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2010.10.09

大盛況 ‘上村松園展’(後期)!

2002_2            ‘序の舞’(重文、東芸大美)

2005_2            ‘風’(北野美)

2003_2        ‘雪’

2004_2       ‘晴日’(京都市美)

東近美で開催されている‘上村松園展’(後期9/28~10/17)は3日の日曜美術館で取りあげられたことが影響してか、館内には大勢の人がいた。開幕してから(拙ブログ9/8)切れ目なく日本画ファンが押し寄せているようだ。

後期に新たに登場する10点も名品揃い。‘序の舞’(東芸大美)や‘雪月花’(三の丸尚蔵館、展示は10/5~17、09/7/9)、‘灯’(出光美、08/9/21)、‘娘浮雪’・‘待月’(ともに足立美)、‘砧’(山種美)、‘晴日’(京都市美)など松園の回顧展には必ずでてくる定番の絵がひとつとして漏れてないが本当にすごい。

昨年芸大コレクション展で久しぶりにみた‘序の舞’(09/7/9)は扇子を握る右手にみられる緊張感と着物にほどこされた薄緑のグラデーションをきかせた雲の柄に視線が集中する。大きな絵だし、じっとみているとこの女性から発せられるオーラにつつみこまれる感じ。

日本橋高島屋で上村家三代展(09/3/5)が行われたが、図録に女優の司葉子と
上村淳之(松園の孫)の対談が載っている。松園の絵のことがでてくるので一部紹介したい。

司葉子:松園先生で好きな点はやはりお着物。あの美人画は明治時代とか大正時代のお着物の参考にもなるので非常に興味深く拝見していました。歌舞伎座にも松園先生の作品がかかっていて、女性の立ち姿がとてもすてきなので、あこがれて。

上村淳之:松園が取材をしたのは歌舞伎や能の舞台で、ふっと次に手が動くであろうとか、そういうあたりがうまく表現できていますね。芝居では、その瞬間の一番いい姿が型ですから。そういうのを勉強していますね。

司葉子:私たちはまた、お描きになった型をまねして、演技の参考にしてます。

上村淳之:松園は若い時には、現実の市井を描いていない。能楽との出会いの中でコンセプトを世阿弥の世界に求めたわけですよ。市井の生活を描くのは、自分を育ててくれた母親の姿が絵になる世界になり、晩年ようやく‘夕暮’などの作品を残しています。

会期中展示されている‘風’(北野美)は対面を長らく待っていた作品。今残っている追っかけ作品2点のうち1点をみることができたのは大きな喜び。動きのある描写に目が釘づけになるが、もっと驚かされるのが青の着物の下に白い肌が透けてみえるところ。これはボストン美のスポルディングコレクションにある歌麿の美人画を彷彿とさせる。

画面の半分に傘が描かれた‘雪’も心を揺すぶる。雪の絵ではこの絵と前期に出品された‘牡丹雪’(足立美)がとくに気にって入る。しんし(伸子)張りに精をだす女性を描いた‘晴日’をみるたびにある女性を思い浮かべる。誰に似ている?ズバリ、TBSの三雲さん! どうでもいいことだが、隣の方もすぐ同意してくれた。

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コメント

すてきな 対談 を載せていただきうれしいです。そうですか、松園の格調の高さは‘能’にありましたのね。具体的にはっきり世阿弥を意識していたとは 気がつきませんでした。御自身の内なるもの と 一致したのでしょうね。 

投稿: Baroque | 2010.10.10 19:16

to Baroqueさん
松園の美人画は手の動きや所作に内面性を
感じますね。

能の舞や芝居の型の話は新鮮だったものです
から、皆さんと共有しようと思いました。

投稿: いづつや | 2010.10.10 23:28

何年も前のブログにコメントもなんですが、松園の「風」は長野市の北野美術館の所蔵作品であり、水野美術館ではありませんよ。

投稿: いずほ | 2017.09.21 13:31

to いずほさん
誤りを指摘していただいてありがとうございます。
この北野美と水野美はよく間違えます。
なにしろ‘北’と‘水’ですから。

投稿: いづつや | 2017.09.21 20:14

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