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2010.04.24

ミューズが誘ってくれた松伯美術館の‘上村淳之展’!

1485_2     ‘雁金’

1487_2     ‘水辺の朝’

1484_2     ‘早苗田’

1486_2           ‘晨’

これまで奈良博を訪問したときは、ついでに大和文華館へも寄ることが多かった。近鉄線の学園前(奈良から3つ目)で下車し、タクシーを利用すると5分くらいで着く。

今回はこの美術館はパスし、線路の反対側にある松伯美へ向かった。現在、行われている‘上村淳之展’(3/21~5/16)をみるためである。

ここへははじめて来た。土地勘がないから、どのあたりにあるのかはよくわからない。このこじんまりとした美術館が所蔵するのは上村松園、松篁、淳之三代の作品。今は企画展の‘上村淳之展’と併設展示の松園と松篁(3点ずつ)。

上村淳之(1932~)の作品25点は1点のみがここの所蔵でほかは個人と大松美のもの。08年、09年と2年連続で回顧展に出会ったから(拙ブログ09/3/7)、目が慣れている絵が多い。‘雁金’はお気に入りの一枚。雲にかすんだ月を背景にして2羽の雁金が悠々と飛んでいく。もし、‘一点差し上げる’といわれたら、躊躇せずにこれをいただきたい。

羽を広げ低空で飛んでいく鳥の群を描いた作品は数点あるが、どれも水面に影が映りこんでいる。‘水辺の朝’は白とグレーを基調にして構成されたとても静かな絵。朝のひんやりした空気のなかを音もたてず、すーっと飛んでいく3羽の鳥が心を揺すぶる。

1600羽もの鳥たちと一緒に生活している淳之は目をつぶっても鳥の動きは克明にとらえられるにちがいない。‘早苗田’は肩の力が抜けるとてもいい絵。小刻みに体を動かす子鳥とは対照的に子鳥に近づく親鳥は慈愛に満ちやさしく見守っている感じ。

白鷹の絵‘晨’にもすごく魅了される。淳之の父、松篁は長年白鷹を描きたかったが叶わなかったという。併設の部屋に普通の鷹の絵があった。淳之が描きあげた白鷹をみると、父を超えようとする意気込みが伝わってくる。

‘大遣唐使展’の開催時期と上村淳之展が重なったのは幸運というほかない。いつか訪問しようと思っていたこの美術館でミューズは淳之のすばらしい花鳥画を取り揃えてくれていた。思い出に残る奈良美術旅行だった。

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コメント

いづつやさま、

こんばんは。
松園から続くこの家系、画風は変われど才能は面々と伝えられているって感じですね。
敦之さんの作品群には、自然に向ける目の優しさを感じます。松伯美術館、ぜひ一度行ってみたいです。

投稿: cucciola | 2010.04.27 05:46

to cucciolaさん
念願のボストン美蔵‘吉備大臣入唐絵巻’を
見るため奈良へ行ってきました。折角の奈良
遠征ですから、いつか訪問しようと思ってま
した松伯美にも寄ってみました。

上村淳之の作品を現役の画家のなかでは最も
関心をもってみてます。松園、松篁のDNAを
しっかり継ぎ、独自の花鳥画の完成させつつ
あります。おっしゃるとおり鳥や花を愛でる
気持ちがそのまま画面にあらわれてますね。
心が和みます。

画家は今年78歳ですが、来年あたり文化勲章を
受賞するのではないかと思います。

投稿: いづつや | 2010.04.27 11:57

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