名品がずらっと揃った‘誇り高きデザイン 鍋島’展!
サントリー美で行われている‘誇り高きデザイン 鍋島’展(8/11~10/11)を楽しんだ。作品数145点は06年MOAであった鍋島展(拙ブログ06/12/7)の234点にはかなわないが、重文5点を全部揃えているので質的には同レベルのものといっていい。サントリーが企画するやきもの展は出光や五島同様、期待値にしっかり応えてくれる。
チラシに載っていた作品は1点を除いてこれまでみているものなので、今回はどれだけプラスαが登場するかに関心があった。作品の所蔵先をみるとこの展覧会のすごさがわかる。いい鍋島を所蔵していることで知られる美術館がずらっと名を連ねる。
今右衛門古陶磁美(32点)、サントリー(31点)、佐賀県立九州陶磁文化館(22点)、東博(13点)、林原美(9点)、出光美(6点)、田中丸コレクション、栗田美、鍋島報效会(ともに3点)、戸栗美(2点)、MOA,九博(ともに1点)。
鍋島に惹かれるのはその色鮮やかで洗練されたデザインとモティーフの大胆な構成。連続する更紗文の前では時間が経つのも忘れて夢中になる。6点あるうちお気に入りはここに紹介する初見の今右衛門古陶磁美蔵品。
動きのある図柄、例えば流水とか渦巻きと花を組み合わせたものや海の怪物をイメージさせる波頭と水車を響き合わせるものにも足がとまる。また、真ん中がまばゆいくらいに白く輝いている‘染付雲雷文大皿’(サントリー)をみると、天空を舞っているような気分になる。
収穫の一番ははじめてお目にかかった‘色絵大根文皿’(今右衛門古陶磁美)。青海波を背景にでれっとした大根がなんとも大胆に配置されている。上からかぶさってくる葉がとても立体的にみえ、皿の形と一体になっているのもすばらしい。
みていて心が踊るのは口径28~34cmの大皿。全部で26点ある。そのうち重文が5点。最も好きなのがMOAの‘色絵桃花文大皿’(06/2/28)。桃の皮の質感描写にいつもうっとりする。たっぷりある余白が詩情をそそる‘蓮鷺文三足皿’(06/12/7)にも魅了される。そして、折れ曲がってのびる藤棚をさらっと描いた感じの大皿(九博)の前にも長くいた。
展示室の一角に全然想定してなかった作品があった。14代今泉今右衛門が07年から10年に制作した4点。14代は注目している陶芸家なのでビッグなオマケに機嫌がいい。見てのお楽しみ!
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