« 板橋区美の‘浮世絵の死角’はミニ国貞展! | トップページ | 美しい色がふわふわ気分にさせる小野竹喬展! »

2010.03.24

大ホームランの歌川国芳展!

1393_2           ‘本朝水滸伝豪傑八百人一個 早川鮎之介’

1390_2    ‘讃岐院眷属をして為朝をすくふ図’

1392_2    ‘新板子供遊び之内 雪あそび’

1391_2    ‘二十四孝童子鑑 孟宗’
  
府中市美で開催中の‘歌川国芳展’(3/20~5/9)を楽しんだ。作品は225点あり、前期(3/20~4/18)と後期(4/20~5/9)で半分ずつでてくる(通期展示は12点)。

国芳の回顧展が開かれるのは生誕200年を記念し95年から97年にかけて全国を巡回した2つの展覧会(大丸各店と名古屋市博&千葉市美&サントリー美、拙ブログ09/6/16)以来。幸いにもこの回顧展を体験したので、今回はプラスαに期待してアクセスのあまりよくない府中市美まで出かけた。

今日はJRにしろ地下鉄にしろ乗り継ぐタイミングがすごくいい。不思議なことなのだが、こういう日はときどきある。果たして、京王線東府中駅には美術館へ向かうバスが出発する時間の5分前に着いた。で、あまり雨に濡れることもなく入館することができた。

国芳の武者絵は6点。好きなのは鮎が飛び跳ねている‘早川鮎之介’。怪力が自慢のこの男は川を板で堰き止め鮎をとっているのである。奥行きのある画面からは今にも鮎がこちらに飛びだしてくるよう。

国芳の人物や生き物の動感描写はダイナミックで臨場感にあふれているが、大画面になると迫力が一段とます。今回お楽しみが4点ある。‘相馬の古内裏’(前期)、‘鬼若丸と大緋鯉’(後期)、‘宮本武蔵と巨鯨’(通期)、‘讃岐院眷属をして為朝をすくふ図’(通期)。

骸骨がでてくる‘相馬の古内裏’以外の3点はいずれも大きな魚が画面いっぱいに描かれている。そのなかでゾクゾクとするようなおもしろさがあるのが‘讃岐院’。上部にいるのは鋭い歯をした鰐鮫。体の表面のきらきら光る渦巻き模様の鱗が妙にリアル。こういうグロテスクな鮫だから、ぱっとみると悪のイメージ。だが、そうではなく、この鰐鮫は海難にあった男と子供(為朝の嫡男)を救っているのである。

大波に揺れる舟にいる武士(為朝)は何をしているの?まわりにいる灰色のうごめく物体は?この色彩的に違和感のあるのは烏天狗で讃岐院(崇徳上皇)の家来、為朝が自害しようとするのを旧約聖書の‘イサクの犠牲’ではないが、‘ちょっと待った!’と止めているところ。国芳の豊かな想像力と構成力は本当にすごい!

初見で足がとまったのが子供たちの雪遊びを描いた絵と雪道を進む男を真横からとらえた構図に魅せられる‘孟宗’。どちちも人物描写に動きがあり、じっと見入ってしまう。

後期もバスをあまり待たないタイミングで東府中に到着するといいのだが。

|

« 板橋区美の‘浮世絵の死角’はミニ国貞展! | トップページ | 美しい色がふわふわ気分にさせる小野竹喬展! »

コメント

いづつやさんこんばんは。確か日経おとなのOFF2月に府中市美術館館長がでてこの展覧会紹介してましたね。巡回がないということでかなり混雑するでしょうし、図録も完売するでしょうね。僕も楽しみ、大の猫好きだったようですね。僕は府中市美術館行くときは府中駅から武蔵小金井行きのバスを使います。ちゅうバスは混雑する上に揺れるから嫌なのです。ところでいづつやさん、静岡か千葉の若冲アナザーワールドは必ず行かれますよね

投稿: oki | 2010.03.26 01:04

to okiさん
出かけた24日は雨が降っており、バスのタイ
ミングが悪いとイヤだなと思っていたら、5分前
だったので助かりました。

今回出品されている個人蔵の国芳は実は前の2回
の展覧会にもかなり出ましたので、いい摺りの
浮世絵がまたみれたという感じです。とにかく
すばらしいコレクションです。猫の絵が沢山あります。

千葉市美の若冲展はプラスαに期待してます。展示
替えに合わせて2回でも3回でも出かけるつもり
です。楽しみですね。

当分の間、鑑賞エネルギーを継続的に注ぐことにして
いるのは、日本画では若冲、春信、歌麿、広重、菱田
春草、鏑木清方、加山又造、西洋美術では古代ギリ
シア・ローマの彫刻、カラヴァッジョの絵、ベルニーニの
彫刻です。1点々追っかけたいと思います。


投稿: いづつや | 2010.03.26 10:48

NHKのハイビジョン特集『幻の色 よみがえる浮世絵のビデオはありませんか?

投稿: 英ちゃん | 2011.02.20 00:11

to 英ちゃんさん
生憎、この番組は見てません。

投稿: いづつや | 2011.02.20 16:59

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大ホームランの歌川国芳展!:

» 「歌川国芳展」 [弐代目・青い日記帳 ]
府中市美術館で開催中の 「歌川国芳 奇と笑いの木版画」展に行って来ました。 ペラの1枚チラシではなく、何と3枚綴りという豪華さ! 開いて見ると、このようにそのまま部屋に飾れるほどのビックサイズに。 横幅いっぱいに巨体を躍らせるワニザメが主役のように描かれている。大判3枚続「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」この作品の魅力を最大限に生かすためにこんな贅沢なチラシを作ってしまう辺りが府中市美術館の魅力。 展覧会会場入口 注:美術館の許可を得て撮影したものです。 まず入... [続きを読む]

受信: 2010.03.31 10:58

» 歌川国芳ー奇と笑いの木版画 @府中市美術館 [Art & Bell by Tora]
 初夏のような好天気。今週末から大好きな国芳展が始っているので早速行ってきた。 これは面白い展覧会。絶対のお勧めである。その理由は三つ。  まず、国芳単独の展覧会は意外に少ない。東京ステーションギャラリーの「国芳・暁斎 なんでもこいッ展だィ!」(記事はこちら)にしても二人展であるからこの機会は逃せない。  次に、これは「ある個人コレクター」が集めた二千数百点の中から厳選された名品ぞろいである。  そして最後に、展覧会の副題に示すように戯画中心の楽しめる展覧会である。↓はポスターの一... [続きを読む]

受信: 2010.04.01 21:35

» 「歌川国芳 奇と笑いの木版画」(前期) 府中市美術館 [はろるど・わーど]
府中市美術館(府中市浅間町1-3) 「歌川国芳 奇と笑いの木版画」(前期展示) 3/20-5/9(前期:3/20-4/18、後期:4/20-5/9) 府中市美術館で開催中の「歌川国芳 奇と笑いの木版画」の前期展示へ行ってきました。 これまでも同美術館の江戸絵画展は他の追従を許さないものがありましたが、この国芳展に関しても同じことが言えるかもしれません。展示品の質はもとより、国芳を縦の軸(時系列)と横の軸(テーマ別)に解体し、さらにはその面白さを引き出す構成の妙味など、さすが府中と唸らされ... [続きを読む]

受信: 2010.04.02 22:04

« 板橋区美の‘浮世絵の死角’はミニ国貞展! | トップページ | 美しい色がふわふわ気分にさせる小野竹喬展! »