、月で持ち味をだした。3人はこのあと昭和30年には‘松竹梅’を描いている。

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2010.11.05

流石、三井記念美 内容の濃い‘円山応挙’展!

2100_2      ‘淀川両岸図巻’(部分)

2099_2    ‘雲龍図’(左隻 重文)

2102_2     ‘竹雀図屏風’(左隻)

2101_2     ‘雪松図屏風’(左隻 国宝)

現在、三井記念美で開催中の‘円山応挙’展(10/9~11/28)は作品の数より質を重視した展覧会。今回でている円山応挙(1733~95)の絵は19点ある眼鏡絵を仮に1つの絵としてみると、22点しかない。後期(11/9~29)に出品されるのが7点あるから、前期(11/7まで)だけ出かける人は15点を1200円払ってみることになる。

この料金は高い?そんなことは決してない。数は15点と少ないが(実際は眼鏡絵10点プラス14点の24点)、その多くが野球でいうと3、4、5番の主軸バッターなのである。とにかく内容が濃い。三井記念美が誇る国宝‘雪松図屏風’が‘みんな集まって!’と全国の仲間に声をかけたら、‘OKでーす。三井の旦那のためにお江戸・日本橋へでかけますか’と名画中の名画がいそいそとやって来たという感じ。

川の青が目にしみる‘淀川両岸図巻’(アルカンシェール美)をゆっくり」移動しながらみるのはとても楽しい。帆に風をいっぱい受けて4隻の舟が進むところでは思わず足がとまる。川面の白いさざなみがじつに美しく、すがすがしい気持ちになる。川ばかりに目をやっていると、川岸のおもしろい描写を見逃す。見てのお楽しみ!

チラシに載った絵のなかでまたじっくりみようと思ったのは‘雲龍図’。この龍の傑作をみるのは幸運なことに4度目。4年前、奈良県美であった‘応挙と芦雪’展(拙ブログ06/11/25)にも登場した。画像は龍が玉をもっている左隻のほう。いろいろある龍の絵のなかで鱗に覆われた胴体がこれほど丸みとボリューム感があるのはほかにない。また、顔や胴体のまわりにとびかう白い帯のようなものが黄金の髭と同様、強く印象に残る。この龍図は何度みても画面に釘付けになる。

静岡県美の所蔵する‘竹雀図’はとても気に入っている。手前にある竹は濃く、遠くにある竹は薄く描き、奥行きのある空間をつくるのは長谷川等伯の‘松林図’とよく似ている。右の竹は雨に打たれ、左では風に揺さぶられている。そのなかを可愛い雀が飛び交う。心が静まる絵である。

雪が木の枝に積もった同じ絵でも、‘雪梅図襖’(重文 草堂寺)のほうは寒いので手を前ですすりながらみる感じなのに、‘雪松図’は背筋をしゃんとのばしてみようかという気になる。松の葉や枝に積もった雪は輝いており、これぞ究極の白の美!右の雄松(05/10/14)より左の雌松のほうが雪はたっぷりある。この雌松は気品がありすぎていつも枝振りのいい盆栽をイメージしてしまう。

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2010.11.04

クリーンヒット! サントリー美の‘蔦屋重三郎’展

2097      喜多川歌麿の‘女達磨図’

2098      喜多川歌麿の‘百千鳥狂歌合’

2095_2         東洲斎写楽の‘四世松本幸四郎の山谷の肴屋五郎兵衛’

2096       東洲斎写楽の‘大童山土俵入り’

サントリー美で昨日からはじまった‘蔦屋重三郎’展(11/3~12/19)をみてきた。副題は‘歌麿・写楽の仕掛け人’とある。浮世絵、とくに歌麿や写楽の絵に関心がいきだすと、蔦屋重三郎(つたやじゅうざぶろう)というやり手出版プロデューサーにも興味がわいてくる。

2年前、太田記念美が‘蜀山人 大田南畝’展(拙ブログ08/6/8)をやり、今度はサントリー美が蔦屋重三郎(1750~97)に光を当ててくれた。美術館同士のとてもいいコラボレーションだと思う。来年は東博で大写楽展(4/5~5/15)があるから、この時期蔦屋重三郎の展覧会を体験できるのは有難い。

蔦重が版元としてどれだけいい仕事をしたかはずらっと揃った出版物をみるとすぐわかる。この男にはどの絵師がとびぬけた才能をもっているかを見抜く能力があり、絵師の才能を新機軸の絵や本にして売りだし、江戸の人々をおおいに楽しませた。TSUTAYAの創業者が‘今蔦重’になりたいと思ったのも無理はない。

