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2010.06.12

アンリ・ルソーの‘蛇使いの女’がやってきた!

1642_2    ルソーの‘蛇使いの女’

1641_2    ルソーの‘戦争’

1639_2    シャヴァンヌの‘貧しき漁夫’

1640_2           ルドンの‘目を閉じて’

有名な画家だと、画家と絵がセットになってイメージされる。アンリ・ルソー(1844~
1910)というと、すぐ‘蛇使いの女’と‘眠れるジプシー女’(NY、MoMA拙ブログ09/9/6)を思い浮かべる。その‘蛇使いの女’が日本でやってきた。‘眠れるジプシー女’のほうは93年上野の森美であった‘MoMA展’に展示されたから、夢のような展示が二度も実現したことになる。‘待てば海路の日和あり’である。

今回の公開がすごく印象深いのは‘蛇使いの女’の隣に‘戦争’があること。ともにルソーの豊かな想像力が存分に発揮された作品だから、じわじわと神秘的で不思議な空気が漂うルソーワールドに嵌っていく。蛇は苦手だが、2年前現地でみたとき同様(08/2/21)、何匹いるか数えた。うん、5匹。

女の吹く笛の音色に誘われて右の木からするすると近づいていく蛇をみていると、だんだん呪術的な世界に絡めとられていくようで緊張してくる。蛇の上には枝にとまった鳥が3羽おり、また左にも大きな鳥がいるのだが、どうしても視線は蛇と女と明るい月に集中する。

‘戦争’はじっくりみると怖い絵。とくにギョッとするのが両端のカラスが赤い血に染まった肉片を食べているところ。テーマが戦争の悲惨さだからこういうシーンがでてくるが、ルソーは残虐的な場面は得意中の得意。緑の熱帯風景ではトラと水牛が闘っていたり、黒人が豹に襲われたりする。だから、この戦争の絵でも手足の一部が無くなっている死体をごろんと横たわらせている。

シャヴァンヌ(1824~1898)の代表作‘貧しき漁夫’が日本でみれるのもすごいこと。2年前、この象徴主義の画家に開眼した(08/2/20)。この絵は表面に油気が感じられないので、最初の印象は弱い。でも、しばらくその無駄なところをそぎ落とした静かな画面をみていると、倹しく生きるこの漁師一家の姿に心打たれ、この絵は一生忘れないだろうなという気になる。

ルドン(1840~1916)は2点でているが、‘目を閉じて’は前回現地でどういうわけか展示されてなかったので収穫の一枚。ルドンは画業の前半、黒一色で一つ目小僧やクモのような変てこな絵を描いていた。が、この絵以降は作風をからっと変え、鮮やかな色彩を多用するようになる。これはその過渡期の作品で、瞑想する女性の肩から上だけを描いており、画面いっぱいにモティーフを神秘的に描く前のスタイルがまだ残っている。

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