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2010.06.30

見逃せない三の丸尚蔵館の‘花ひらく個性、作家の時代展’!

1692_2     川端龍子の‘松鯉図’

1693_2     横山大観の‘くよく(叭々鳥)’

1694_2     新海竹太郎の‘鐘ノ歌’

1695_2     河井寛次郎の‘紫紅四耳壺’

三の丸尚蔵館で3/30から開催されている‘花ひらく個性、作家の時代展’は現在最後の3期(6/5~7/4)に入っている。すでに、1期、2期(ともに12点)でいい日本画や彫刻、工芸を楽しんだが、3期の12点にも魅了される。

日本画は川端龍子(1885~1966)の‘松鯉図’、横山大観(1868~1958)の‘くよく’、土田麦僊の‘罌栗’、堂本印象の‘松鶴佳色’の4点。これらは皇室から直接依頼されて描いたものとか岩崎家が皇室に献上するために画家に依頼したもの。

昭和12年の春に御下命を拝した龍子は構想をねり、翌年の元日に斎戒沐浴して身を清めてから‘松鯉図’の制作にとりかかったという。この絵をみるのは13年ぶり。最初に体験した龍子の回顧展(日本橋高島屋)でみた。

鯉は鯉だけで描かれることが多いが、この絵ではボリューム感のある4匹の鯉が泳ぐ方向に並ぶように松の木が横にのびている。まず惹かれるのがこの構成。そして、鯉の尾っぽの描き方を夫々変えて臨場感をだしている。龍子は奥村土牛、福田平八郎とともに鯉の名手で、My鯉図ベスト5の2点は龍子の鯉。

大観の水墨画は1期に展示された‘飛泉’と‘叭々鳥’。2点とも08年国立新美であった回顧展に展示されたから大観ファンは覚えておられるかもしれない。この絵が大観のほかの絵と違うのは濃い墨の輝き。‘叭々鳥’では頭の部分と左にのびる枝の先で最も墨が濃いが、時が経っているのに全然色が落ちてない。これは中国から輸入された最高級の墨が使われているから。とにかく皇室への献上品だから特別なのである。

新海竹太郎(1868~1927)については‘あゆみ’(1907)をつくった彫刻家くらいの情報しかない。だから、この‘鏡ノ歌’をみても新海竹太郎はまだ遠い存在。だが、この鋳物師の作品は一生忘れないだろう。溶けた金属のはいった容器をペンチの親方のようなもので引き上げようとする姿には職人魂がほとばしっている。

工芸は加藤土師萌の大皿と河井寛次郎(1890~1966)の鈞窯風の色合いを思わせる‘紫紅四耳壺’と各務鐄三のとても美しいクリスタルガラス。河井の作品は今回3点みたが、これと1期にでた‘窯変草花文合子’が心に響いた。

次回の展示は‘虎・獅子・ライオン’(7/17~9/5)。まだ作品内容はわからないが、追っかけている円山応挙の‘群獣図屏風’(拙ブログ09/12/2510/1/10)が登場するのではないかと密に期待している。果たして?

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