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2010.04.16

ヴェネツィア絵画の気になる人物描写!

1468_2     ジョルジョーネの‘老婆’

1466_2    ティツィアーノの‘聖母マリアの神殿奉献’

1467_2                             カルパッチオの‘聖女ウルスラ伝’

ここ数年海外の美術館をまわるとき、ヴェネツィア派のティツィアーノとティントレットの絵画を必見リストの上位におき、目に力をいれてみてきた。1月に訪問したヴェネツィアでも幸運にも再会したものも含めていくつもみることができた。

画集に載っている代表作に一つ々済みマークをつけるのは楽しいもので、次回この水の都へ来たとき出かける教会や美術館は今から決めている。

鑑賞した作品が増えてくると、画業の変遷や作風がいろいろわかってくる。そして、ダヴィンチ、ボッティチェリ、ミケランジェロ、ラファエロらのフィレンツェ派との技法や表現方法の違いとかバロック絵画との共通性にも気づくようになる。今回、ヴェネツィア絵画で感じたことをすこし。

2度目のアカデミア美ではおおいに刺激された。印象深い絵はジョルジョーネ(1476~1510)の‘老婆’(拙ブログ2/3)。感想記でも書いたようにこの現実感のある人物描写は近代絵画そのもの。

宗教上の出来事に当時の人々を登場させ、それまでの宗教画以上に神秘性を画面に与えたカラヴァッジョ(1571~1610)の絵に腹の底から惚れているが、ジョルジョーネのリアリズムにも仰天する。ひょっとしてカラヴァッジョはローマへ出る前、ヴェネツィアを訪れ、この絵をみたのかもしれない。

ティツィアーノ(1485~1576)の‘聖母マリアの神殿奉献’(部分、2/5)とカルパッチオ(1460~1526)の‘聖女ウルスラ伝’(部分、2/6)はともに宗教画ではあるが、半分は風俗画。輝く光の輪につつまれた聖母がティツィアーノの絵の主役だが、視線はそこから離れそのすぐ下にいる卵売りの老母のほうへ向かう。この横向きの年老いた女の存在感がありすぎるのだ。

こういう宗教画のなかに市井の人を描き込むのはヴェネツィア派の特徴。カルパッチオの絵にでてくる女のつまらなさそうな顔がとても気になる。これは連作の一枚なのだが、中央に描かれるハイライトの場面とは対照的にこの階段に腰をかけている女(給仕女?)に漂う無気力感はドイツの表現主義の絵をみているよう。

カルパッチオは別の一枚では川べりに疲れたような表情をみせる若い兵士を正面向きに描いている。この画家の内面描写に大変惹かれたので、ヴェネツィア再訪のときはまだ残っている傑作をいの一番にみようと思っている。

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