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2010.10.07

‘ハンブルク浮世絵コレクション展’はお楽しみ満載の里帰り展!

1994_2        鈴木春信の‘三十六歌仙・源宗于朝臣’

1995_2         喜多川歌麿の‘高輪の美人’

1996_2      歌川国芳の‘道外化もの夕涼’

1997_2      魚屋北渓の‘三十六禽続・猫’

太田記念美で行われている‘ハンブルク浮世絵コレクション展’(10/1~11/28)を楽しんだ。海外の美術館が所有する浮世絵を公開する、いわゆる里帰り展は今では浮世絵鑑賞の楽しみの一つになっている。ここ数年でみてもボストン美、ギメ美など毎年のように開催され高い評価を得ている。

昨年はギリシャの外交官マノスが蒐集したすばらしい名品(拙ブログ09/7/5)が目を楽しませてくれた。今回、ハンブルク美術工芸博物館から200点あまりがやってきた。これまで浮世絵本でこの美術館がもっている作品はみたことないので、リスク半分という気分があるのは否めない。が、この心配は入館するとすぐ消えた。流石、太田美!

会期はⅠ期(10/1~17)、Ⅱ期(10/19~11/7)、Ⅲ期(11/9~11/28)に分けられ、作品は4点を除き全部入れ替わる。Ⅰ期は72点。入館料は1000円なのだが、半券をみせると次回は200円引きになる。はじめからいいのを見せられるとあと2回も見逃すわけにはいかない。予想以上のサプライズに心もはずむ。

こういう里帰り展で最も関心があるのが春信(1725~1770)と歌麿(1753~
1806)、まだ見たことのないものに遭遇することが多いのですぐ‘見るぞ!モード’に火がつく。春信6点のうちⅠ期は‘三十六歌仙’の2点。‘源宗于朝臣’は三味線の音や手まりをつく音が聞こえてくるよう。柱のところにある達磨の置物をみると自然に肩の力が抜ける。

歌麿は会期中10点登場する。‘高輪の美人’がとてもいい。色白美人で扇子をいじる手が可愛らしい。この隣の絵も楽しめる!大首絵の美人画にぞっこんだが、三枚続の風俗画も心を惹き付けてやまない。Ⅰ期の‘婚礼之図’と‘婚礼色直し之図’も画面に吸い込まれるが、図録をみて美欲をそそるのが‘江戸名物錦画耕作’(Ⅲ期)と‘美人子供行列’(Ⅱ期)。とくに‘江戸名物錦画耕作’はエドモン・ド・ゴンクール著‘歌麿’(東洋文庫、05年12月)にも紹介されている絵なので気がはやる。

歌川国芳(1797~1861)の収穫ははじめてお目にかかる‘道外化もの夕涼’。まだこんなおもしろい絵があったのか!という感じ。今年の夏は猛暑続きだったから、化物たちもそこかしこでデレッと夕涼みしていたにちがいない。そして、Ⅱ期にでてくる‘摂州大物浦平家怨霊顕るゝ図’にも胸が高まる。これは手持ちの図録や浮世絵本にも載っていない。

市販の浮世絵とはちがう仲間うちに配った摺物は本当に楽しめる。凝った摺りと綺麗な色使いで対象が精緻に描かれた一品は上物浮世絵といったところ。足がとまったのは魚屋北渓(1780~1850)の猫の絵。猫は向こうをみているが、耳の後ろの線は空摺りでだしている。また、蝶の羽の黄色とうす青が目に心地いい。

残りの作品をすぐにでも見たい気持ちである。

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