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2010.08.13

息を呑む美人画が揃った‘日本美術のヴィーナス’展!

1838_2             勝川春章の‘桜下三美人図’

1836_2      菊池契月の‘少女’

1839_2      鏑木清方の‘たけくらべの美登利’

1837_2      伊東深水の‘通り雨’

出光美で現在開催中の‘日本美術のヴィーナスー浮世絵と近代美人画’(7/31~
9/12)は興味をそそるテーマだけにパスするわけにはいかないが、ここの浮世絵はおおよそ見終わっているから前のめり気分ではなかった。

浮世絵は予想通りの絵がでている。チラシに使われている喜多川歌麿(1753~
1806)の肉筆画‘更衣美人画’(重文)は昔からよくみているが、版画の美人大首絵に比べると心は向かってない。ここの肉筆の一番の楽しみはなんといっても勝川春章
(1726~92)の‘美人鑑賞図’(拙ブログ06/12/8)。今回は5点ある春章からもう一点‘桜下三美人図’がでている。

三美人図は西洋画の‘三美神’のように一人は後ろ向きで、3人はサークルを描くように立っている。背景に流れるS字の川と女たちの上にある桜の配置がとてもいい。じつはこの絵はマドリードにあるプラド美が所蔵するルーベンスの絵と構成がよく似ている。ひょっとして春章は長崎から入ってきた版画などで三美神の絵を知っていた!?

近代美人画はサプライズの連続だった。okiさんから菊池契月(1879~1955)の絵がでていることを聞いていたが、4年前長野でみた‘少女’(京都市美、06/6/9)があるとは思わなかった。流石、出光!思わずうなってしまった。

名画とはじめて対面するときはかなり興奮状態にあるから、絵を冷静にみてないことがある。あたりまえのことだが美人画では顔に視線は集中する。そして、白い手と足に。でも、前回は着物の柄までみてない。ペアの鳥や貝殻、花びらなどの紋様がなかなかいい。‘少女’と並んで回顧展に出品されていた‘朝爽’(京近美)と‘友禅の少女’(京都市美)があるのもすばらしい。

近代美人画の名手といえば上村松園(1875~1949)。出光にも‘四季美人図’と‘灯’(08/9/21)がある。収穫は縦長の絵‘冬雨’。個人蔵とはいえこんないい絵がまだあったのか!という感じ。後期(8/24~9/12)に登場する3点はまだお目にかかってない。すごく楽しみ。

‘少女’と一緒に京都から出張していただいたのが鏑木清方(1878~1972)の‘たけくらべの美登利’(京近美、07/6/7)。ええー、この絵までみせてくれるの!これはMy好きな鏑木清方‘ベスト5’に入れている絵。本当に嬉しい。そして、まだみてないプラスα2点、‘五月晴’と‘朝妻舟’(ともに個人蔵)も夢中になってみた。

伊東深水(1898~1972)の‘通り雨’も傑作。これとは4年前、新橋の東京美術倶楽部で行われた‘大いなる遺産 美の伝統展’で衝撃的な出会いをした。傘をさす色白の女性は息を呑むほど美しい。こういう個人が所蔵する名画はめったにでてこない。この絵を含めて出光の学芸員の審美眼はまったくすごい。感謝々!

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コメント

こんばんは。
昨日ココログさんメンテナンスしてましたか?アクセス出来ませんでした。
さすが出光ですね、自分のところがもっていない画家はよそからきちんとおかりする!
菊池契月は回顧展があったんですよね、なぜか東京近郊に来ないで行かなかったのであの凛とした表現に参りました!
いづつやさんは回顧展行かれたのかな?
いや、男として生まれた以上、美人画を見るのは至極の楽しみですよ。

投稿: oki | 2010.08.16 00:08

to okiさん
菊池契月の回顧展でみた‘少女’や清方の
‘美登利’を京都からもってくるのですから、
出光の学芸員のセンスは流石という感じです。

こういう展覧会をみますと、展覧会に満足する
かしないかは作品の数ではありませんね。少な
くてもこれくらいいい絵が揃っていると満ち足
りた気分になります。

出光はおっしゃるように自分ところの所蔵品と
ほかの美術館のもっている名画を本当にうまく
響き合わせます。しかも有名な絵を集めてくる
のだから感心します。

後期には東近美から清方の‘墨田河舟遊’をも
ってくるのですから、心憎い演出です。ここは
他館や個人とのコネクションが相当ありますね。
ブランド美術館の証です。

投稿: いづつや | 2010.08.16 11:16

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