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2010.05.30

ひきこまれるバロックイリュージョン!

1578_3     サンティニャーツィオの‘だまし絵クーポラ’

1579_3     祭室のほうからみた‘クーポラ’

1580_3    祭室のほうからみた天井画‘イエズス会の伝道の寓意’

1581_3             スパーダ宮殿の‘プロスペクトの間’

コルソ通りに面しているコロンナ広場とドーリア・パンフィーリ美の真ん中にあるサンティニャーツィオ教会(拙ブログ3/7)をまた訪れた。1月のときは雨が降っていたため教会の中が暗く、お目当ての天井画やだまし絵のクーポラ(丸屋根)はよくみえなかった。だから、もう一度でかけこのバロックイリュージョンをクリアにみようと思ったのである。

ところが、世の中自分の思った通りにはいかないもの。この時期のローマは一日中雨が降ったり止んだりで、天候は不安定。朝方はだいたい小雨が降っており、‘今日の名所めぐりはシンドイな’と悲観しているとそのうち青空がみえてきて大丈夫モードになる、が、そにうちまたパラパラ降ってくる。

こんな調子なので教会の明るさは前回よりはましだが、理想の半分くらいだった。写真はフラッシュがたけないのでクーポラの画像が残念ながら鮮明でないが、これから出かけられる方のために2枚撮った。最初はここから上をみなさいというポイントから撮ったもの。丸い屋根の感じはどうみても本物。クーポラ頂点の採光窓から光が差し込んでくるようにみえる。

が、ここを離れ祭壇近くのほうに進み、そのあたりからかみると、これがだまし絵だということにすぐ合点がいく。天窓が真ん中ではなく下のほうにみえるのである。ここへ来られたら是非ご自分の目でお確かめいただきたい。ポッツォ(1642~1709)が描いた身廊の天井画‘イエズス会の伝道の寓意’も下のベストポジションからみると、人物が宙に浮かぶイリュージョンに完全に嵌り、自分の足が床から離れ天に昇っていくような錯覚を覚える。

だが、これをクーポラを見直したのと同じところからみると、絵の体をなさなくなる。地震で積み木が崩れるように人物たちは一斉に前に崩れ落ち、構成がばらばらに分解されていく感じ。高度な遠近法を駆使して描かれたこの天井宗教画はある1点からみることを前提にして壮大なイリュージョンが生み出されていたのである。バロック芸術に幻惑され続けたいと思う方は、ここからはみないほうがいいかもしれない。

ファルネーゼ宮殿の近くにあるスパーダ宮殿(なかに美術館がある)でも不思議な体験をした。ここはセカンド・プライオリティだったので、期待値は高くない。美術館の入り口は入ってそのまま奥に進み、左手にある。足がとまる絵がなかったのは予想通り。で、ガイド本にでており、パンフレットに載っている‘プロスペクトの間’がどこにあるのか係員に尋ねた。すると、中庭に案内された。

目の前にあるのは左右に列柱が並ぶ通路。一番奥の柱のずっと先に古代ローマの兵士の彫像がみえる。通路のなかには入れず、写真撮影もダメだという。これはだまし絵の技法を使っただまし建築物、彫像なのである!はるか先にみえる彫像までの距離はじつは9m。ぱっとみると30mくらいにみえるのだが。

これを設計したのはベルニーニ(1598~1680)のライバル、ボッロミーニ(1599~
1667)。遠近法つながりでこれをみれたのだから、ポッツォに感謝しなければいけない。

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