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2010.06.29

カポディモンテ美展でアルテミジア・ジェンティスキの傑作と対面!

1690           ティツィアーノの‘マグダラのマリア’

1691             パルミジャニーノの‘貴婦人の肖像(アンテア)’

1688   アンニーバレ・カラッチの‘リナルドとアルミーダ’

1689         アルテミジア・ジェンティレスキの‘ユディットとホロフェルネス’

昨年3月‘いつか行きたい美術館!’シリーズでとりあげたナポリにあるカポディモンテ美(拙ブログ09/3/31)の所蔵名品展(6/26~9/26)が上野の西洋美ではじまった。作品の数はファルネーゼ家、ブルボン家が蒐集したルネサンス、バロック絵画など80点。

ブログ‘イタリア黒猫日記’をもっておられるイタリア通のAyumiさんの情報によると、カポディモンテ美はローマっ子に聞いた‘あなたの好きな美術館は?’(1/27)で8位にランクされている。因みに1位はウフィツィ美(フィレンツェ)。

これまでナポリは運良く2回訪問したが、カポディモンテ美はまったく縁がない。でも、2年後くらいに計画している次回のイタリア旅行は南イタリア&シチリアと決めているので、この美術館が所蔵する絵画に関する情報はせっせと仕入れている。

だから、ここにどんな傑作があるかはおおよそわかっている。では今回どのくらいのレベルのものがきているか、ズバリ ◎。どこの美術館でも自慢の絵にはランキングをつけており、美術本に載っている人気の絵はまずださない。例えば、ベリー二の‘キリストの変容’、ブリューゲルの‘盲人の寓話’、ティツィアーノの‘教皇パウルス3世の肖像’、‘ダナエ’、カラヴァッジョの‘キリストの笞打’(5/15)、アンニーバレ・カラッチの‘分かれ道のヘラクレス’(4/19)。これは仕方がない。

でも、これに続く名画が今回きている。ティツィアーノ(1485~1576)の‘マグダラのマリア’はとてもいい絵。エルミタージュ美にもそっくりの絵があるが、潤んだ瞳としたたり落ちる涙が悔悛したマリアの喜びを表している。これをみたから、次は‘ダナエ’。会いに行きますからねぇー。

チラシやバナーに使われ露出度が一番なのがパルミジャニーノ(1503~1540)の‘貴婦人の肖像(アンテア)’。この絵に会うのは二度目。03年中欧を旅行したときウィーン美術史美で大回顧展に遭遇し、そこに展示してあった。この婦人は特別美人というわけではなく、性格は生真面目そうにみえる。おもしろいのが真正面を向いているのに、右肩と腕が左腕にくらべてかなり大きいこと。バランスを崩すところはマニエリスム画家の真骨頂。

収穫はNO情報のアンニーバレ・カラッチ(1550~1609)の‘リナルドとアルミーダ’。衣装の襞や葡萄の見事な質感描写を夢中になってみた。今、カラッチの絵に対する見たい度はとても強いから素直に嬉しい。二人の兵士が後ろに隠れているのとその隣にオウムがいるのをお見逃しなく!

この展覧会で最も期待していたのがアルテミジア・ジェンティレスキ(1593~1652)の‘ユディットとホロフェルネス’。1月ウフィツィ美でもうひとつのヴァージョン(2/25)を、また5月の‘カラヴァッジョ展’で同名の絵(5/15)をみたが、感じる暴力性と緊迫度はこの絵のほうが強い。

首を切られるホロフェルネス、その真上で押さえつけるようにアシストしている従者、そしてホロフェルネスの髪の毛をしっかりつかみ渾身の力で首を切り落としているユディット。左から入ってくる光は勇気をもって敵の大将をやっつけようとする二人の女を浮き彫りにしている。普段は弱い女だって覚悟を決めればすごいことをやるのだ。そして、白いシーツに飛び散る血が目に強烈に焼き付けられる。すごい絵をみた!

この強い明暗対比と生感覚の人物描写をみて、この女流画家がホントホルスト(1592~1656)とともに最高のカラヴァッジェスキであることを再認識した。

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コメント

いづつや様

こんばんは。
ご紹介頂き、ありがとうございます!
(通というにはイタリアは国も美術もあまりにも奥深く、まだまだこれからです)

カポディモンテ美術展、ご紹介の4作品だけでも展覧会を訪れる価値ありですね。カラッチと同じくボローニャ派のグイド・レーニ作品に会えるのも楽しみです。
いづつや様はパルミジャニーノの大回顧展をご覧になったのですか、素敵です!マニエリスムの中でも特に優美な彼の作品。いつかまとめて観てみたいと思っていますので、私もそういう機会に恵まれたいものです。

投稿: Ayumi | 2010.07.02 22:11

to Ayumiさん
日本にカポディモンテがやってくるとは思って
もみませんでした。数年後に行くことにしてい
るのですが、先行してみれたのは嬉しいですね。

紹介した4点に加えレーニ、グレコのいい絵が
ありますから、◎の基準(3点)を軽くこえて
ます。

マニエリスムはパルミジャニーノとブロンツィ
ーノを別格扱いで贔屓にしてます。Ayumi
さんもいつかパルミジャニーノの回顧展に出く
わすといいですね。

投稿: いづつや | 2010.07.03 11:59

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