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2010.05.13

大盛況のカラヴァッジョ展 ‘果物籠’と再会!

1512_2   スクデリア・デル・クイリナーレ美


1513_2   ‘果物籠’(ミラノ、アンブロジアーナ美)


1514_3    ‘果物籠’(部分)

大好きなカラヴァッジョ(1571~1610)の没後400年を記念する大回顧展
(2/19~6/13)をみるため再度ローマを訪れた。しばらくこの感想記とベルニーニなどの話が続きますのでお付き合いください。

カラヴァッジョ展の情報が入ってきたのは1月のイタリアツアーを申し込んだ後。このツアーはローマの自由時間が2日あったから、タイミングの悪さが悔やまれた。イタリアから帰り、また出かけるかどうか迷っていたが、ブログ仲間でカラヴァッジョのことなら一番の‘花耀亭日記’さんがつくられた出品リストをみて、4月に予定していた中国・敦煌旅行をキャンセルしてローマへ行くことを決断した。Juneさん、背中を押していただき有難うございました。

3/31の朝日新聞にこの展覧会の取材記事が載ったが、これによると会場のスクデリア・デル・クイリナーレ美には世界中から連日5千人以上の美術好きが押し寄せているとあった。まったくすごい人気である。その高い人気は出品作の内容をみればすぐ納得がいく。とにかく没後400年にふさわしいカラヴァッジョの傑作がずらっと揃っている。美術史家の宮下氏(拙ブログ04/12/23)が‘生誕500年にあたる2071年まで同規模の展覧会が開かれることはないだろう’と仰っているがその通りだと思う。

これから出かけられる方もおられるだろうから、作品を全部紹介したい。スクデリア・デル・クイリナーレ美は広場をはさんでクイリナーレ宮殿の向かい側にあるからすぐわかる。現在でているのは24点、2階と3階に番号の順に展示されている。

(2階)
1 ‘果物籠をもつ少年’(ローマ、ボルゲーゼ美)
2 ‘果物籠’(ミラノ、アンブロジアーナ美)
3 ‘合奏’(NY,メトロポリタン美)
4 ‘リュート弾き’(サンクト・ペテルブルク、エルミタージュ美)
5 ‘いかさま師’(米国・フォートワース、キンベル美)
6 ‘バッカス’(フィレンツェ、ウフィツィ美)
7 ‘聖パウロの回心’(ローマ、オデスカルキ=バルビ・コレクション)
8 ‘荊冠のキリスト’(ウィーン美術史美)
9 ‘キリストの埋葬’(ローマ、ヴァティカン博)
10 ‘キリストの笞打ち’(ナポリ、カポディモンテ美)
11 ‘羊飼いの礼拝’(シチリア、メッシーナ州立美)

(3階)
12 ‘勝ち誇るアモール’(ベルリン、国立絵画館)
13 ‘ユディットとホロフェルネス’(ローマ、バルベリーニ宮国立古代美)
14 ‘エマオの晩餐’(ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
15 ‘洗礼者ヨハネ(解放されたイサク)’(ローマ、カピトリーニ美)
16 ‘キリストの捕縛’(ダブリン、アイルランド国立美)
17 ‘イサクの犠牲’(ウフィツィ美)
18 ‘洗礼者ヨハネ’(カンザス・シティ、ネルソン=アトキンズ美)
19 ‘洗礼者ヨハネ’(ローマ、コルシーニ美)
20 ‘エマオの晩餐’(ミラノ、ブレラ美)
21 ‘洗礼者ヨハネ’(ボルゲーゼ美)
22 ‘眠るアモール’(フィレンツェ、ピッティ美)
23 ‘ダヴィデとゴリアテ’(ボルゲーゼ美)
24 ‘受胎告知’(フランス、ナンシー美)

