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2010.10.16

アートに乾杯! 微笑みの美学 Ⅰ

2029_2       カラヴァッジョの‘勝ち誇るアモール’(ベルリン 国立絵画館)

2026_2      ベラスケスの‘デモクリスト’(ルーアン美)

2028_2      ハルスの‘笑う少年’(ハーグ マウリッツハイス美)

2027_2  クールベの‘チェッカーをする男たち’(カラカス アドルフォ・ハウザー・コレクション)

人物を描くのはとても難しく、生きた人間の形になるまでには相当の修行をつまなければならない。ましてや世間から高く評価される作品となるとほんの一握りの才能に恵まれたものの手からしか生まれてこない。芸術家の仕事というのは真に厳しいものである。

これまで肖像画や人物画を沢山みてきたが、大体は前をきっと見据えたもので笑っている顔を描いたものはごく稀にしかない。だから、こういう絵は強く印象に残ることが多い。で、その微笑みが心を明るくしてくれる絵を集めてみた。まずは男性の絵から。

5月、ローマでカラヴァッジョ(1571~1610)の‘勝ち誇るアモール’(拙ブログ5/14)をみた。図版でずっとこの笑みに魅せられていたのだが、本物は期待通りの傑作だった。カラヴァッジョがこんな生感覚の笑顔をみせる少年を描いたのはミケランジェロが亡くなって40年くらいした経ってない1601年頃。まだ宗教画が主流の画壇にあって、こういう身近な人物の笑顔をこれほどリアルに描くというのは本当にすごいことだと思う。

カラヴァッジョの画風に影響を受けたベラスケス(1599~1660)にも笑顔が印象深い絵がある。‘バッカスの勝利’(プラド美、07/3/19)と‘デモクリスト’。バッカスの隣で笑っている男の表情がじつにいいが、デモクリストの性格のよさそうな笑顔にもすごく魅せられる。この絵はまだ縁がないが、大ベラスケス展がプラドで開催され見る機会があれば駆けつけたい。

カラヴァッジョの流れをくむレンブラント(1606~1669)の絵で極めつきの笑いがみられるのがドレスデン美にある‘サスキアといる自画像’(8/17)。そして、同じオランダ生まれのハルス(1581~1666)が‘微笑みの美学’を最も感じさせる画家かもしれない。‘笑う少年’や日本に昨年やってきた‘リュートを持つ道化師’(ルーヴル美、09/3/14)のような底抜けに明るい笑顔をみると自然に元気がでる。

クールベ(1819~1877)の‘チェッカーをする男たち’はまだみてないがとても気に入っている。08年パリのグランパレであった回顧展には残念ながら出品されなかった。それにしてもチェッカーをしている男たちの表情がじつにいい、もう嬉しくてたまらないという感じ。クールベはラ・トゥール同様、カラヴァッジョの風俗画のDNAをしっかり受け継いでいる。

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