秘蔵の名品アートコレクション展 ‘平山郁夫 平和への祈り’!
ホテルオークラでは現在、恒例のチャリティーイベント、秘蔵の名品アートコレクション展(8/4~29)が行われている。16回目となる今年は昨年12月に亡くなった平山郁夫の回顧展。作品は以外に多く70点ちかくある。
300円のミニ図録を買うとどの作品が最もよかったかというアンケートに応募でき、運がよければオークラの宿泊券とか食事券が当たることになっている。これを毎年楽しみにしているのだが、朗報が家にとびこんできたためしがない。
でも、今年は当たる予感がする。どうでもいいことだが、朝日新聞の販売店がプレゼントしてくれる横浜球場の横浜ー巨人戦のチケット(競争率は超高い)がなんと大当たり!で、勝手に食事券をいただく気になっている。
平山郁夫は人気の高い日本画家だから、回顧展は頻繁に行われる。近代日本画の展覧会を長いことみているが、図録が断トツに多いのが横山大観、上村松園、東山魁夷、そして平山郁夫。平山郁夫は4回体験した(拙ブログ09/12/2)ので、代表作はかなり目になかに入った。
毎度心に響くのは青一色の絵。今回8点でている。なかでも‘皓月ブルーモスク’の前に長くいた。以前みたことがあるものかと思ったが、別ヴァージョン。イスタンブールでブルーモスクを見たので、夜の光景を想像しながらみていた。嬉しいことに惚れこんでいる‘月華厳島’(07/9/11)とまた会うことができた。そして、プラスαはこの絵同様水面のゆらゆらがとても幻想的な‘興福寺の月’と真ん中の黄金の月明かりがアクセントとなっている‘平等院’。
背景の茜色と駱駝の足の影が目に焼きつく‘キャラバン’は平山郁夫の定番イメージとなったシルクロードシリーズの一枚。05年の作だから、はじめての鑑賞。駱駝の絵はもう一点‘暁流沙らくだ行’にも魅了される。
ホテルオークラ神戸のロビーに飾ってある‘津田の松林’は画面から少し離れてみたほうがいい。こうすると松の林が横にずっとのびているのがイメージできる。平山郁夫の絵で強く惹かれるのはモティーフの長くのびる影。風の影響で曲がった幹の地面に映る影を這うようにみていると、そこに奥行きを感じ、静謐な光景に声がでなくなる。これは大きな収穫!
強いゴールドの光に浮かび上がる平等院を描いた‘朝陽鳳凰堂’も息を呑んでみた。その隣にある‘法隆寺’は秀逸な構成に思わず足がとまる。青と影の画家、平山郁夫とはこれからもずっとつきあっていこうと思う。来年1月には東博で回顧展があるから、楽しみがまたふえた。
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コメント
Hオークラのこのチャリティーイベントには10年位前に行ったことがあります。話の種にHオークラにも行ってみようと出かけていきました。takさんのブログも最近読みました。takさんは平山郁夫は苦手の様でしたが。(東山魁夷も苦手?)井出先生が監修なさっていたんですね。東西交渉史に少なからず興味がある私としては、バーミアンの石仏がアルカイダに破壊された時は本当にショックを受けました。この様に絵にして残されていたのはせめてもの救いです。‘津田の松林’神戸のオークラに戻ってきたら見に行きたいと思っております。チベットのポタラ宮の画はいかがでしたでしょうか?
投稿: licoluise | 2010.08.24 15:52
to licoluiseさん
平山郁夫の大きな風景画に大変魅せられて
ます。なかでも青の絵がお気に入りです。
ホテルオークラ神戸にある松の絵ははじめてみ
ました。離れてみると現場にいるような感じに
なります。ポタラ宮は下から仰ぎみる構図が
いいです。
投稿: いづつや | 2010.08.25 10:11