蔦重に関することは展覧会をみて図録に目を通したり、‘お気に入り本’に載せている松木寛著‘蔦屋重三郎’(02年9月、講談社学術文庫)や野口武彦著‘蜀山残雨’(03年12月、新潮社)、沓掛良彦著‘大田南畝’(07年3月、ミネルヴァ書房)などを読むと理解が一層進むことは請け合い。

さて、お目当ての絵のことである。3年前栃木市で見つかった肉筆画‘女達磨図’を幸運にも東京でみることができた。赤い着物の太い墨の輪郭線が達磨をすぐイメージさせる。着せ替え人形ではないが達磨の顔を女の顔にとっかえた感じである。これがみれたので次は今年7月28日の朝日新聞に載った新発見の肉筆2点、‘三福神の相撲図’と‘鍾馗図’。これも栃木県内で発見されている。栃木市は年内にも一般公開するようだが、期待が高まる。

歌麿の狂歌絵本の大半は蔦重が版元になっているが、とくに‘画本虫撰’、‘潮干のつと’、‘百千鳥’がすばらしい。虫や花鳥、貝をみる歌麿の観察力と緻密な写生力にはほとほと感心させられる。この画力には北斎も敵わない。‘百千鳥’にみられる鳥の羽の質感描写を夢中になってみた。

蔦重が歌麿のあとタッグを組んだのが写楽。大首絵という斬新な役者絵でライバルの歌川豊国や勝川春英をねじふせた。期間中、写楽は大首絵15点を含む22点がでてくる。そのなかで‘山谷の肴屋五郎兵衛’と‘大童山土俵入り’に惹かれている。この大童山、誰かに似てない?そう若乃花のお兄ちゃん!これをはじめてみたとき、すぐお兄ちゃんが頭をよぎった。

展示替えがあるのでまた出動することになりそう。

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2010.11.03

もっと見たい中国美術の名品! 工芸

2094_3       ‘三彩騎駱駝俑’(唐時代 8世紀 北京・故宮)

2093_2         ‘祖乙尊’(西周時代 紀元前11~10世紀 台北・故宮)

2092_2            ‘七宝耳つきの大瓶’(明時代15世紀 北京・故宮)

2091_3          ‘碧玉ごう魚花差し’(清時代 18世紀 台北・故宮)

日本で度々開催される中国美術展に期待するものは唐三彩と青銅器と玉彫刻の三つ。いずれも日本の美術館では見る機会が少なく、名品があるのはごく一部の美術館に限られているもの。で、中国美術展は本場のお宝をみる絶好のチャンス。

中国から毎回サプライズのものがどっさり出品されるわけでもないけれど、目を奪われる玉などに接することがあるからいつも期待してでかけている。これが日本から台北および北京の故宮に足を運んでの鑑賞となると、あまりの名品揃いに感激しっ放し状態になることは台北で体験済み。

まだ縁がない北京の故宮で見たい度の大きいものは唐三彩の駱駝。東博とか松岡美、永青文庫、静嘉堂で駱駝の俑をいろいろみてきたが、この西域人を乗せた駱駝に施されている緑、黄褐、白は特別鮮やかな感じがする。また、動きのあるポーズにも惹きつけられる。いつか対面したい。

青銅器は根津美にいいのがあるから中国展でもそうびっくりすることもなくなったが、西周時代前期につくられた青銅の尊(酒を盛る器)には感動させられそう。とても古い時代のものなのにコンディションはよさそうで、中国古代神話の怪獣を象ったとうてつ文は存在感がある。

七宝も玉彫刻同様、すごく関心がある。が、心を虜にするような超名品にまだ出くわしたことがないから、北京にある青が美しい大瓶への期待値は高い。はたして?

玉彫刻の傑作というと翡翠の‘翠玉白菜’(拙ブログ09/1/30)がつとに有名。この次に魅せられているのが‘碧玉ごう魚花差し’。この魚の垂直に立つフォルムも夢中にさせる。ごう魚は龍魚のことで魚が龍に変わるところを表現している。‘登龍門’は出世の象徴だから、この文様は人々から好まれた。

(ご案内)
左の欄の‘お気に入り本’を大幅に更新しました。いつも近くに置いておきたい36冊は再載してますが、100冊は新規に選んだものです。今回は浮世絵関連の本を多くし、佐藤雅美さんの江戸物小説もとりあげておきました。また、ここ数年熱心に読んでいる行動経済学の本(最後のところ)もセレクションしました。

数としては西洋美術の本が多くなってますが、美術・芸術論、お気に入り画家のモノグラフを中心に構成してます。ご関心のものがありましたら、参考にしていただきたいと思います。

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2010.11.02

祝 ジャイアンツ 56年ぶりにワールドシリーズ制覇!

