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2010.06.06

ビバ!ローマ  カラヴァッジョ展に幼稚園児がやってきた!

1617_2      サン・ピエトロ広場

1618_2     ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念堂

1619_2     ファルネーゼ宮殿

よその国へ出かけると、名所観光とはいえそこで生活している人たちの行動スタイルを垣間見、交通システムとかショップやレストランでのサービスを実際に体験するので、感じのいいこと嫌なことがない交ぜになって心のなかへどっと入ってくる。今回のローマ訪問で心に深く残ったことやイタリア人気質について少しふれてみたい。

★‘カラヴァッジョ展に幼稚園児がやってきた!’

大人気のカラヴァッジョ展は残り1週間(6/13まで)。最後の最後まで長い列ができ、展示室は大混雑だろう。1ヶ月前、9時半に開館したとき予約なしの列には200人くらいいたが、今はもっと多くの人が並んでいるにちがいない。まったくすごい人気!

1時間かけて全作品をみたあと、また2階にもどり、お気に入りの絵を中心にみていた。そこへ、なんと可愛い幼稚園児が保育士のお姉さんに付き添われてやってきた!そうのうち、保育士は絵の前に園児たちをお行儀良く座らせ、話をはじめた。これをみて大変感激した。まだ小学校にあがってない幼児にカラヴァッジョの宗教画を見せ、キリストや聖母マリアの話をするのである。

展示されている部屋は決して広くない。幼児が座ると大人たちはその後ろからみざるをえない。でも、これに文句をいう人は誰もいない。この絵を一緒にみていたら、今度は中学生グループが大勢入ってきた。先生は課外授業として予約を入れ連れてきたのだろう。カラヴァッジョ展にはイタリア人だけでなく世界中から愛好家が集まってきており、中は相当混雑していることは先生もわかっている。

日本の先生だと、‘こんな混雑した人気の展覧会で課外授業なんて無理々、一般客に迷惑がかかるわよ’で検討すらされない。ところが、ローマの幼稚園や中学校は違う。‘イタリアは芸術の国よ、偉大な芸術家、カラヴァッジョの何十年に一度かもしれない大回顧展を見逃すことはないわ、是非子どもたちに見せましょう!’ エライね、この国の先生は。

この部屋に幼稚園児がいたのを日本の展覧会で例えると、08年東博であった‘大琳派展’にちびっ子たちの姿をみるようなもの。でも、日本美術のど真ん中にあり好きな人の多い琳派の展覧会に園児を連れて行って、‘この風神さん、雷神さんはね、、、’と話して聞かせる保育士は日本中どこをさがしてもいないだろう。

今、国立新美で‘オルセー美展2010 ポスト印象派’(5/26~8/16)が開催されている。名画が沢山展示されているので、中学生や高校生が課外授業でみにいけばいいと思うが、大勢の一般客に遠慮して先生はそんな計画は立てないだろう。美術の教科書に載っている名画がパリからどっとやってきたのだから、美術館側に求められるのは学校関係者が大勢の生徒たちを連れてきてくれることはウエルカムという姿勢。

だが、これまでの経験からすると、国立新美はそんなことは考えてないような気がする。日本でもカラヴァッジョ展のように大人に交じって園児や子どもたちが大勢いるような展覧会にいつか出くわしたいものだが。日本は何年たっても無理か?

★‘歴史上最も偉大な芸術家は?1位ミケランジェロ、2位カラヴァッジョ!’

最近知り合いになったブロガー、‘イタリア黒猫日記・イタリア美術とジュエリー’さんが1/27に大変興味深いことをお書きになっている。昨年ローマへ出かけられたとき入手されたフリーペーパーに載ったアンケート結果‘歴史上最も偉大な芸術家は?’によると、ベスト10は次のようになっている。

1位 ミケランジェロ
2位 カラヴァッジョ
3位 ダ・ヴィンチ
4位 ピエロ・デッラ・フランチェスカ
5位 デュシャン
6位 ピカソ
7位 ラファエロ
8位 ティツィアーノ
9位 セザンヌ
10位 ベラスケス

ローマっ子にカラヴァッジョ信奉者が多いことはこの調査結果からもよくわかる。ダ・ヴィンチ、ラファエロより上にランクされているのだからすごい!

★‘イタリア人は大阪人によく似ている!’

マッシモ宮の前のサンタンドレア・デッラ・ヴァッレ教会は現在、修復中で周囲は白いテントで囲まれている。ここにモディリアーニが描いた肖像画を使い何かが案内されていた。イタリア語が読めないのだが、どこかでモディリアーニの回顧展でもやっているのかと思い、近くの小さなショップにいた若い男性に英語で尋ねた。どうも、回顧展のことではないようだから、ほかへ進もうとしたら、前で中年のイタリア人男性が待っていて‘この情報はこういうことで、、、展覧会の案内ではないよ’と親切に英語で説明してくれた。われわれの話を通り過ぎるとき聞いていたのである。

なんだか、大阪の街を歩いているような気分になった。以前難波の駅で‘あそこはどう行くのかな?’という顔をして立ち止まっていたら、おじさんがつかつかと寄ってきて‘どこ、行きはるの?’と声をかけてくれた。大阪ではこういうことがよくある。隣の方に‘駅はどっちの方向かな?’というと、すかさず近くにいた女性が‘あっちです’と問うてもいないのに教えてくれた。見知らぬ人にも気軽に声をかけてくれるのが大阪人のいいところ。よく大阪の人はイタリア人気質といわれるが、今回のローマ滞在でそのことがよくわかった。

2月の‘ビバ!イタリア’に続きまして、カラヴァッジョ&ローマ感想記にもお付き合いいただきありがとうございます。これで終了です。

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コメント

いづつや様、こんばんは

カラヴァッジョ展に幼稚園児が来ていたの記事を拝見して、私もグイド・カニャッチ展を見に行った時に、おちびちゃんたちが来ていたのを思い出しました!引率の先生が、カラヴァッジョやレーニとの関連などについてもしっかり説明していて、私も横で一緒に聞いて、関心したのを覚えています。
日本でも、子供の頃から本物の絵画や音楽に触れる機会が増えるといいのになぁと思いますが、なかなかそうはならないのでしょうね。

”イタリア人は大阪人が似ている”も、大阪人の私には嬉しい記事です。なんだか言葉の響きや流れも似てるんですよね、イタリア語と大阪弁て。

投稿: Ayumi | 2010.06.11 21:37

to Ayumiさん
こんばんは。あの大人気のカラヴァッジョ展を
幼稚園児と一緒にみるなんて、感激しました。

ローマっ子は小さい頃からミケランジェロのシス
ティーナ礼拝堂の壁画、サン・ピエトロ大聖堂の
傑作‘ピエタ’に親しみ、ベルニーニの野外彫刻
をみながら育つのですね。

だから、カラヴァッジョ展もしっかりみせるの
でしょう。エライなと思います。私もロンドンのナシ
ョナルギャラりーで小学校の先生の話を横で聞い
ていて、学芸員顔負けの説明にびっくりしました。
日本の先生にもがんばってもらいたいですね。

Ayumiさんは大阪の方ですか。イタリア人は大阪
の人のノリですね。とにかく気さくなのがいい
です。大阪の人のよさと共通するところがあり
ますね。

投稿: いづつや | 2010.06.12 00:13

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