名品をしみじみ鑑賞した‘茶道具の精華’展!
‘唐物円座肩衝茶入 銘 利休円座’
五島美では現在、所蔵やきもの展の第2弾‘茶道具の精華’展(8/28~10/24)が行われている。前回の‘陶芸の美’(拙ブログ7/16)に出品された‘鼠志野茶碗 銘 峯紅葉’や‘長次郎赤楽茶碗 銘 夕暮’なども引き続き展示されているので、今回だけ出かけられる方でもおおいに楽しむことができる。
ここへ来るのは‘国宝 源氏物語絵巻’展(11/3~11/28)はパスなので、期待の‘唐物文琳茶入 銘 本能寺’が出品される後期(9/28~10/24)が最後の訪問となる。そのあと2年間は館の改修工事のためお休み。根津美が所蔵するやきものの名品は8回開催してくれた開館特別展でお目当てのものは全部みれたし、ここ五島美でも名品の数々を楽しませてもらった。
都内にある美術館が所蔵するやきものでコンプリートをめざしてきたのは東博、三井、五島、根津、静嘉堂、出光、サントリー、畠山、戸栗、松岡の10館。だいたい見終り、今残っているのは‘本能寺’と畠山の2点のみ。幸運だったは未見のものが多かった根津が特別展を実施してくれ、五島が休館前にお宝やきものを全部みせてくれたこと。
茶道具展は五島美の得意とするところだから、茶碗でも花生でも茶入でも水指でもすばらしいのがここにもあそこにもあるという感じ。志野茶碗の‘銘 梅が香’は乳白色と赤味の取り合わせが目に心地いい。そして、明るい枇杷色が印象的な‘井戸茶碗 銘 美濃’にも吸い寄せられる。朝鮮時代のものではほかにもっこりした丸さが魅力的な‘熊川茶碗 銘 千歳’などがある。
ここは光悦のいい楽茶碗があることで有名。‘黒楽茶碗 銘 七里’と‘赤楽茶碗 銘 十王’。腰が丸くてつるつるしている‘十王’をみているといつも柿を連想する。これよりずばり柿の茶碗がサントリー蔵の‘銘 熟柿’。直線的に立ちあがった形の‘銘 七里’はところどころに泥がかかったよう。これがじつに渋い。
今年、やきものでとくに関心を寄せているのは茶入。茶褐色の美となだれの虜になっている。今回の収穫は唐物の茶入3点、スッキリした形が心を打つ‘肩衝 銘 利休円座’とちょっと大き目の‘大海 銘 稲葉大海’と下が膨れた‘茄子 銘 宗伍茄子’。後期にでる‘銘 本能寺’も見逃せない。
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