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2010.03.25

美しい色がふわふわ気分にさせる小野竹喬展!

1397_2    ‘奥入瀬の渓流’

1396_2    ‘高原’

1395_2    奥の細道句抄絵‘あかあかと日は難面もあきの風’

1394_2    加山又造の‘天の川’

‘小野竹喬展’(東近美)の後期(3/24~4/11)がはじまったので、再度竹橋へ出かけた。前期(拙ブログ3/7)だけの作品と入れ替わりで登場するのは17点。後期のみを見られる方はこれプラス通期展示の85点、素描52点。

17点のうち2点を除いて鑑賞済みなので、リラックスした心持で再会を楽しんだ。足がとまるのは茜空と柿の絵‘夕空’(08/11/6、ウッドワン)と‘波濤’(笠岡市竹喬記念館)と‘一本の木’(06/3/12、岡山県美)。

‘夕空’は茜空シリーズの最初のころの作品で、目にドッととびこんでくる茜空とはちがって‘夕雲’(京都市美)タイプのうすい茜色。また、画面手前に描かれる細い木々もほかの作品にみられるように垂直にのびてなく、左の木は少し横に傾き、柿の木も右から斜め上にせり出している。

久しぶりの‘波濤’をしばらくみていた。川でも海でも水の流れや波を描くのは大変難しい。波の形は見た瞬間に消え、また次の波が現れるのだから、相当長いことその情景を観察しないと形はイメージできない。竹喬の絵をみていると波の音が聞こえてくるよう。穏やかな瀬戸内の海はまさにこんな感じ。

‘奥入瀬の渓流’(東現美)は大好きな絵。5年前現地を訪れたとき、この絵のすばらしさがよくわかった。速い水の流れや水しぶきを前にするとまた、奥入瀬へ行きたくなる。

竹喬の風景画をみていて、ふと抽象画をみているような気になるときがある。これは福田平八郎の絵でも同じ。通期に展示してある‘高原’はその印象が強い作品。むくむく感のある白い雲を背景に描かれた山の斜面にはすっきりカラーの緑と紫、白の色面が横に並んでいる。具象の雲を消せば、そのまま抽象画になる。

そうした抽象的な形がうまく融け合っているのが奥の細道句抄絵の一枚、‘あかあかと日は難面もあきの風’。真ん中を横にのびる茜色の色面はとてもインパクトがあり、上のうすピンクの細い帯が輝いている青い雲とは色、形ともにしっくりつながっている。

自然のなかのモティーフを見続けていると、具象を離れて瞬間的におもしろいフォルムを見出すことがあるが、こうした体験がきわめてシャープに表現されているという感じがする。

竹喬のこの絵によく似た絵がある。それは昨年の回顧展に出品された加山又造の‘天の川’。琳派の画風を思わせる装飾性の強い又造の絵に対し、竹喬の絵はススキや太陽や茜空を抽象的とも思えるフォルムに還元し象徴的に描いている。87歳でこんな現代の感性にも通じる絵を描くのだから、竹喬は真にすごい画家だなと思う。

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コメント

いづつやさんおはようございます。なるほど加山又造と近いですか、うなづけますね!僕も後期展示行けたら今日行きたいですね。僕は近代美術館の四階休憩コーナーでコーヒーを飲むのが大好きなのです。秋には上村松園の回顧展がありますね、いづつやさん楽しみなのには。しかし移転して山種の桜シリーズが、観られないのは残念です。移転は成功といえないようなー

投稿: oki | 2010.04.02 07:37

to okiさん
東近美の平常展は2年くらいパスしてますから、
ここへくるのはとても新鮮です。秋の上村松園展
は追っかけ作品が1,2点でてくれることを祈っ
てます。かなりよさそうですね。

春は旧山種の桜展をみるのが楽しみでしたが、
恵比寿の山種はokiさん同様ネガティブな気持ち
ですね。料金が高すぎます。土牛展で最後にしよ
うと思ってます。

投稿: いづつや | 2010.04.02 14:54

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