ローマで出会えるカラヴァッジョ!
ポポロ門の近くにあるサンタ・マリア・デル・ポポロ教会(7時~12時、16時~19時、休みなし)で‘聖パウロの回心’、‘聖ペテロの磔刑’と再会した。ここもフランチェージ教会と同じく、カラヴァッジョの絵がある主祭壇左手のチェラージ礼拝堂の前には沢山の人がいる。
写真撮影がNGで前回もそうだったか覚えてないが、お爺さんがしっかり見張っており、単眼鏡でみているとカメラと思ったのか声を出そうとした。右にある‘聖パウロの回心’は画面いっぱいに大きな馬が描かれ、その下では頭をこちらにむけて横たわる若い兵士が手を広げるポーズをとっている。瞑想するパウロに光を当ててイエスに回心する奇跡を表現するのはカラヴァッジョにしか思いつかない構成。しかも、馬と男のクローズアップだから、これをみた人は大きな衝撃を受けたことだろう。
左の‘聖ペテロの磔刑’でも逆さ十字架にかけられたペテロと3人の処刑人はそれぞれ強い存在感をみせている。ペテロがいなければ、家の一部かなにかを建てている現場に居合わせたような感じである。ペテロのモデルは‘イサクの犠牲’のアブラハムや‘聖マタイと天使’のマタイにも使われた人物だから、絵にとても親近感を覚える。
教会にあるカラヴァッジョ作品の次は1月見逃した‘悔悛のマグダラのマリア’、ヴェネツィア広場から歩いて4、5分のところにあるドーリア・パンフィーリ美ヘ急いだ。回顧展の前半にでていた‘エジプト逃避途上の休息’は今はここになく、別の美術館で開かれているカラヴァッジョ展にまた貸し出し中とのこと。
‘マグダラのマリア’はどうみても風俗画。うたた寝している若い女性のそばにいつまでもいたい気持ちになる。マグダラのマリアの持物である香油壺が床にあり、スカートの文様が壺になっていても、この絵を宗教画としてみる雰囲気ではない。ここはこの1点だけなので20分で引き上げた。開館時間は10時~17時、木曜は休み。
回顧展に今も展示中の‘洗礼者ヨハネ’を所蔵しているコルシーニ美はファラエロの傑作‘ガラテア’があるファルネジーナ荘のすぐ前。この二つは連チャンで行かれるのがいいと思うが、日曜と月曜はダメ。ファルネジーナは日曜、コルシーニは月曜が休み。
今回のローマ滞在で鑑賞したカラヴァッジョ作品は回顧展とあわせて31点。次の大きな追っかけはマルタにある‘洗礼者ヨハネの斬首’(拙ブログ2/14)。実現にはだいぶ時間がかかるかもしれないが、その日がくるのを夢見ていたい。
| 固定リンク
コメント
今日知ったのですが、来年は国立西洋美術館で3月からカラヴァッジョ展があるそうですよ!
サン・タゴスティーノ聖堂の『ロレートの聖母』を借りられるよう交渉中だそうです。私は、見どころのありすぎるローマでこの作品を見ていないので、日本に持ってきてくれたら、うれしいのですが。
あと今年の末に開かれる東京都美術館のボッティチェリ展では、ウフィツイ美術館の有名な『三賢王の礼拝』が来るそうです!
投稿: ケンスケ | 2015.04.14 22:09
to ケンスケさん
西洋美で来年カラヴァッジョ展ですか!ビッグ
ニュースですね。‘ロレートの聖母’が来ることに
なったら最高ですね。この傑作、お気に入りの上位
にいれてます。
1/5に夢の展覧会として、二度目のカラヴァッ
ジョ展は西洋美のほかには考えられないと書いた
のですが、本当に実現しちゃいますね。嬉しいです。
東京都美のボッテイチェリは‘三賢王の礼拝’が目玉
ですか。いい絵が毎年きてくれますね。
投稿: いづつや | 2015.04.15 00:01