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2010.10.15

アートに乾杯! とても笑える絵(西洋画)

2023_2     ボスの‘聖アントニウスの誘惑’(部分、リスボン国立美)

2024_2        アンチンボルドの‘司書’(スウェーデン スコークロステル城) 

2025_2     ドーミエの‘立法腹部’(ワシントン・ナショナル・ギャラリー)

2022_2     ミロの‘アルルカンのカーニバル’(バッファロー オルブライト=ノックス美)

西洋では宗教画や歴史画が長いこと絵画の主流だったから、中世からルネサンス期において日本の‘鳥獣戯画’のような腹の底から笑える絵にお目にかかることはまずない。だが、まったくないわけではなく、少しある。それはダ・ヴィンチより2年前に生まれたボス(1450~1516)とアンチンボルド(1527~1593)の絵。

ボスの絵は代表作の‘快楽の園’(プラド美、拙ブログ07/3/21)でもほかの絵でも、その画面は幻覚と怪奇一色につつまれているから、地獄絵をみているのと同じで精神状態はかなり緊張する。だから、笑える場面などあったかいな?と思われるかもしれないが、ところどころに‘オオオ、これはおもしろい’と笑ってしまう描写がある。

ここに取り上げたのは‘聖アントニウスの誘惑’の左パネルの部分。ガリバーみたいなデカイ体をした男が膝をつきお尻をこちらにむけて座っている。じっとみるとおもしろいことになっている。股のところが家の入り口で、背中の部分が屋根。左足の太股の横では女が窓から顔をみせている。これはシュルレアリスムの絵でお馴染みのダブルイメージ。ボスの豊かな想像力にはほとほと感心する。

アンチンボルドの‘司書’を所蔵しているのは昨年、Bunkamuraで開催された‘だまし絵展 奇想の天国’に出品された‘ルドルフ2世’(09/6/14)と同じスウェーデンの
スコークロステル城。これをTASCHEN本ではじめてみたときはあっけにとられた。そして、だんだん可笑しさがこみ上げてきた。描かれているのは司書だから腕、胴体、顔、頭を皆本で形づくっている。とくに目を見張らされるのが頭の髪を開いた頁で表現しているところ。これは本当に笑える!

オルセーで体験したフランスの風刺画家、ドーミエ(1808~1879)の戯画は今でも強く心のひだに刻み込まれている。大胆にデフォルメされた政治家の顔、顔、顔は忘れようにも忘れられない。どこの国でも政治家を揶揄したカリカチュアは一般市民には喜ばれる。ワシントンのナショナル・ギャラリーにある‘立法腹部’は一人々がいかにも政治家面をしている。漫画肖像画ほど楽しいものはない。

赤塚不二夫の漫画をみているような気分になるのが大好きなミロ(1893~1983)の‘アルルカンのカーニバル’。これは‘もっと見たい名画’(09/1/16)でも紹介したが、200%惚れている絵。まだみてないのでいつも何とかしなくてはと思っている。

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