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2010.04.10

心を揺すぶる根津美の特別展‘胸中の山水・魂の書’!

1444_2                夏珪の‘風雨山水図’

1443_2     牧谿の‘漁村夕照図’

1445_2          賢江祥啓の‘山水図’

1446_2   因陀羅の‘布袋蒋訶問答図’

根津美では現在、新創記念展の第4弾‘胸中の山水・魂の書’(3/13~4/18)が行われている。1年間は所蔵の名品がそれこそ全部でてくる感じなので毎回、大きな満足が得られる。

今回スポットが当てられるのは中国の山水画とそれに影響を受けた日本の禅僧たちの絵、そして書。最初の頃、馬麟の‘夕陽山水図’(重文)が登場したが、馬麟の父、馬遠と南宋の同時期に活躍したのが夏珪。

ざざっと描かれたような‘風雨山水図’(重文)はその粗い筆跡がかえって雨が激しく降り、風の強い情景をよく伝えている。傘をすぼめ腰をかがめて橋を渡る男の動感描写は心憎いばかりに上手い。

牧谿(もっけい)の有名な絵、瀟湘八景の一枚‘漁村夕照図’(国宝)はこの美術館の誇るお宝の一つ。04年にあった‘南宋絵画展’以来だから、6年ぶりの対面。八景のなかで最も気に入っているのがこの絵。

目の前の景色は全体に霞がかかり、時間の経過とともに湖辺の大気や光が微妙に変化していく様子がうかがえる。中央には釣り舟が4隻、右端の漁師は投網をしている。シルエットになってみえるその姿が心を揺すぶる。

昨年、畠山記念館で公開された同じく国宝の‘煙寺晩鐘図’をみられた方はこれも是非。牧谿の八景はどの美術館でも展示される機会が少ないから、南宋絵画の真髄にふれるにはもってこいの流れである。

日本の禅僧が描いた山水もいいのがある。周文の‘江天遠意図’(重文)と賢江祥啓の‘山水図’(重文)。周文の絵はやっとお目にかかった。3年前、東博であった‘京都五山 禅の文化’展に周文の名画がかなり揃ったのだが、残念ながらこれは展示されなかった。これで周文も済みマークがつけられる。

祥啓の絵は墨の画面のなかに松の木などを青緑で彩色しているのが特徴。また、角々した岩の塊を横にのばして四角のフォルムにしているのもほかの山水画と異なるところ。以前展示された芸阿弥の‘観瀑図’(重文)は視線が縦に動くのに対し、この絵は横の広がりがあるのでゆったりみられる感じがする。

因陀羅の国宝の問答図は毎度、布袋の笑顔に心が和む。‘文は人なり’といわれるが、こういう人物画をみると‘絵も人なり’を実感する。これを描いたインドの僧、因陀羅の心根の良さが手にとるようにわかる。

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根津美術館で開催中の 新創記念特別展 第4部「胸中の山水・魂の書−山水画の名品と禅林の墨蹟」展のプレス内覧会にお邪魔して来ました。 上野で「大哺乳類展」のプレス内覧で興奮し過ぎてしまったので、いきなり牧谿を拝見してもそのギャップに心臓に悪い負担かかりそうなので、取り敢えず、NEZU CAFEでコーヒー頂きクールダウン。 NEZU CAFE NEZUブレンドコーヒーやB.L.T.サンドイッチがおススメ! ぽつりぽつりと春を予感させる手入れの行き届いたお庭をぼ〜と眺めな... [続きを読む]

受信: 2010.04.18 13:34

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