2090今年の大リーグ、ワールドシリーズは今日の試合でジャイアンツがレンジャーズに勝ち、4勝1敗で56年ぶりにワールドチャンピオンになった(6度目)。拍手々!

レンジャーズは本拠地での胴上げを阻止しようとエース、リーを登板させ必勝を期したが、ジャイアンツの若きエース、リンスカムに打線が封じ込まれ巻き返しはならなかった。

6回まで両エースの投げあいで点が入らずいいゲームだったが、7回表ジャイアンツはヒットを2本続け得点のチャンス。リーは2アウトまでとったが、当たっている8番のレンテリアに3ランホームランを打たれてしまった。その裏レンジャーズはソロホームランで1点返したが、これが精一杯。

ジャイアンツの勝利は投手陣の好投につきる。皆若い。長髪のリンスカムは26歳だし、昨日投げたのは21歳。リンスカムは上背があるわけではなく胸も分厚くないが、体を弓のようにしならせて投げるストレートやカーブには威力がある。野茂のトルネード投法を彷彿とさせる投げ方は見てて気持ちがいい。

ワールドシリーズに駒を進めるのは昨年同様ヤンキースとフィリーズというのが戦前の予想だったが、レンジャーズとジャイアンツ(ともにリーグの西地区)に敗れてしまった。レンジャーズは強力な打線で、ジャイアンツは投手力で勝ち残った。

こういう短期決戦はやはり投手力のいいチームが勝利をものにする。ジャイアンツは8年前、あのボンズがいたときワールドシリーズに進出しエンゼルスと7戦まで戦ったが、あと一歩のところで敗退した。56年ぶりの優勝は本拠地がNYからサンフランシスコに移ってはじめてのこと。今頃サンフランシスコの街は大騒ぎだろう。

チームを率いたボーチー監督は98年パドレスの監督をしているときヤンキースとチャンピオンを争ったが1勝もできずストレートで敗れ去っているから、この優勝はさぞかし嬉しいだろう。選手も監督もコーチも皆いい顔をしている。勝者に乾杯である。

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2010.11.01

もっと見たい中国美術の名品! 絵画

2086_2             郭熙の‘早春図’(北宋時代 1072年)

2087_2             范寛の‘谿山行旅図’(北宋時代 11世紀)

2088_2            梁楷の‘仙人図’(南宋時代 13世紀)

2089_2       蘇漢臣の‘秋庭戯嬰図’(部分 南宋時代 12世紀)

昨年のはじめ‘もう一度見たい台北故宮の名品!’(拙ブログ09/1/30)を書いたときは、08年に大改築した故宮博物院へ行こうという気分はかなりあったのだが、今は欧州旅行の優先順位を上げているためトーンダウン。でも、小松で発見された堆黒盆のお宝を目の当たりにすると、中国美術への関心がむくむくとわいてくる。

92年の故宮博訪問で強く印象に残っているのはやきものと玉の名品と珍玩。水墨画はみたことはみたが、惹きつけられて鑑賞したイメージが薄く、名画の価値がわかっていなかった。中国絵画に開眼したのは10年くらい前。東博の平常展で水墨山水画を鑑賞したり、根津美であった‘南宋絵画展’(04年)や‘明代絵画と雪舟展’(05年)を体験し、少しずつ目が慣れてきた。

日本の美術館には北宋時代(960~1127)に描かれた作品をみる機会はほとんどない。東博にあるのは南宋時代(1127~1279)以降のものがほとんどで、北宋の絵はあった?という感じ。大阪市立美に北宋の絵がいくつかあることは知ってはいるが、まだお目にかかってない。

故宮にある北宋の絵で最も有名なものは郭煕(かくき)の‘早春図’と范寛(はんかん)の‘谿山行旅図’。図版をみているだけでも岩山が垂直に切り立つすごい絵だなと感じられるのだから、本物の前では相当圧倒されそう。日本では味わうことのできない北宋の絵なのでじっくりみてみたい。

中国には南宋時代に活躍した牧谿の絵はあまりないが、馬遠や馬麟、夏珪、梁楷(りょうかい)の絵はちゃんと揃っている。これらはお馴染みさんだから、リラックスして楽しめるだろう。期待の絵は梁楷の‘仙人図’。にこっとした目がMOAにある‘寒山捨得図’(07/2/14)のそれにそっくり。

可愛い子供の絵‘秋庭戯嬰図’は‘週間 世界の美術館 国立故宮博物院’(講談社、09/12/3)に載っていた。同じくみたくてしょうがないのが美人群像画‘宮楽図’(唐時代 8~9世紀)。この絵は故宮の図録に載っているのに、みたことをすっかり忘れているのだからなんとも情けない。次回の訪問ではしっかり目に焼きつけるつもり。

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