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2010.05.23

ファン・エイク、ホルバイン、カラヴァッジョにみる神業的写実力!

1556_2      ヤン・ファン・エイクの‘ファン・デル・バーレの聖母子’(部分)

1557_3      カラヴァッジョの‘キリストの捕縛’(部分)

1554_3      ホルバインの‘商人ゲオルク・ギーゼ’

1555_5        カラヴァッジョの‘トカゲに噛まれた少年’

スクデリア・デル・クイリナーレで開催中の‘カラヴァッジョ展’(6/13まで)で絵にできるだけ近づき、また単眼鏡を使って食い入るようにみたのは信じられないほどリアルに描かれている果物やガラスの瓶、鎧。この見事な質感描写はまさに神業的。神業的写実力で名高い画家はもう二人いる。ヤン・ファン・エイク(1390~1441)とホルバイン
(1497~1543)。で、3人が描いたサプライズの絵を並べてみた。

カラヴァッジョの‘キリストの捕縛’(1601、拙ブログ5/15)はキリストを捕らえる兵士が身につけている鎧や兜を息を呑んでみた。腕の鎧や兜に当たる光により金属の光沢感、まるみが実感され、本物をみているよう。また、‘勝ち誇るアモール’にでてくる鎧も表面のすべすべした質感がよくでている。こういう驚愕の写実描写は並みの画家の手からは生まれてこない。ごく限られた天分に恵まれた者にしかなしえない奇跡かもしれない。

‘キリストの捕縛’の鎧をみたので、次の狙いはファン・エイクの‘ファン・デル・パーレの聖母子’(1436)。この絵はブリュージュにあるフルーニンゲ美の所蔵だが、右にいる聖ゲオルギウスの茶褐色の鎧に目が点になる。表面いっぱいに施された細かい装飾がじつに精緻に描かれている。2年前、ワシントンナショナルギャラりーとメトロポリタンで体験したファン・エイクの絵に200%魅了され、代表作はカラヴァッジョのように全点みたくなった。‘ファン・デル・パーレの聖母子’は3度目のブリュージュのときお目にかかろうと思っている。

カラヴァッジョ作品でガラス瓶が描かれているのは5点ある。‘トカゲに噛まれた少年’(1593、ロンドン、ナショナル・ギャラリー)、‘バッカス’(1595)、‘悔悛のマグダラのマリア’(1595)、‘リュート弾き’(1595)、‘エマオの晩餐’(1601、ロンドン、ナショナル・ギャラリー)。このなかで最も魅せられているのは‘トカゲに噛まれた少年’。これが一番透明度が高く、光があたる部分の薄青紫色のガラスと水がなんとも美しい。

そして、ガラスの表面に部屋の窓が映っているのにもびっくりする。これは明らかにフランドル絵画の影響。ファン・エイクの‘アルノルフィーニ夫妻の肖像’(1434、ロンドン、ナショナル・ギャラリー、08/2/5)で夫妻と二人の人物が映っている後ろの凸面鏡に刺激されたのだろう。

ホルバインの‘商人ゲオルク・ギーゼ’(1532、ベルリン・国立絵画館)はまだ縁がないが、見たい度の大変高い絵。テーブルにある金属の小物入れやはさみの細密描写にも感心するが、カーネーションが入っているガラス瓶の透き通る質感が本当にすごい。来春予定しているベルリン美術館めぐりではこれを追っかけリストの上のほうに載せておこうと思う。

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