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2010.08.24

‘三菱が夢見た美術館’展に橋本雅邦の‘龍虎図’が登場!

1874_2     橋本雅邦の‘龍虎図屏風’(右隻)

1875_2      ‘龍虎図’(左隻)

1876_2      ‘粉彩菊蝶図盤’

1877_2     ピサロの‘窓から見たエラニーの通り、ナナカマドの木’

先週か2週間前?の新聞広告に三菱一号館美で開催される‘三菱が夢見た美術館’展(8/24~11/3)がでていた。それをみてびっくり。なんとずっと待っていた橋本雅邦の‘龍虎図屏風’(拙ブログ08/1/19)が載っているではないか!

この展覧会のチラシには静嘉堂蔵の国宝‘曜変天目’(3/21)や野々村仁清作‘色絵吉野山図屏風’(3/21)は載っているが、雅邦の絵についてはなし。展示は急遽決まったのだろうか?そのあたりの事情はどうであれ、嬉しくてたまらない。目の前に突然人が現れ、‘この宝石を差し上げます’といわれたような気分である。

新しい美術館だから展示室のレイアウトに慣れないまま進んでいるが、心は‘龍虎図はまだかまだか’状態。3番目か4番目の比較的広い部屋にありました、ありました!ここには三菱が蒐集した自慢のお宝がどどっとある。

まずは‘龍虎図’(展示は8/24~10/3)から。龍と虎は2対2で対峙している。右隻の龍が生き物みたいにうねる雲やとびちる波しぶきに体の多くが隠れているのに対し、左隻の前にいる虎は体全部が描かれている。だから、激しい風のため大きくしなった竹とこの虎をみている時間のほうが長くなる。でも、よくみると後ろ足の形はなんか変で獰猛な虎にしてはしまりがない。

それにしてもこの絵は劇画チックでスペクタクル調。ゴールドの雷光が龍のほうから2本走り、両サイドでは雨を表す黒の細線が斜めにのびている。荒れ狂う波濤や渦巻とボリューム感のある雲を従えてやってきた龍が虎を精一杯威嚇するが、虎は低く構え、‘やってやろうじゃあないか、ちっとも怖くねえぞ’と応じる。あたりは雷鳴がとどろき風のヒューヒューという音がいっそう大きくなる。いざ、勝負!

普通だと世田谷の静嘉堂でしかみれない国宝‘曜変天目’は全期間ではなく、8/24~9/5だけの展示。丸の内界隈で仕事をしている美術好きサラリーマンにとっては願ってもない展示であろう。平日(水、木、金曜)は夜8時までオープンしているから、仕事帰りに楽しめる。東京に出張で来た人でも、東京駅と目と鼻の先にある美術館で星が天空にきらめくような‘稲葉天目’をみて感動する人だっているだろう。

今回、静嘉堂からは俵屋宗達の‘源氏物語関屋澪標図屏風’(国宝)を除くとお宝が目いっぱいでてくる。静嘉堂では2,3年かかって鑑賞することになるものがわずか2ヶ月半で効率よくみれるのである。これを見逃す手はない。やきものは名品がずらっと並ぶ。唐物茄子茶入3点(3/21)はめったに揃わないし、仁清の美しい色絵壺(重文)、‘井戸茶碗 越後井戸’(重文、9/7~11/3)、清時代の粉彩盤(8/24~9/5)、古伊万里の大きな十六角鉢も心を打つ。

近代日本画は雅邦の絵だけだが、西洋絵画、洋画にはっとするのがいくつもあった。流石、三菱コレクション。ピサロの明るい色使いの風景画がなかなかいい。ひょっとすると日本にあるピサロではこれが一番いいかもしれない。そして、目を奪われたのがルノワールの‘麦藁帽子の若い娘’。

これ以上に惹かれるのが図録に載っている‘長い髪をした若い娘’。これは9/28~
11/3の展示。ともに個人蔵だが、美術本や画集でみたことがない。こんないいルノワールの絵が日本にあったのか!という感じ。この絵目当てでもう一回出動することを即決めた。

洋画は岸田劉生の‘童女像’に魅せられる。これは再会を楽しんだが、プラスαの収穫は安井曽太郎の‘菊’とモネの‘日の出印象’を彷彿とさせる藤島武二の‘日の出’
(8/24~9/26)。また、山本芳翠の3点も興味深くみた。

作品の数はさほど多くはないが、質の高い絵画、歴史的に価値のある文献資料、古書、やきもの、工芸などが目を楽しませてくれる。こういう感動する目玉がつまった展覧会はやはり強く記憶に残る。開館記念展、第2弾も◎。

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コメント

情報ありがとうございます。
待ちわびていた橋本雅邦の龍虎図をやっと見られますね。
嬉しい限りです

投稿: いぬまゆ | 2010.08.25 07:25

to いぬまゆさん
雅邦の‘龍虎図’、やっとみれますね。チラシ
には全然その情報はなかったですから、新聞広告
をみてとびあがりました。やはり傑作でした。
お楽しみ下さい。

投稿: いづつや | 2010.08.25 10:17

いづつやさんは初日に行かれたようですね!
何となく静か堂や東洋文庫のイメージから東洋の作品が多いのではないかという気がしましたが、日本画は雅邦だけとはちょっと意外ですね。
三菱の夢見た美術館の全体像を僕は掴みたいのですが、いづつやさんは目的の絵画意外はパスだったのでしょうか?
何はともあれ混雑しないうちに出かけないとー

投稿: oki | 2010.08.25 23:25

to okiさん
ご承知のように展覧会のテーマにはあまり関心
がありませんので、お目当ての龍虎図をみれれ
ばそれでOKです。

今回は静嘉堂と東洋文庫のお宝を全部みせます
という感じです。こういう機会はめったにない
と思います。国宝の曜変天目が丸の内のど真ん
中にやってくるのですから、すばらしいです。

美術好きのサラリーマンは喜んでいるのでは
ないでしょうか。そして仁清の色絵壺。また、
日本画の‘四条河原遊楽図屏風’、円山応挙の
‘江口君図’、渡辺崋山‘遊魚図’の3点が
10/5~11/3展示されますから、本当に
静嘉堂のお宝が勢ぞろいです。

洋画でも西洋絵画でも三菱関係の企業や個人が
所蔵しているものは流石質が高いです。今でてい
るルノワールもいいですが、9/28から登場する絵
は日本にあるルノワールのトップ5に確実に入りま
すね。

これはまったく知りませんでした。この絵の
ためにもう一度でかけます。お気に入りはブリ
ジストン、吉野石膏、ポーラが所蔵する3点だ
ったのですが、この絵が加わりそうです。

投稿: いづつや | 2010.08.26 11:56

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