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2010.09.08

珠玉の名画をずらっと揃えた‘上村松園’展!

1930_2            ‘草紙洗小町’(東芸大美)

1933_2              ‘楚蓮香’

1931_2         ‘新蛍’(東近美)

1932_2              ‘晩秋’(大阪市立美)

昨日、東近美へ出かけ期待の‘上村松園’展(9/7~10/17)をみてきた。会期は1ヶ月ちょっとだから、のんびり構えているとすぐ終わってしまう。‘長谷川等伯’展(東博)や‘伊藤若冲 アナザーワールド’展(千葉市美)と同じように、‘会期は短いが代表作は全部みせます!’タイプの大回顧展である。

作品の数は前期(9/7~9/26)、後期(9/28~10/17)ともに76点。前・後期だけの作品が各々9点ずつあるが、大半は会期中出ずっぱり。最近の日本画の展覧会はビッグな回顧展ほど会期を細切れにしない、スッキリ展示が多くなってきた。西洋絵画の展示に似てきたのは嬉しいかぎり。

上村松園(1875~1949)の回顧展を体験するのはBunkamura(96年)、広島県美(03年)に次いで3度目。今回のチラシで‘珠玉の決定版’と謳っているが、このフレーズに偽りなし!学芸員は多くの作品のなかから、1点々時間をかけて検討し、展示の構成を考えたにちがいない。これぞプロの眼力。画集に載っている有名な絵は全部あるのだから、なんとも贅沢な展示である。

例えば‘序の舞’(後期、拙ブログ09/7/9)、‘母子’(09/7/9)、‘鼓の音’(09/3/5)、‘焔’(前期、08/9/28)、‘草紙洗小町’(前期、09/4/15)、‘雪月花’(展示
10/5~10/17、09/7/9)、‘楊貴妃’(松伯美)、‘砧’(後期、山種美)、‘花がたみ’(松伯美)、‘虹を見る’(京近美)、‘夕暮’、‘晩秋’、‘待月’(京都市美)、‘灯’
(後期、08/9/21)、、、

名品揃いなので選択に苦労する。そのなかで絵の前に長くいたものをあげてみた。感激が半端じゃないのが‘草紙洗小町’。昨年、やっとみれた憧れの絵がまた最接近してみれるのである。うす青緑や土色の着物の柄を食い入るようにみた。

初見で大収穫の作品が2点あった。松園が描く女性をみているときの心情は西洋画でいうとラファエロの聖母をみているときの感情に近い。優雅で気品に満ちているから、なんだかほわんとし、心が洗われる感じ。だから、こういう女性に声をかけられる雰囲気ではない。ところが、今回つい話たくなる女性がいた。松園の美人画で心がザワザワしたのははじめて。

鏑木清方の絵をみているような気がして顔がでれっとした絵は‘楚蓮香’。これまで‘楚蓮香’は4,5点みたが、これが最もいい。こんなきれいな美人画があったのかというのが率直な感想。心を惹きつけてやまないのは丸っこい目。衣装の色も鮮やかだから、もう200%うっとり気分。

もう1点、目が同様に魅力的で親しみを覚えるものがあった。最後のコーナーに展示されている‘初夏の夕’。そして、女性の手のしぐさにぞっこん参っているのが‘新蛍’。蛍は松園の絵によくでてくる。お気に入りの‘楚蓮香’には3匹、‘娘’には4匹、‘初夏の夕’や‘新蛍’では中央に1匹。小さい頃、蛍の明かりを目を輝かせてみたものだが、蛍はもう何年もみたことがない。

大作の‘晩秋’は普通の家庭でよくみられる光景が描かれているので、じっとみてしまう。手先の器用な女性はこういう障子の破れたところを綺麗に修理するが、がさつなものがやると形がゆがんだ伸子張りになる。丁寧に糊付けする手と横向きの顔をじっとみていた。

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» 「上村松園展」 [舗石をはぐと、その下は砂浜だ ‐裸足の足跡]
東京国立近代美術館で開催されている「上松松園展」に行ってきました。凛とした美人画で知られる松園の代表作百点余りを時代別に展示する、充実した展覧会です。 女性の感情を淡く繊細に描き込んだ初期の松園も、女性の感情や情念の表現を試みた大正時代の松園も美し... [続きを読む]

受信: 2010.09.20 02:06

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