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2010.06.23

山本丘人の‘鳥と風月’と響き合う絵!

1673     山本丘人の‘鳥と風月’(1972)

1672      ドラクロアの‘海老のある静物’(1827)

1675      デ・キリコの‘静物’(1950)

1674      岡鹿之助の‘遊蝶花’(1951)

日本橋高島屋で行われた‘山本丘人展’はまだみてない2点に大きな関心があったのだが、再会を楽しんだ絵もある。そのひとつが1972年に描かれた‘鳥と風月’(箱根・
芦ノ湖、成川美)。

この絵をはじめてみたとき、見慣れた風景画とは随分違うなと思った。それは背景の硬いイメージの白い山々と手前横いっぱいに大きく描かれている草花と一羽の雉が同じ強さで目に飛び込んでくること。普通の風景画だと鳥や花がこんなにインパクトをもつことはない。だから、この絵は静物&風景画である。

この絵からすぐ連想したのがドラクロワの‘海老のある静物’(ルーヴル)。これは背景に広がる風景にはあまり視線はいかないから、絵のカテゴリーとしては静物画に入るのだろう。前景に描かれた死んだ雉や海老はフランドル絵画をみているよう。

丘人は‘鳥と風月’を制作するにあたって、ドラクロワを参考にしたのか、それともアンリ・ルソーの絵の影響をうけたのかはわからないが、手前に対象を大きく描くのは海老の絵と同じ。

ドラクロアの絵がヒントになったのかなと思う絵がほかにもあった。それはローマ感想記で紹介したデ・キリコの静物画(拙ブログ6/5)。回顧展には野原を背景にした果物の絵がもう一点あった。葡萄、リンゴ、ざくろ、洋ナシなどが手前に大きく写実性豊かに描かれているのは海老の絵とまったく一緒。ただ、この絵は窓のところに置かれたリンゴとは違って、果物とともに後ろの館が‘鳥と風月’の山のようにぐっと目に入ってくる。

日本の洋画家、岡鹿之助もドラクロワタイプの絵を描いている。‘遊蝶花’(下関市美)で強烈なインパクトを持っている花瓶の色鮮やかな花はドラクロワ→デ・キリコ→岡のコラボを連想するのだが、アンリ・ルソーの平面的な作風に刺激を受けたのかもしれない。

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