これをみられてお気づきになるように、イタリアは自分の国が生んだ大巨匠だからローマ、フィレンツェ、ナポリ、シチリアなどから傑作をどどっと集めている。また、ロンドン、ベルリン、ダブリンからもすばらしい絵がきている。さらに、米国もすごく協力的。どうしてもこの展覧会を見逃したくなかったのはキンベル美蔵の‘いかさま師’をみたかったから。テキサス州まではなかなかいけないので、これは有難い展示である。

これに対し、3点所蔵するルーヴルからは1点もでてない。察するに今、オルセー美が工事中だからルーヴルとしては観光客の気持ちを意識して人気のカラヴァッジョ作品を出したくなかった?それともイタリアに冷たいだけ?‘ロザリオの聖母’をもっているウィーン美術史美も日本にも以前やってきたランクの下がる‘荊刑のキリスト’で勘弁してくれというところか。

4回にわけて感想を書こうと思うが、その前に開館時間のことを。曜日によって時間が異なる。
・月~木 9:30~20:00
・金    9:30~23:00
・土    9:00~23:00
・日    9:30~22:00

この展覧会は予約システムがあるのでこれを利用し、10時の予約をとり9時半にスタンばった。この時点で一般の列は200人くらい並んでいた。先頭は2人の日本女性。8時くらいに並んでいたのかもしれない。予約なしで出かける方はやはり朝一番に行くのがよいと思う。ある日本の男性の話だと、夜7時に行ったら、かなりの人が閉館8時のため列に並ぶのができなかったらしい。その人はその日は運良く並ばせてもらったようだが、次の2日7時にでかけたら2日とも大勢の人がいて入館できなかったそうだ。

開館してすぐ入ったので前にいるのは数人。ゆったりカラヴァッジョの名画をみることができた。これほど嬉しいことはない。まず、じっくりみたのが4年前ミラノで体験した‘果物籠’(06/5/3)。この絵は館から門外不出だが、はじめて貸し出された。

前は時間があまりなくさっとみただけだったが、今回は梨や八手みたいな葉っぱについている水滴を単眼鏡でみた。部分図を拡大してこの水滴を是非みていただきたい。同時代の画家でこんなリアルな質感描写ができるのはほかにはいない。カラヴァッジョの比類のない画技の高さに脱帽である。

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コメント

いづつやさま、

こんばんは。おかえりなさいませ。
カラヴァッジョを堪能されたようで、私も3週間後にクィリナーレに乗りこみますので。すでに姑、義弟は見に行ったそうで、会うたびに議論に花が咲きます。姑の主張ですと、フランスのナンシーから来た「受胎告知」の一部はカラヴァッジョの雰囲気がない、と息巻いていましたがいづつやさんはどうご覧になったでしょうか。またブログのご報告をゆっくり拝見いたします。時差ボケもあると思いますので、ご自愛くださいませ。

投稿: cucciola | 2010.05.14 05:31

to cucciolaさん
帰国してから毎日カラヴァッジョ展の余韻に浸って
います。なんだか大仕事を終えたような感じです。

2月にこの展覧会がはじまったとき、ローマの街は
カラヴァッジョの話題でもちきりだろうなと思って
ましたが、実際その通りになっているようですね。
お気に入りに絵について率直な印象を書こうと思っ
てます。

もう家族の方からお聞きと思いますが、照明を暗く
して絵画と同じ角度から当てた光の演出がすばらし
く、カラヴァッジョの世界にのめりこみます。
流石、ローマでの開催です。カラヴァッジョ研究の
第一人者であるストリナーティ氏が責任者になって
ますから、展示の仕方もうならせます。

ナンシーからきた‘受胎告知’は姑さんと同じこと
を日本からきた男性が言ってました。私も天使の顔
は見えないのと、マリアの顔が平凡なのでそれほど
ぐっときませんでした。

ご存知かもしれませんが、宮下氏が書かれたとても
いいカラヴァッジョ本をサマリーした記事をリンクしま
したので、よろしかったらご覧になってください。

投稿: いづつや | 2010.05.14 14:06

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