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2010.09.02

お馴染みのポンピドー蔵シャガール展でも収穫あり!

1910          ‘日曜日’

1911     ‘虹’

1913     ‘彼女を巡って’

1912     ‘モーツァルト・魔笛’

東芸大美で開催中の‘シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い’展(7/3~
10/11)をみてきた。開幕して2ヶ月も経って出動したのは、出品作の多くをみているため期待値が普通だから。会期中に行けばいいと軽い気持ちなのである。

展覧会で出かけるのは画集や美術本に載っている名画や名品をみるため。だから、作家の有名な作品でまだみてないものへの期待が心のなかの8割を占領し、主催者が練りに練ったテーマについては2割しか関心がない。今回も東芸大美には申し訳ないが、シャガールとロシアアヴァンギャルドとの響き合いには心が向かわず、ポンピドーにあるシャガールコレクションのプラスαを期待していた。

シャガール(1887~1985)の絵は19点。これにビッグなオマケがついている。シャガールが1966~67年に制作したNY,メトロポリタオペラの上演作品であるモーツァルトの‘魔笛’の舞台装置と衣装デザイン50点、これは日本初公開。

オマケはさらっとみたが、そのなかでここに取り上げた‘背景幕第Ⅱ幕第30場フィナーレ’の目の覚める赤に足がとまった。音量を落として‘魔笛’を流していたが、このオペラは楽しいからとてもいい雰囲気。

最後の部屋にいい絵が揃っている。3点ある大作のひとつ‘日曜日’は‘ロシアとロバとその他のものに’(拙ブログ08/2/15)とともに今回の目玉作品。これは何年か前、世田谷美であったポンピドー蔵回顧展にやってきた。真ん中にみられる平坦な黄色の色面がとても印象的で、男女が寄せ合う丸い顔におもわず肩の力が抜ける。

タイトルに書いた収穫は‘虹’。これははじめてお目にかかった。馬の背に乗っている男と上で横を向いた鳥の間に白の半円帯が3つある。これが虹?なかなかおもしろい構成。右では鮮やかな赤の地にエッフェル塔がくにゃっと曲がった姿をみせている。

大作の前に並ぶ絵もシャガールの画集に載っているお馴染みの名画。‘家族の顕現’、‘赤い馬’、‘彼女を巡って’、‘空飛ぶアトラージュ’(これだけは福岡市美蔵)、‘村の魂’。‘彼女を巡って’はみるたびに左にいる男の顔にドキッとする。逆さにくっついているのである!

シャガールは体の一部を分離するのが得意。‘ロシアとロバ’では女の頭部は体から離れ、後ろ髪をなびかせて空をさまよっており、‘彼女を巡って’では男が顔を逆さにして何事もないかのように手に絵筆を持っている。

シャガールのような大画家の絵、それもポンピドーの一級のコレクションのなかから18点だから、これは贅沢すぎる展覧会。何度もみているとはいえ、いいものはいい。出動は遅くなったが、久しぶりの‘日曜日’と初見の‘虹’が心を晴れやかにしてくれた。
どうか、ポンピドーの誇るシャガールの傑作をお見逃しなく!

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