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2010.06.13

モローの‘オルフェウス’に釘付け!

1645_2     モローの‘オルフェウス’

1646_2     クノップフの‘マリー・モノン’

1643_3       ドニの‘木々の中の行列’

1644_2            ドニの‘マレーヌ姫のメヌエット’

オルセー美術館の楽しみ方はいろいろ。印象派ならびにポスト印象派に鑑賞エネルギーの大半を使う人もいれば、印象派に軸足をおきながら、ほかの作品もしっかり見る人も多くいるだろう。はじめてのときは頭の中はやはり印象派で占められる。で、ほかの作品がしっかり目のなかに入るのは再訪したときくらいから。館内のレイアウトがわかっているのでは気持ちに余裕があり、足はナビ派とかアール・ヌーヴォーの家具や工芸までのびる。

では、ミレー、クールベ、アンリ・ルソー、モロー(1826~1903)への鑑賞欲はどうだろう。ルソーの‘蛇使いの女’とモローの‘オルフェウス’は高い人気を誇る絵だから、初訪問の際用意した感動袋のなかにはルノワール、モネ、セザンヌ、ゴッホの絵に交じって入っているに違いない。今回、日本で一緒にみられのである。なんという幸せ!

日本にはモロー愛好家が多いので、‘オルフェウス’(拙ブログ08/2/20)を目当てに出かける人も結構いたりして。07年のオルセー美展に出品された‘ガラテイア’やBunkamuraで公開された‘一角獣’(モロー美)もいいが、これが代表作中の代表作だから、テンションはいやがおうでも上がり、心のひだが敏感に揺れ動く。

ギリシャ神話は本を読むだけだったら、楽しみはかなり減じられる。こういう絵やデルヴィル(1867~1953)の‘死せるオルフェウス’(05/4/24)があるお陰で、幻想的な神話の世界に遊ぶことができる。モローファンは美欲をどんどん膨らませ、もう次の楽しみを夢見ているかもしれない。思い浮かべるのは同じ絵?‘出現’(モロー美)と‘オイディプスとスフィンクス’(メトロポリタン、08/5/13)。日本でみれれば嬉しいのだが!

再会したクノップフ(1858~1921)の‘マリー・モノン’は2年前よりも惹きこまれた。ベルギー象徴派を代表するクノップフはモローやイギリスのラファエロ前派の影響を受けており、この椅子に座る女性の絵は‘オルフェウス’の若い娘がダブってくる。

オルセー以外の美術館でナビ派の絵をみる機会はほとんどない。ナビ派に特別な思い入れはないが、ドニ(1870~1943)の絵には関心があり、どこかの美術館で回顧展を開催してくれないかなとアバウトに願っている。惹かれるのは簡潔で平面を強調した装飾的な描写と濁りのない明るい色調。今回10点ある。

‘木々の中の行列’は45cmの小さな絵でぱっとみると子どもの絵本。でも、しばらく絵の前にいると魅了される。林立する緑の木のなかをうすピンク一色で描かれた少女たちがうつむき加減に進んでいく姿は尼さんのイメージ。宗教画をみているようで心が落ち着く。

‘マレーヌ姫のメヌエット’は点描風の描き方が一部みられるが、普通の人物画と変わらない。大作‘ミューズ’では女性たちは類型化されたふっくら顔と装飾的文様の衣服で描かれているのに対し、この女性の表情はリアルで個性的。女性画はライフワークだから、こういう女性にはすぐ反応する。

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