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2010.06.02

驚愕する‘細川家の至宝’!

1601    ‘時雨螺鈿鞍’(国宝、鎌倉時代)

1602            ‘桜に破扇散図鍔’(重文、桃山時代)

1603    横山大観の‘柿紅葉’(1920)

1604    菱田春草の‘落葉’(重文、1909)

東博で開催中の‘細川家の至宝展’(4/20~6/6)は残り4日となった。2回出かけ全部の作品をみたのに、ローマ滞在の話が続き、感想記を書くのが遅れてしまった。後期にでている作品をまだみられてない方のために驚愕のお宝をとくにピックアップしてみた。

後期展示の見所の一番はなんといっても国宝の‘時雨螺鈿鞍’。永青文庫コレクションにはもうひとつ同じく国宝の螺鈿鞍‘柏木莵’(かしわみみずく、4/20~5/9)があるが、こちらのほうが螺鈿も豊富でうすピンク、緑が一際輝いている。そして、鎌倉時代の美意識の高さを表しているのが松や葛の文様のなかに隠された文字。

これは葦手絵(あしでえ)といわれるものだが、‘わ’、‘か’、、がどこにあるか?04年、永青文庫であった‘国宝展’で夢中になって探した。これがじつに楽しい。是非トライしていただきたい。この螺鈿鞍の最高傑作である‘時雨’が展示されたのは6年ぶりだから、次にでてくるのは5年以上先と思ったほうがいい。お見逃しなく!

この展覧会のお目当ては桃山時代につくられた‘桜に破扇散図鍔’。‘国宝展’には所蔵の国宝、重文が相当数展示されたのだが、この鍔はなかった。普段、鍔の名品をみる機会は東博本館1階の刀のコーナーしかないので、このように鍔がどっとでてくると興奮する。世の中には鍔の愛好家もかなりいるだろうから、目の前の鍔がどのくらいすごいのか聞いてみたくなる。鍔の意匠にまったく目が慣れてないが、‘桜に破扇散図’の破れ扇子というのはすごく新鮮。工芸でこういう意匠はははじめてみた。

最後のコーナーの一つ手前に細川護立が集めた近代日本画、洋画の名品がずらっと並んでいる。まさに驚愕の絵画コレクションである。白洲正子が美術品鑑賞を指南してもらった細川護立は天才コレクターと呼ばれているが、その蒐集品をみたら即納得する。とにかく一級品中の一級品を見つけ出すのだから、その美をみる力は並みのレベルをはるかに超えている。

日本画の名品はまず横山大観(1868~1958)の‘柿紅葉’。琳派風に装飾性の高い絵は回顧展によくでる‘秋色’など4点あるが、最後に描かれたこの絵は色彩が一際美しく輝いており、最も魅了される。これは熊本県美に寄託されているため、見る機会がほとんどない。17年前京都文化博であった回顧展でみたのだが、左隻の紅葉した柿の葉に大変感動したのを今でもよく覚えている。再会できることをずっと願っていたがやっと叶った。秋のシーズンにみたら体が震えるかもしれない。大観が描いた着色画では‘夜桜’と並び称される傑作である。

菱川春草(1874~1911)の‘落葉’がまたみれて嬉しくてたまらない。04年、東近美であった琳派展以来だから6年ぶり。この絵をみていると長谷川等伯の‘松林図’(国宝)がダブってくるし、光琳の絵も目の前にちらつく。葉が2,3枚ひらひら落ちてくる様はあくまで静かで、その落ちた葉の重なりが意匠化され横、斜めにリズミカルにのびていく。静謐な空間に心が静まり、その豊かな装飾性にハレの気分が刺激される。時間が経つのも忘れてながめていた。

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