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2010.06.10

点描画尽くしとセザンヌの傑作にくらくら!

1632_2      スーラの‘ポール=アン=ベッサンの外港、満潮’

1634_2     シニャックの‘マルセイユ港の入り口’

1631_2     セザンヌの‘水浴の男たち’

1633_2     セザンヌの‘台所のテーブル’

今回のオルセー美展は点描画を楽しむには絶好の機会。習作を含めると全部で19点でている。そのうち11点(習作4点を含む)がスーラ(1859~1891)。これに‘サーカス’があったらもう完璧だった。

07年のときもやってきた‘ポール=アン=ベッサンの外港、満潮’は海風画シリーズの一枚。船着場やヨット、遠くにみえる岩山や家々を平行的に配置するのは浮世絵の影響。明るい光が差す静かな港の光景なのだが、人がおらず、デ・キリコの形而上絵画の雰囲気も多少ある。スーラは額縁にも点描法を用いているが上下、左右は均一ではなく、右はカンバスに描かれた岩山と連続させるため赤茶色の点を濃くしている。

シニャック(1863~1935)は大作‘マルセイユ港の入り口’が目を楽しませてくれた。光をこれほど眩しく感じたのは西洋美に展示してある大きな絵‘サン=トロペの港’をみたとき以来。点描画は離れてみないとその色の輝きを楽しめないのでこの絵だけはすこし下がってみたが、賑やかで開放的な港に降り注ぐ強い太陽の光がそのままこちらにのびてくる感じでパラダイスな気分になった。

再会したレイセルベルヘ(1862~1926)の‘舵を取る男’(拙ブログ07/1/30)の前でも足がとまる。手前に帆を大きくしかも大半を画面からはみだした形で描くのは明らかに広重の‘江戸名所百景・高輪うしまち’などを参考にしている。どうでもいいことだが、クロスの‘エクトール・フランス夫人’をみるといつもかつての映画評論家、小森のおばちゃまを思い出す。小森のおばちゃま?はい、知っている人は知っている。

8点あるセザンヌ(1839~1906)では、男性ヌードの傑作‘水浴の男たち’がやってきたのは特筆もの。オルセーには‘カード遊ぶをする男たち’、‘リンゴとオレンジ’、‘レスタック’、‘婦人とコーヒー沸かし’のような名画が揃っているがセザンヌは近代絵画史における重要な画家だからあれもこれもというわけにはいかない。

‘サント=ヴィクトワール山’や‘シャトー=ノワールの森の岩’はモネの‘ボルディゲラの別荘’同様、アベレージの絵だが、‘水浴の男たち’と静物画では‘リンゴとオレンジ’の次にいい絵‘台所のテーブル’があるのだから、大収穫である。

‘水浴の男たち’の中央のいるアスリートのような男性ヌードはルーヴル美にある古代ローマの彫刻がモデル。画面全体が光に満ちており、男性が右手にもつ布と空の雲の白が目に焼きつく。真ん中にあつまる男たちの力強い動きからは生きる喜ぶがひしひしと伝わってくる。

セザンヌの静物画をこよなく愛しており、なかでも‘リンゴとオレンジ’と今回登場した‘台所のテーブル’はカラヴァッジョの‘果物籠’とともにMy好きな静物画の上位に入れている。果物、壺、水差しのまるい形がリズミカルに連続する‘台所のテーブル’をしばらくいい気持ちでながめていた。

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