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2010.04.30

期待値が半分あたった‘ピカソと20世紀美術の巨匠たち展’!

1505_3     デルヴォーの‘森の精’

1508_3              モディリアーニの‘アルジェリアの女’

1506_4            リンドナーの‘ヒョウのリリー’

1507_3    ウォーホルの‘ペーター・ルートヴィヒの肖像’

横浜そごうで開かれている‘ピカソと20世紀美術の巨匠たち展’(4/8~5/16)は期待値半分、リスク半分だった。

作品を所蔵するケルンのルートヴィヒ美については、2年前名古屋市美であった一級のモディリアーニ展に‘アルジェの女’を出品していたことがインプットされているだけなので、作品情報はゼロに等しい。だから、出かけたのはいいが満足する絵はたいしてなかったということもありうるなと思っていた。

果たして、その予感は半分当たっていた。目玉のピカソは8点あるが残念ながらグッとくるのが1点もない。昨年Bunkamuraにやってきたノルトライン=ヴェストファーレン美が所蔵する‘鏡の前に座る女’(拙ブログ09/2/27)などと較べて随分見劣りがする。ズバリいってピカソは期待しないほうがいい。

でも、ほかの画家の絵(52点)にかなりいいのがあるからトータルでは○。ご心配なく。最も魅了されたのがデルヴォー(1897~1994)の大作‘森の精’。デルヴォーのいい絵をみる機会がなかなかないが、この絵は06年ベルギー王立美で遭遇した傑作の数々(09/6/19)同様気分をハイにさせてくれる。

昨日紹介したユトリロの風景画のように画面の上半分は完璧な遠近法で道や建物が描かれている。沢山の森の精がおり、大半は裸婦だが衣服を着ている女性もいる。手前、中景、遠景で背の高さはだんだん低くなり、正面、横、斜め、後ろ向きといろいろなポーズをとっている。不思議なのが森の精なのに、立っているのは波しぶきがみえる海の上。ボッティチェリの‘ヴィーナスの誕生’のシュールヴァージョンをみるよう。

モディリアーニ(1884~1920)の‘アルジェリアの女’は名古屋ですごく目に焼きついているからすぐ反応した。モディリアーニやゴッホの人物画をみると一から十まで写実的に描かなくても人の外観や内面は表現できるのだということを思い知らされる。

今回はじめてお目にかかる画家が何人かいた。ハンブルク生まれのリチャード・リンドナー(1901~1978)もそのひとり。へんてこな女‘ヒョウのリリー’をみてすぐ思い出しのが4年前みたニキ・ド・サンファルの女性像(06/6/2)。赤や黄色といった原色が目にとびこんでくるのも似ている。

ポップアートの旗手、ウォーホル(1928~1987)が制作したコレクター、‘ペーター・ルートヴィヒの肖像’に足がとまった。顔を斜めに横切る青、薄ピンク、朱色の色面はとても印象的で現代感覚あふれる魅力的な肖像画になっている。また、お馴染みのステラやアルバースの正方形画面とは自由に遊べるし、フランケンサーラーの横長の作品にも惹かれる。

なお、この展覧会はこのあと次の美術館を巡回する。
・宮城県美:5/22~7/11
・鹿児島市美:7/23~9/5

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