いつか行きたい美術館! ミラノ ポルディ・ペッツォーリ美
ピエロ・デッラ・フランチェスカの‘聖ニコラウス’
1月ミラノを訪問したとき、ミケランジェロが最後に制作した‘ピエタ’(未完、拙ブログ2/2)をみることができたので、ミラノにある美術館めぐりで優先順位の高い作品はだいたい見終わった。
でも、見る予定にしていたポルディ・ペッツォーリ美が想定外の休館(火)だったから、消化不良の感は否めない。スフォルツェスコ城美術館でここの図録をぱらぱらとめくり、‘さあー、これから見にいくぞ!’と気分が盛り上がっていたから、門の前でヘナヘナになった。
図録に載っていた絵画を中心とした作品はもう大半忘れてしまったが、手元にある美術本などにでている有名な絵はよく覚えている。事前の情報で最もみたかったのはポッライウォーロ(1432~1498)の‘若い貴婦人の肖像’。
横向きの顔をみると比類ない美人という感じではなく、普通の女性のイメージ。でも、この絵には惹かれる。浮世絵の美人大首絵のように画面いっぱいに描かれているのと、そのぽっちゃり系で素直そうな顔がいいのかもしれない。
この美術館にはボッティチェッリ(1445~1510)の絵が2点もある。‘書物の聖母’と‘ピエタ’。インパクトが強いのは晩年に描かれた‘ピエタ’のほう。人物が一体どう重なっているのかぱっとみるだけではわからないほど体は不自然に曲がっており、悲痛にくれる顔はマニエリスムの描写と変わらない。
あのアンニュイ的な雰囲気をもった聖母子を描いていたボッティチェッリがサボナローラの思想に影響されて以降はこういう激しい感情表現をみせる人物を描いた。ボッティチェッリの心を何か重いものが突き動かしたのだろう。
ピエロ・デッラ・フランチェスカ(1416~1492)の‘聖ニコラウス’はもとは‘サンタゴスティーナ祭壇画’に描かれた4人の聖人のひとりだった。が、17世紀末には分断され別々の個人コレクションとなった。‘聖ニコラウス’は向かって右端に位置していたが、その隣に描かれていた‘福音書記者ヨハネ’は現在、NYのフリックコレクションにある。
ついでにいうと、左端の‘聖アウグスティヌス’はリスボン国立美に、左から2番目の‘聖ミカエル’はロンドンのナショナルギャラリーに夫々おさまっている。
このほかにもベリーニやマンテーニャの絵もあるから、コレクションの質はかなり高い。ミラノをまた訪れる機会があったら、真っ先にこの美術館へ足を運ぼうと思う。
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