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2010.04.27

国芳展の勇ましい絵をみて元気200%!

1494_2            ‘坂田怪童丸’

1496_2      ‘朝比奈小人島遊’

1497_2      ‘近江の国の勇婦於兼’

1495_2      ‘竜宮玉取姫之図’

国芳展(府中市美)の後期(4/20~5/9)は前期(拙ブログ3/24)同様、楽しみが尽きない。摺りの状態がいい武者絵や美人画、迫力満点のワイドスクリーン画、ユーモラスな戯画、北斎や広重とはまた違った魅力のある風景画、これほどバラエティに富んだすばらしい国芳の絵が府中で全開中なのである。美術館から宣伝部長を仰せつかっているわけではないが、浮世絵ファンとしてはついついPRしたくなる。お見逃しなく!

楽しみにしていたのが‘坂田怪童丸’。この勇ましい絵と会うのは97年の回顧展(サントリー美)以来。国芳は金太郎と鯉の組み合わせで数点描いているが、これが最もぐっとくる。いわゆる子供絵としては最上位のランクづけをしている。滝のしぶきがとび散るなか、大きな鯉を捕まえる金太郎の元気のいいこと!

‘朝比奈小人島遊’は日本版ガリバー物語。‘国芳はガリバーの話も思いついたのか?すごい想像力!’なんて早合点しないこと。国芳は長崎から入ってきた巨人ガリバーと小人の絵をしっかりみている。才能のある人間はこういう絵をみると自分流の巨人画を描きたくなるのだろう。

この絵は96年と97年にあった2回の回顧展に出品されなかったから、ずっと追っかけていた。ようやく対面できた。なんとも愉快な絵。横に寝そべる朝比奈ガリバーは小人の大名行列を楽しそうに眺めている。巨人と小人の差がこれくらいあるとわれわれはとてつもなく大きな空間にいることになる。想像力を掻きたててくれる絵はやはり特別の存在感がある。

子供の怪力NO.1が金太郎なら、怪力女で名が通っているのが近江の国の宿場女、お兼。風呂上りで涼んでいたら馬が暴れだした。男たちはいるのに誰もこれを制せられない。これを見たお兼は‘役に立たねえ、男どもだなあ!’とつぶやき、暴れ馬の手綱を下駄でぐっとふんで取り押さえた。肩に手ぬぐいをかけ、見得をきるポーズが決まっている。

朝比奈ガリバーとともに見たくてたまらなかったのが‘竜宮玉取姫之図’。左端で海女が刀をふりかざして追っかけてくる龍や蛸や魚たちを威嚇している。海女はどうして追われているのか?藤原鎌足は娘を唐の皇帝嫁がせその返礼として宝珠を贈られたが、途中で龍神に奪われる。

だが、鎌足から依頼された志度の浦の海女はこれを奪還する。これですんなりとはいかない。龍神は海老、蛸、魚、貝などを手下にして逆襲してくる。で、海女は宝珠を乳房の下に隠し、なんとか逃げようとしているのである。真ん中の緑の龍神のくねくねする動きとそれに呼応する大きな波のうねりに視線が集中する。また、手前で横に描かれている手下たちの小悪党風の描写もおもしろい。

目に力が入る絵はまだまだいっぱいある。あとは見てのお楽しみ!

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