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2010.07.15

目を楽しませてくれる岩崎家の国貞・広重コレクション!

1735_2    歌川国貞(三世豊国)の‘にわか夕立’

1734_2            歌川国貞の‘歌舞伎十八番之内 景清’

1733_2    歌川広重の‘武陽金沢八景夜景’

1732_2         歌川広重の‘六十余州名所図会 阿波鳴門の風波’

静嘉堂文庫の‘錦絵の美ー国貞・広重の世界ー’は7/13から後期展示がはじまった(8/8まで)。前期(拙ブログ7/2)同様、メインは歌川国貞の絵。以前制作された図録に載っている絵の9割が2回に分けて展示されている。思いの丈が叶えられので、国貞も一休みできる。

国貞の美人画にぞっこんではなく、関心を寄せているのは3枚続のワイド画面に描かれた風俗・美人画。後期に出ている3枚続の絵7点のなかで、足がとまったのは‘にわか夕立’。3人の女の生き生きとした描写にじっと見入ってしまう。

部屋の中に飛び込んでくる雷の稲妻は漫画とか戯画をみている気分。‘ああー、大変だ大変だ!お鈴ちゃん、早く雨戸を閉めておくれ、わたしゃ、昔から雷が怖くてね、さあ、一緒に蚊帳のなかに入ろうよ’と左の年増女が声をかけているのが聞こえてくるよう。

美人画でハッとするのが1点あった。‘思事鏡写絵(湯上り)’。な、なんと大胆なシースルー!見てのお楽しみ。また、料理が盛られた台を肩にかつぎ階段を上がってくる仲居を描いた‘艶姿辰己勝景 三十三間堂’をみて、ドガの‘階段を上がる踊り子’を思い出した。

国貞の絵で最も魅了されているのは役者絵。前期、後期で2点ずつ4点あった。五代目市川団十郎が演じる‘歌舞伎十八番之内 景清’は黒光りする髪と赤の隈取りのインパクトが強烈。国貞の役者大首絵に多く遭遇するようミューズにお祈りをささげておこう。

話は横にそれるが、最近浮世絵展のビッグニュースが入ってきた。東博で来年4/5~5/15に写楽の回顧展が開催される。もうチラシができている。キャッチコピーは‘役者は揃った 写楽’。これ、なかなかいい。東博が行う浮世絵展だから北斎展(05年)同様、世界中から摺りのいい役者絵を集めてくるにちがいない。とても楽しみ!

広重の‘武陽金沢八景夜景’は3枚続の風景画。これくらい画面が大きいとパノラマ風に描かれた景色に見とれてしまう。群れをなして飛んでいる鳥が中央の月にかかるところも心憎いばかりに上手い。

‘六十余州名所図会’のなかで一番好きな絵が‘阿波鳴門の風波’。広重は北斎の‘神奈川沖浪裏’に刺激を受け、‘じゃあー、俺は鳴門の渦潮だ!’とこの傑作を描いた。才能豊かな浮世絵師の競演のお陰で今、われわれはこんなすばらしい絵を楽しむことができる。‘ビバ!浮世絵’と心のなかで叫んでいる。

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» 錦絵の美―国貞・広重の世界(後期) @静嘉堂文庫美術館 [Art & Bell by Tora]
 前期(記事はこちら)が面白かったので、後期にも出かけてみた。今回は多少趣を変えた記事とする。 ・国貞《江戸自慢 仲の町燈籠》↓: 吉原仲の町の花魁が酒井抱一のコウモリの絵の団扇(拡大図↓↓)を持っているのが面白い。・国貞《思事鏡写絵 湯上り》↓: 薄物の着物を通して見える若い花魁のすらりとした足が色っぽい。手紙を届けに来た禿と比べると足つきが対照的。コマ絵の暖簾にも版元の印。説明には「鏡は心の葛藤さえ無慈悲に映し出す魔力を持っている」と書かれていたが、何を思っているのだろうか。・国貞《艶姿辰... [続きを読む]

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