« ‘ブリューゲル版画の世界’は寓意と怪奇の二重奏! | トップページ | 東博の‘誕生! 中国文明’展! »

2010.07.29

ハンス・コパーの‘キクラデス・フォーム’はお好き?

1783_2      ‘ティッスル・フォーム’

1784_2      ‘ティッスル・フォーム’

1785_2      ‘スペード・フォーム’

1786_2      ‘キクラデス・フォーム’

汐留ミュージアムで行われている‘ハンス・コパー展’(6/26~9/5)をみてきた。このミュージアムは年に1回は足を運んでいるが、展示室はあまり広くないから鑑賞時間はいつも20~30分で終り。

イギリスの陶芸家、ハンス・コパー(1920~1981)の作品をみるのははじめてではない。どんな陶芸かは4年前、東近美・工芸館であった特集展示‘ルーシー・リーとハンス・コパー’でわかった。陶芸というと皿とか壺などをイメージするが、ハンスのポット、花生はオブジェタイプのものだから、現代彫刻家の作品とそう変わらない。

今回は初期から晩年までの作品111点がでているので、ハンスの創作活動全体が頭のなかに入った。ハンスの作品は轆轤でひいたいくつものパーツを合成して一つの作品に仕上げるのが特徴。これはルーシーの方法と同じ(拙ブログ6/8)。彩色はあまりせず、たいていのものは白と黒で装飾性は薄い。

ユニークさが際立つ花生やポットのなかで惹かれるフォームは‘ティッスル’、‘スペード’、‘キクラデス’。真ん中が穴の開いた‘ティッスル’はフクロウの目を連想させる。これをぐっと洗練したのが穴なしのヴァージョン。こちらのほうは表面にうすいグレーが塗られており、みてて心地がいい。

鋤をイメージさせる‘スペード’は8点ある。東近美で最初にみたのが白のこのタイプ。黒のヴァージョンは円筒形に支えられている上の扁平部分はスカートのように広がっているので、先鋭的でシャープな感じがする。

とくに印象深いのは‘キクラデス・フォーム’。紀元前3000~2000年ころエーゲ海のキクラデス諸島でギリシア最古の文明が栄え、‘フルートを吹く男’や‘竪琴を弾く男’(ともにアテネ国立考古学博物館)などの大理石彫刻が発掘された。細長い筒状のものはこの石像の鼻に霊感を受けている。これに逆三角形をくっつけたフォルムにとても惹きつけられる。

オマケとして出品されているルーシー・リーの作品12点のなかにすばらしいのが2点あった。‘花生’(バークレイ・コレクション)と‘ボウル’(岐阜県現代陶芸美)、見てのお楽しみ!

なお、この展覧会はこのあと次の美術館を巡回する。
・岐阜県現代陶芸美:9/18~11/23
・岩手県美:12/4~2/13
・静岡市美:4/9~6/26

|

« ‘ブリューゲル版画の世界’は寓意と怪奇の二重奏! | トップページ | 東博の‘誕生! 中国文明’展! »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ハンス・コパーの‘キクラデス・フォーム’はお好き?:

« ‘ブリューゲル版画の世界’は寓意と怪奇の二重奏! | トップページ | 東博の‘誕生! 中国文明’展! »