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2010.10.24

‘南宋の青磁展’は10年に一度クラスの大やきもの展!

2059_2         ‘青磁鳳凰耳瓶 銘萬聲’(国宝 龍泉窯)

2060_2        ‘青磁鳳凰耳瓶 銘千聲’(重文 龍泉窯)

2061_2      ‘青磁槌形瓶(砧形瓶)’(重文 龍泉窯)

2058_2      ‘青磁輪花鉢’(重文 官窯)

現在、根津美で開催中の‘南宋の青磁展’(10/9~11/14)は10年に一度クラスのすごい展覧会。65点ある青磁は国宝2点、重文7点を含む超一級のものがずらっと揃っている。

龍泉窯でやかれた鳳凰耳瓶は9点あるのだが、国宝の‘萬聲’(ばんせい 和泉市久保惣記念美)と重文の‘千聲’(せんせい 陽明文庫)が一緒に展示されるのは1999年にあった‘神品とよばれたやきもの 宋磁展’(東武美、大阪市立東洋陶磁美、山口県立萩美・浦上記念館)以来のこと。

世界中から宗代(960~1279年)につくられた陶磁器の名品が結集したこの宋磁展には南宋(1127~1279年)の青磁が19点展示された。その12点が再度同じ展示室に並んでいるのである。まったくすばらしい。流石、根津美!

‘萬聲’をみるのは3度目。玉を思わせる澄んだ淡青色がとても美しく息を呑んでみた。その形はみればみるほど吸い込まれる。とにかく筒形の頚部とふっくらとした胴のバランスがいい。ここにある鳳凰耳瓶はいずれもトップクラスのものであることはわかっているが、それでもこの‘萬聲’の完璧な造形美は際立っている。

陽明文庫が所蔵する‘千聲’は2年前にあった‘近衛家1000年の名宝展’(拙ブログ08/1/10)に出品されたから、記憶に新しいところ。‘萬聲’よりひとまわり小ぶりのこの砧青磁の魅力は空の色を連想させる明るいうす青色と表面にできた白の細い貫入。‘萬聲’は深く重厚な美につつまれているのに対し、こちらは清々しく雅な趣がある。こんな名品を並んでみれるなんて夢のよう。

肩がまるくて太鼓胴のようなふくらみがとても気に入っている‘槌形瓶’(梅澤記念館)とは16年ぶりに再会した。これはまさに砧形の瓶。2点ある‘筒形瓶’より、こういう下がまるくて安定感のあるもののほうがみている時間が長い。蕪を連想させる国宝の‘青磁下蕪形瓶’(龍泉窯 アルカンシェール美 07/12/21)は東博の平常展にわりとよく展示されるから、親しみを覚える。やさしくて気品のある青色が心を打つ。

官窯でやかれた青磁で惹かれているのは東博にある‘青磁輪花鉢’。これの見所は最も美しいといわれる二重貫入。黒く大きな貫入の合間をぬって白く輝く細い貫入が縦横に走っている様は心を虜にする。多くの作品のなかでこれをみると、やはりこの貫入はとびぬけて美しいなと思う。

満足度200%の展覧回だった。根津美に感謝!

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コメント

 ‘萬せい’のお写真が、本物のイメージに近くステキです。

投稿: Baroque | 2010.10.24 23:18

to Baroqueさん
じつは展覧会で買った図録は今回1点も使って
ません。手元にある美術本と過去の図録から
本物に一番近い色がでている図版を載せました。

‘萬聲’で気がついていただいたので、とても
嬉しいです。時間をかけた甲斐がありました。

投稿: いづつや | 2010.10.25 18:05

遅まきながら南宋青磁を拝見してきました。
本当にすごかったです!!
何しろ青磁鳳凰耳瓶、青磁鯱耳瓶だけで9点
並んでいたのは圧巻でした。
個人的好みでは和泉市より大阪市立東洋陶磁美術館所有の青磁鳳凰耳瓶です。

お庭の木々も程よく色づいて至福のひと時を過ごさせていただきました。 根津さんに感謝です。
Joyce

投稿: Joyce | 2010.11.13 00:10

to Joyceさん
南宋青磁展は一級の展覧会でしたね。
流石、根津美です。

東洋陶磁美のものもいいですね。
5,6年前出光であった青磁展で再会
しました。今回、これと五島美の2つ
の重文があると完璧でしたが。

根津美にはこれからも質の買い高い
やきもの展を期待したいですね。

投稿: いづつや | 2010.11.13 11:15

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